マタイの福音書の恵み 162

   墓から立ち上がり復活を伝えましょう
 
マタイの福音書の恵み 162

墓から立ち上がり復活を伝えましょう
[ マタイの福音書28章1~15節 ]

ハ・ヨンジョ オンヌリ教会 前主任牧師


信仰は生きて働くもの
「彼女たちは恐ろしくはあったが大いに喜んで、急いで墓から立ち去り、弟子たちに知らせようと走って行った」(マタ 28:8)。
御使いのメッセージを聞いた女たちは、混乱に陥りました。信じられなかったからです。復活は、私たちの理性や経験、知識の中にはありません。死んだ人が生き返るでしょうか。しかし、明らかなことは、御使いが復活のメッセージを伝えたという事実です。墓の石は横に転がされており、墓の中は空になっていました。そのことが、一方では信じられ、もう一方では信じられません。それが、彼女たちの信仰の状態でした。
彼女たちは、恐れと大きな喜びの中で、弟子たちのもとに走って行きました。信仰は墓を去ることです。新しく生まれていない人、つまり人間的な基準で愛し、献身した人の信仰は、墓を追い求める信仰です。しかし、イエス様は復活されました。私たちが出会うべき方は、亡骸のイエス様ではなく、復活され、今も生きておられるイエス様です。墓から立ち上がり、教理や制度としての信仰ではなく、生きて働かれるイエス様に出会わなければなりません。
女たちは、急いで墓から立ち上がり、弟子たちに知らせるために走って行きました。歩いて行くことはできませんでした。信仰は、緊急的なものであり、切迫詰まったものです。今日でも明日でもいいというものではありません。イエス様が復活されたことを伝えるためには、歩いている場合ではありません。皆さんが走って行き、賛美しながら奇跡を伝える信仰者になることを願います。

復活されたイエス様のメッセージ
イエス様の復活を伝えるために急ぐ彼女たちの前に、イエス様が現れました。
「すると見よ、イエスが『おはよう』と言って彼女たちの前に現れた。彼女たちは近寄ってその足を抱き、イエスを拝した」(マタ 28:9)。
復活されたイエス様が最初に語られたことばは「おはよう」でした。「おはよう」と訳されたギリシア語のもともとの意味は「喜びなさい」です。なぜ、そう言われたのでしょうか。イエス様が十字架で勝利し、サタンの力に打ち勝たれたからです。それで「喜びなさい。戦いは終わった。苦しみは終わった。あなたの涙を拭い、苦しみも悲しみもない新しい天と新しい地の祝福を与えよう」と言われたのです。それは、この世が与える喜びではなく、天が与える喜びです。キリストによる復活の喜びです。私たちは、その喜びに満たされなければなりません。
イエス様が現れて「おはよう」と言われたとき、女たちはイエス様に近寄ってその足を抱き、拝しました。復活に対する彼女たちの反応は、まず足を抱くことでした。そして、拝することでした。足を抱いて拝することは、謙遜と礼拝を意味します。
私たちは、なぜ神様を深く信じられないのでしょうか。それは、神様に敵対しているからです。神様を認めないからです。心が高ぶっているからです。自分にも知識があり、お金があり、この世の名誉があるので、教会でももてなしを受けなければならないと考えるのです。それゆえ、礼拝をささげることができません。
私たちは、教会に来てひざまずかなければなりません。人からもてなしを受けようとするなら、礼拝をささげることはできません。仕えるために来なければなりません。謙遜な心で、この世の地位を捨てて神様の御前にひざまずき、その方の足を抱かなければなりません。
次にイエス様は何と言われたでしょうか。
「イエスは言われた。『恐れることはありません。行って、わたしの兄弟たちに、ガリラヤに行くように言いなさい。そこでわたしに会えます』」(マタ 28:10)。
御使いのメッセージと同じです。なぜガリラヤに行くようにと言われたのでしょうか。それは、イエス様が十字架につけられるときに逃げた裏切り者たち、挫折し絶望していた弟子たちに、回復のチャンスを与え、祝福するためです。私たちが裏切っても、イエス様は私たちを捨てられません。私たちが主を十字架につけたとしても、赦してもう一度チャンスを与えてくださいます。
ガリラヤはどんな所ですか。イエス様が弟子たちを召された所です。3年前に愛する弟子たち、無知で、霊的に訓練されていない者たちを召して、訓練した場所です。しかし、3年間の訓練は、失敗しました。彼らはみな逃げてしまいました。ガリラヤにいた弟子たちは、イエス様の人生の証人でしたが、それでは十分ではありませんでした。復活の証人にならなければなりませんでした。主は、弟子たちを復活の証人とするために、再びガリラヤに呼ばれたのです。

真理を歪める古典的な方法
最後に、イエス様に出会って復活の知らせを聞いたもう1つの部類の人たちについて考えてみましょう。それは、祭司長たちと長老たちです。
「彼女たちが行き着かないうちに、番兵たちが何人か都に戻って、起こったことをすべて祭司長たちに報告した。そこで祭司長たちは長老たちとともに集まって協議し、兵士たちに多額の金を与えて、こう言った。『「弟子たちが夜やって来て、われわれが眠っている間にイエスを盗んで行った」と言いなさい』」(マタ 28:11~13)。
祭司長たちと長老たちは、復活の厳然たる真実を受け入れませんでした。それで、事実を隠し、歪めようとしました。そこには、人間の心情が表れています。奇跡を見ても信じず、証拠を見ても信じないのであれば、それは不信仰です。不信仰には、サタンの悪が隠れています。私たちは、聖書から、彼らが最後まで真理を拒み、歪めようとした古典的な方法を3つ見出すことができます。その方法は、今日も同じように悪しき者たち、そしてサタンが用いているものです。
1つ目の方法はお金による買収です。
「そこで祭司長たちは長老たちとともに集まって協議し、兵士たちに多額の金を与えて」(マタ 28:12)。
兵士たちに多額のお金が与えられました。お金には威力があります。しかし、お金によって真実を買うことはできません。お金に真実を買うほどの威力があるわけではありません。お金によって何でも解決しようとすることは、祭司長や長老たちの方法です。
「こう言った。『「弟子たちが夜やって来て、われわれが眠っている間にイエスを盗んで行った」と言いなさい』」(マタ 28:13)。
2つ目の方法は、真実を歪めることです。イエス様が復活された出来事を、遺体紛失事件にしてしまいました。嘘は、一時的に通用するかもしれませんが、永遠ではありません。ある嘘は、数百年、数千年が過ぎても通用するかもしれません。しかし安心してください。天の御国では通用しません。嘘をつくのは、サタンの子らです。神様は偽りの霊をお与えになりません。
「『もしこのことが総督の耳に入っても、私たちがうまく説得して、あなたがたには心配をかけないようにするから』」(マタ 28:14)。
祭司長たちと長老たちが使った3つ目の方法は、権力の庇護です。彼らは、兵士たちに多額のお金を与えて偽りのメッセージを伝えるように命じ、「もしばれたとしても、安心しなさい。私たちが総督をうまく説得するから」と言ったのです。
今も、このような方法で不正と不義が横行しています。実際、祭司長たちと長老たちがお金で兵士たちを買収して偽りを広めることができた理由は、彼らが権力の庇護を受けていたからです。多くの人々がサタンの庇護を受けて、安心して悪事を行っています。多くの人が霧のようにはかない人生と、十年も続かない権力を神のように思っています。権力の座から下りた人々を見てください。権力に拠り頼んだ分だけ、悲惨になります。権力を利用した分だけ悲惨になるのです。

歪められた歴史
「そこで、彼らは金をもらって、言われたとおりにした。それで、この話は今日までユダヤ人の間に広まっている」(マタ 28:15)。
歴史は、この兵士たちが広めた偽りによって記録されたものなのかもしれません。しかし、天の御国に行くと、人類の歴史がどれほど偽善と偽りによってつなぎ合わされているかが分かるでしょう。人々は、月日が経てば偽りの歴史は正されると信じていますが、修正されるよりも、修正されずに埋もれてしまうことのほうが多いのです。人間が正した歴史は、完全ではありません。なぜなら、人間は堕落した歴史、罪の歴史に生きており、隠された歴史が続いているからです。
人類最大の詐欺は、進化論です。しかし、多くの人がそれを歴史的な真実として受け入れています。この時代の最大の詐欺は、無神論です。神はいないと信じているのです。しかし、それは事実ではありません。私たちが信じようが信じまいが、神様は生きておられます。真実は隠すことができません。復活は隠すことができません。聖霊が臨んだ敬虔なクリスチャンのうちにおられる主は、今日も働いておられます。復活の力が、今日も信じていない者に現れるでしょう。その復活の力が、私たちにも現れることを願います。

祈り
父なる神様、主が復活され、今私たちのうちにおられることを信じます。出て行って、イエス様が復活されたという知らせを喜んで伝えさせてください。復活は、死に対するいのちの宣言であり、絶望に対する希望の宣言であり、現在に対する永遠の宣言であり、地獄に対する天の御国の宣言であることをいつも覚えさせてください。イエス様の御名によって祈ります。アーメン。


 

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