キム・〇〇 OMC派遣宣教師
中国の自治区である新疆ウイグルを離れて1年3ヶ月経ちましたが、その地のために祈るたびに、いまだに痛みで胸がいっぱいになります。2018年1月の早朝、20数人の警察が家に押し入り、現金とカメラ、ノートパソコン、携帯電話などを押収し、私たち夫婦を逮捕しました。私たちは眠っている子どもたちを残したまま警察に連行されました。警察での取り調べの後、1時間以内に荷物を持って出て行くようにという追放宣告を受けました。子どもたちは数枚の服と抱っこして寝ていた大きな人形をなんとか持って、私たちも大切にしていたいくつかの物と、重要な内容が保存された外付けのハードディスクをカバンに入れました。最後に壁にかけてあった家族写真を入れると、1時間経っていました。大切に育てていた犬との別れの挨拶を最後に、その地を離れました。零下22℃の寒さの中、犬は外に捨てられたと聞きました。11年間仕えてきた場所から持ち出したものは、両手に抱えたカバンがすべてでした。宣教地に来てから、いつか追放されるかもしれないと考えてはいましたが、実際に追放されるといろいろな思いがこみ上げました。涙をもって福音の種を蒔き、いつ芽が出て育ち、実を結ぶかもわからない長い霊的戦いをしました。ようやく信仰の共同体が生まれたところだったのに、一瞬にして去ることになりました。突然追放されたため、教会の人たちに連絡もできず、知らせが届かず気をもみました。結局共同体は解散させられ、何人かは逮捕されたと聞きました。 しかし、宣教は主の命令であるため、3月からインドネシアに行こうと、準備をしています。主はみことばをもって私を慰めてくださいました。「見よ。まことにわたしは新しい天と新しい地を創造する。先の事は思い出されず、心に上ることもない」(イザ 65:17)。「彼らはむだに労することもなく、子を産んで、突然その子が死ぬこともない……彼らが呼ばないうちに、わたしは答え、彼らがまだ語っているうちに、わたしは聞く」(イザ 65:23~24)。私は、かの地を離れましたが、主が苦難の中に残っている者たちとともにいてくださることを信じます。種が蒔かれ、芽が出たため、神が育て、実を結んでくださることでしょう。そうしてくださる主を信じ、賛美します。
| 国家情報 | 新疆ウイグル自治区は、中国北西部に位置する自治区です。ロシア、モンゴル、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、パキスタン、インドなどと接しています。領土の多くは砂漠と草原地域です。人口は約2,300万人で、ウイグル族(46%)、漢族(39%)、カザフ族(7%)と、回族、モンゴル族等の少数民族(8%)で構成されています。公用語は中国語とウイグル語で、歴史的・政治的・民族的葛藤により、互いに傷つき傷つけ合う悪循環が続いています。漢族とモンゴル族は仏教、ウイグル族とそのほかの民族はイスラム教をおもに信じています。原油、鉱物、各種の果物の産地として有名です。
| 祈りの情報 | 中国政府はテロや騒動の防止の名目で宣教師に対する監視を強化しています。漢族を除く多くの人を強制収容所に監禁し、啓蒙教育を受けさせ、多くのクリスチャンが逮捕されました。数年の間に宣教師のほとんどが追放と住居不許処分を受けてこの地を離れました。漢族の教会共同体も政府の厳格な制約と監視で苦しんでいます。漢族教会の信徒たちが信仰によって共同体を守り抜き、散らされたウイグル教会の信徒たちも信仰を守れるように祈りましょう。追放された宣教師たちが戻れる道を開いてくださり、現地の献身者たちが起こされるように祈りましょう。
| キム・○○宣教師の祈りの課題 | 1.神との深い出会いが毎日続き、父なる神の御心をもってたましいを愛せるように。 2.新しい宣教地インドネシアのたましいを愛し、蛇のような知恵と鳩のような純粋さでキリストを伝えられるように。 3.家族の健康を守り、子どもたち(ハヌル、パダ、ビョル、ビッ)が神様が与えてくださるビジョンを抱いて成長するように。 4.とりなしの祈りが途切れず、支援教会と同労者たちの毎日が迫害と苦難の中でもさらに豊かになるように。
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