『祈りによる力』 神の心を動かす祈り

   古典で神に出会う 3
 
リュ・ウンリョル ワシントン中央長老教会 主任牧師、ゴードン・コンウェル神学校 客員教授


神は祈る人を捜しておられる
マルティン・ルターは「もし私が毎日2時間祈らなかったなら、その日の勝利は悪魔のものになるだろう。私はすべきことがとても多いため、毎日3時間祈らくては、しっかりと立っていることができない」と言いました。一つの時代において世を動かすことができる秘訣は、祈りにあります。神は御前にひざまずく人、祈る人を通して世を動かされます。今日、教会とクリスチャンは信仰の先人たちが想像もできなかったほど多くのものを所有しています。しかし、すべては豊かになっても、神の御前に心を尽くしてささげられる祈りのない、霊的には貧しい時代に生きています。
クリスチャンの中で祈りの重要性を知らない人や、全く祈らない人はいないはずです。問題は、心を尽くして神の御前に出て、神の御座を動かすような祈りがないということです。熱心に祈らないと霊的な心臓が止まってしまうという切迫感がありません。たとえ霊的な心臓が止まっても、その深刻さがあまりわかっていません。このような時代に、E. M. バウンズは『祈りによる力』という著書を通して、天の御国を揺るがす祈りについて教えています。
E. M. バウンズ(1835~1913)は、アメリカで生まれ、弁護士として活動していましたが、神の召命を受けてみことばを伝えるしもべになり、講壇に立つようになりました。「教会はより良い方法を求めていますが、神はより良い人を捜しておられます」という彼の言葉は、現代にもあてはまります。『使徒の働き』のみわざは伝道戦略から始まったのではありません。イエスが十字架で死なれた後、弟子たちは門を閉めてぶるぶる震えていました。しかし、祈りを通して彼らは世を変える神の人に変えられ、全世界に変化のみわざが起こったのです。

すべての根幹となる祈り
「どのように祈るのか」という質問に、彼はこう答えます。「死んだ祈りほど長い。短い祈り、生きている祈り、心のこもった祈り、直接的で具体的で熱くて単純だが、油注ぎのある、聖霊による祈りが必要である」 ここで短い祈りとは、単に祈りの時間が短いことを意味するのではなく、同じことを繰り返さない率直で明確な祈りのことを言っています。
彼は祈りについて「祈りのない説教はたましいを殺す。祈りのない説教者はいのちではなく、死を作り出す」と強調しています。今日の説教者にとって、これほど爆弾のように聞こえる言葉があるでしょうか。説教学の本を100冊読んだとしても、祈りがなければなりません。神の栄光の御顔の光を見た人が注ぎ出す天の声にまさる地の声があるでしょうか。祈りが切実なのは、説教者だけでしょうか。「今日、教会が必要としているのは、もっと大きくて良い施設ではない。新しい組織でも、奇抜な方法でもない。それは、聖霊に用られる人、祈りに通じた人、つまり祈りの人である」 神は能力者を用いられるのではありません。祈る人に天の力を注ぎ、彼らを通して最終的に世を神の計画どおりに導いていかれるのです。
10年間、神学校で教えた後、ある教会に主任牧師として召されたとき、私には、5千人以上の信徒が見守る中で牧会を成功させなければならないという非常に大きな負担がありました。早天から夜遅くまで熱心に集会を持ちました。しかし、以前説教した聖書の箇所を修正して説教をしていると、みことばを研究する時間も減り、早天祈祷や公的な祈りの時間に、個人の祈りをするようになりました。それでも躍動的な牧会ができているように見えていました。しかし、6ヶ月ほど経った時、主が私に「あなたはだれの力で牧会をしているのか」と問われました。私はその日から決断し、毎週木曜日に祈祷院に通い始めました。それから今日に至るまで、木曜日は丸一日、完全に祈りとみことばの黙想に集中するようにしています。
イエスの人生そのものが祈りの人生でした。40日間の断食祈祷によって公生涯を始め、朝早く起きて神の御前にひざまずきました。死を前にゲツセマネの園で汗が血になるほど祈られ、十字架上でも祈りによって生涯を終えられました。キリスト教の歴史を見ると、多くの信仰者が祈りによって天を泣かせ、霊的地殻変動を起こしました。クリスチャンが地上で祈ることは、サタンの心臓を震えあがらせることであり、天の力の門をたたくことであり、私たちの人生に神が働かれるように橋を架けることです。神とともに朝を始めるなら、神を恐れる一日を送ることができます。神の御前にひざまずくなら、この世のどこででも、何ものにもひざまずかない、謙遜でありながらも堂々とした神の人となるでしょう。

今日の教会に必要なのは
聖霊が用いることのできる人、つまり祈りの人です。

E. M. バウンズの『祈りによる力』は、どんな祈りが生きた祈りであるか、また信仰生活の基本である祈りをクリスチャンがいのちがけで守るには、どうしたらよいかを教えています。



 

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