ポストモダン時代、なぜQTが必要なのか

   QTと信仰 ②
 
イ・ギフン  オンヌリ教会 副牧師、QT養育部 部長


私たちは、今、ポストモダン時代を生きています。牧会者と教会は、ポストモダニズムにふさわしい宣教方法を開発し、聖徒の生き方と信仰を顧み、社会問題に対応できるように助けなければなりません。変化に対応できなければ、教会はポストモダン時代を生きている人々から無視されるほかありません。QTも例外ではありません。今まで、モダニズム的な働きをしてきたQTは、新しい時代に合わせて変化させなければなりません。モダニズムからポストモダニズムに変化する中で現れた牧会現場の特徴をQTと結びつけて考えてみましょう。

教会中心から生活の場中心への変化
モダン時代の信仰生活は教会を中心になされました。聖徒たちは週に数回、集まって礼拝や祈り会、聖書の学びなどをすることを当然のことと考えていました。祈りの生活も教会を中心になされました。教会で祈ってこそ、神様が答えてくださると期待していたのです。モダン時代の教会は、イスラエルの民にとってのエルサレムの神殿のような概念、すなわち、集まる教会として理解されていました。しかし、ポストモダン時代には、散らばった教会の概念を理解する必要があります。なぜなら、変化した教会構造や忙しい生活など、聖徒たちが教会を中心として信仰生活を送ることが難しくなったからです。多くの聖徒たちが聖日礼拝を中心とした信仰生活をしているのが現実です。また、既存にあった聖日と水曜日の夕拝に参加する聖徒数が急激に減ったり、なくなったりしています。ですから、ポストモダン時代には、教会中心の信仰生活を生活の場中心に変えなければなりません。これは、教会の礼拝をおろそかにしてもよいという意味ではありません。聖徒たちが生活の場でもクリスチャンにふさわしく生きるよう教えなければならないということです。すなわち、生活が礼拝になるよう教えなければならないのです。QTはそれを助ける役割を果たします。

牧会者依存の信仰から自立した信仰への変化
モダン時代の聖徒は、牧会者に依存した信仰生活をしていました。聖徒たちは、牧会者を神のしもべ、または神の代理者と認識しました。しかし、ポストモダン時代は、牧会者に対する認識がかなり変わりました。もはや聖徒は牧会者に絶対的な尊敬を示さず、権威も認めません。これは、肯定的に見れば信仰生活のパターンが変わったという意味ですが、否定的に見れば牧会者に対する信頼が失われたということです。ですから、ポストモダン時代の教会は、聖徒たちが牧会者依存的な信仰から抜け出し、自立した信仰者として歩めるよう助けなければなりません。家庭訪問をして回る牧会を脱して、人生の中で直面する問題を聖徒自らが聖書に基づいて解釈することができるよう訓練しなければなりません。QTは聖徒を自立した信仰者へと訓練する方法です。

教会の中の礼拝から教会の外の礼拝への変化
モダン時代の礼拝は、教会の中でのみ、ささげることが当然と理解されていました。ですから、牧会者の説教を聞くためには、必ず教会に行くしかありませんでした。しかし、ポストモダン時代には、礼拝の概念に、それまでになかった側面が加わりました。聖徒はテレビのキリスト教放送やインターネットを通して礼拝や説教に容易に触れることができるようになりました。その結果、聖日に教会に行ったり教会共同体に属したりする煩わしさを避けて礼拝をささげる手段とする人も見られます。さらには、スマートフォンの登場により、いつどこにいても、説教やみことばに触れることができるようになり、教会出席を代行するようになりました。このような現状を肯定的に見れば、教会ではもちろん教会の外でも礼拝することができるということです。その良し悪しについてはここでは論じませんが、牧会者はポストモダン時代を生きている聖徒がそれを彼らの生活の場である家庭や学校、職場で有効に活用できる道を提示するべきではないでしょうか。QTは、教会の外でも神様と交わることができる礼拝の方法になりうるのです。

押し込み型の信仰から自立型の信仰への変化
モダン時代の聖徒は、牧会者が一方的に教えるみことばを聞いて学びました。教会が提示する枠の中で考え、判断しました。そうしてこそ立派な聖徒であると認められました。牧会者は、聖徒にみことばを食べさせる役割に忠実で、聖徒は牧会者が提供するみことばを受けとめて信仰生活を送りました。しかし、ポストモダン時代の聖徒は、みことばを自ら食べ、信仰的に自立できるよう訓練されなければなりません。聖徒自らが聖書から神様を知り、経験するようにさせることによって、全き信仰を持つことができるよう助けることが、牧会者の役割の一つになりました。モダン時代の牧会者は、記録されたみことばに対する知識、整理された教理を与えましたが、ポストモダン時代の牧会者は、聖徒自らみことばによって神様を経験することができるようにしなければなりません。自分でみことばを読み、黙想するQTは、聖徒に自立型の信仰を持たせるのに十分な役割を果たすでしょう。

 

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