パク・ジョンギル ソウル・オンヌリ教会 ソビンゴ担当牧師
新年を迎えました。人には、過ぎた時間を再び取り戻すことのできないという限界があるというのは残念なことですが、いつも新しい一日一日を迎えることができるというのは祝福です。韓国のある詩人は、私たちが迎えるきょうは、きのう死を迎えようとしていた者が心から望んでいた時間だと歌いました。この詩人の表現から感じられるように、新年を迎えられるということは実に感謝すべきことです。この尊い新年をよく送るために私たちに必要なものは、知恵です。知恵は人生の羅針盤のようなものです。早く行くことも重要ですが、もっと重要なのは方向です。方向を誤れば、早く行くことは祝福ではなく、のろいにもなりうるからです。 人生の宝探しの13番目は、「知恵」です。知恵は、神様が私たちに与えてくださった宝物です。知恵は神様に属するものであり、神様とともに生きるときに与えられます。ヘブル語で知恵は、旧約聖書では「ホクマ(chokuma)」と言われ、おもに専門分野での知識や技術を備えた人に使われ、卓越した熟練性や技巧的な技術を指しました。新約聖書では、「ソフィア(sophia)」と呼ばれ、神様の測り知れない知恵と、救いを成し遂げられる神様の力を指しました。 また知恵は、イエス様ご自身を指したりもしました。ルカは、イエス様の幼少期について「神の知恵と恵み」に満ちていたと記しています(ルカ 2:40, 52)。知恵は主の御心を知る恵みの賜物であり、みことばを通して得ることができます。使徒パウロは私たちに「そういうわけですから、賢くない人のようにではなく、賢い人のように歩んでいるかどうか、よくよく注意し」なさい(エペ 5:15)と勧めています。 知恵についての教えは三つです。第一に、知恵は神様の本質です。知恵は、単なる賢さや巧妙さではありません。人々の知恵は、状況や環境によって挫折したり変わったりしますが、神様の知恵は変わることがありません。ああ言ったり、こう言ったりすることもなく、失敗することもありません。 ジェームズ・パッカーは著書『神を知るということ』の中で、「力のない知恵は、哀れないたんだ葦であり、知恵のない力は恐れの対象でしかない。しかし、神にあっては、無限の知恵と無限の力が一つに結びついており、これにより神は全き信頼を受けるのにふさわしい方である」と言っています。世の知恵には限界がありますが、神の知恵は完全です。神様の創造と摂理と恵みにはすべて、神様の知恵があります。知恵は神様の本質なのです。 第二に、知恵は神様を敬うことです。神様は知恵の源であり、ご自分を敬う者たちに知恵を与えてくださいます。自分の考えや経験に頼らず、主のことばと御心に聞き従うことが、知恵なのです。 別の言い方をすれば、知恵は神様に思いを集中させることです。自分を無にし、謙遜に神様に集中し、神様を敬うことです。「知恵のある者に与えよ。彼はますます知恵を得よう。正しい者を教えよ。彼は理解を深めよう」(箴 9:9)。特に箴言は、知恵についての書です。箴言には多くの知恵があります。全31章からなっていますが、毎日その日の章を読めば、知恵に対する良い助けを受けることができるでしょう。たとえば、きょうが1日であれば1章を、25日であれば25章を読めばよいのです。 第三に、知恵は神様の愛の道具です。神様は私たちを愛しておられます。神様は、十字架を通して私たちに対する愛を見せてくださいました。十字架は、信仰のない者にとっては愚かで無力に見えますが、信じる私たちにとっては、神様の知恵です。十字架は、神様の最も明らかで、確かな愛の証拠です。知恵の源であられる神様を愛すれば、知恵を得ることができます。神様に耳を傾けるなら、知恵を手に入れることができます。時代をわきまえましょう。永遠を慕い求め、喜んで善を行いましょう。持つべきものは持ち、捨てるべきものは捨てましょう。神様のみわざをすべて知ることはできませんが、神様がすべてを働かせて益としてくださるということを信じてください。 イエス様は、主のことばを聞いてそれを行う者は、岩の上に自分の家を建てた賢い人だと言われ、砂の上に家を建てる者にならないようにと教えられました(マタ 7:24~27参照)。神様は、私たちが幸せに生きることを願っておられます。平安に暮らし、完全であることを願っておられます。そのような人生になるために、私たちに与えられた愛の道具が、知恵なのです。もちろん生きていく中で得られる知恵もあります。前もって準備すること、健康なときに健康を管理すること、辛抱して続けていれば困難なことでも成し遂げられるということ(岩の上にも三年)、何もしなければ何も得られないということなど、昔の人々の知恵もあります。知恵は神様の愛の道具です。 神様の御心にかなった人生のためには、私たちには知恵が必要です。謙遜に知恵を慕い求め、知恵の源である神様のみことばを黙想しましょう。神様が知恵の本質です。神様に注目し、神様を敬いましょう。主を知ることが知恵です。神様がこの新年を与えてくださいました。私たちに対する神様の愛の道具であり、人生の賜物である知恵により、今年一年も勝利されますようお祈りします。
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