ジョン・ウンヒ GMS 派遣宣教師、および BEE KOREA 協力宣教師
2013年3月、私はスーダンから追放されました。2011年に南スーダンが分離・独立し、キリスト教に対する迫害が本格化し、200人以上の働き人が追放されました。13年間仕えてきた地、スーダン。二度と行くことのできないその地を思いながら、どこへ行けばよいのかわからず主の導きを求めました。すると、主は「彼らがこの町であなたがたを迫害するなら、次の町にのがれなさい」(マタ 10:23)というみことばを下さいました。南スーダンは40数年間続いた内戦により、国土は荒れ果て、物価は10倍以上も上昇し、国民は疲れ果てていました。体力的に弱い私は、電気、水、住居といった基本的なものさえ保障されないその地に、足を踏み入れることをためらいました。しかし、主は私に南スーダンに対する思いを与え、大胆にその地に向かわせてくださいました。そして、各教団で教会指導者を訓練する聖書延長教育(BEE)を始められるよう導いてくださいました。 ある日、指導者訓練セミナーのために、首都ジュバの西に位置するマリディという所に行きました。12時間ほどかかる距離でしたが、その日は車一台に何人もぎっしり乗ったため、一日中走っても到着できませんでした。翌日、私たちはオートバイ2台になんとか乗り、でこぼこ道をほこりをかぶりながら6時間以上走りました。到着したマリディで、主がみことばの働きをどれほど尊んでおられるのかを体験することができました。前回のセミナーの時に、南スーダンを踏みにじった北スーダンのムスリムを赦すのは難しいと言って苦しんでいたある牧師は、これからはみことばに拠り頼んで赦すと告白し、別の働き人はローマ人への手紙の学びを通して、これからは信仰によって生きることができそうだと興奮した顔で告白しました。また、自分たちの家に植えたバナナなどを持ってきてくれ、一緒に食べました。さらに、ひとりの信徒を通してヘリコプターが用意され、平安の中、帰途につくという恵みも受けました。 この地に対する主の召しと恵みにより、教会をみことばで堅く建てていく歩みは続きます。この6か月間で4度もマラリアにかかり、死の淵をさまよう困難もありましたが、みことばによって変えられる指導者たちを通して、この地の小さなリバイバルを目撃させてくださった主を賛美し、これからもこの地で堅く立ちたいと思います。
| 国家情報 | 南スーダン共和国は、北はスーダン、東はエチオピア、南はケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国、西は中央アフリカ共和国に接しています。2011年2月にあったスーダン共和国の南部独立投票の結果、99%の圧倒的賛成により、7月9日に独立しました。首都はジュバ、公用語は英語です。アラブ系イスラム教中心のスーダンとは異なり、南スーダンはキリスト教と伝統宗教を信じる黒人たちから成り、人口の60%以上がクリスチャンです。宗教、部族、資源、軍閥などの理由によって続く内戦とその後遺症、領土紛争問題を一度に経験し、全国民が苦しんでいます。
| 祈りの情報 | 日本の面積の約2倍ほどの南スーダンの国土は、40数年以上も南北の内戦の戦場であったため、非常に荒廃しました。また、独立から2年後の2013年12月に南スーダン内で内戦が勃発し、約5万人以上がいのちを失い、200万人を超える難民が発生しました。2015年8月に結んだ平和協定の施行によって、2016年5月に過渡期連合政府が立ち上がりましたが、まだ内戦は続いています。この地に平和がもたらされるように、信仰の指導者たちがみことばによって正しく立つことができるように祈りましょう。
| ジョン・ウンヒ宣教師の祈りの課題 | 1.南スーダンの新しい過渡期連合政府が神を恐れ、神に従うことにより、国家が安定するように。 2.部族間の戦いや貧困によって苦しんでいる国民の、最低限の生活が保障されるように。 3.教会指導者たちがみことばによって堅く立ち、福音を生活の中で実践できるように。 4.スーダンと中東イスラム圏に、霊的・肉的に武装した働き人を遣わしてくださるように。
|