金武バプテスト教会 副牧師 横田聖子
『神が愛される日本を私も愛した』という故ハ・ヨンジョ牧師が残された著書がありますが、日本CGNTV番組「シャロームイスラエル」を一言で表すなら、「神が愛されるイスラエルを日本の教会(クリスチャン)も愛した」となるのではないかと思います。日本の教会がそのように告白し、祈りの柱が立てられるようになることを願いつつ、番組の企画制作を全面的に協力させていただいております。 かつて、故ハ・ヨンジョ牧師は、「日本に片思いしています」と告白され、祈りだけではなく、オンヌリ教会を通して日本宣教のために、時間やお金を含め、人生のすべてをささげてくださいました。そのことに、言葉では言い尽くせない尊敬の思いと感謝があふれます。「シャロームイスラエル」のメイン出演者、オメガミニストリーズ代表のスティーブンス・栄子師も、CGNTVというメディア宣教を支え続けてくださっている韓国オンヌリ教会への感謝を土台として番組制作に臨んでおります。 イスラエルについて、聖書の預言が成就している国であるという理解がなく、一般的な知識や情報だけで理解しようとすると、イスラエルに対する神様の愛を知ることはできません。ですから、この番組の目的は、イスラエルの文化や歴史を知ることを通して、創世記からヨハネの黙示録まで、聖書全体に貫かれている神様の人類への愛とご計画を知ることにあります。今やイスラエルと言えば、混迷する中東情勢の中心地でもあり、もはや聖地イスラエルとしての単なる憧れだけでは見られなくなり、イスラエルに対して好意的ではない教会やクリスチャンが多いのも現実だと思います。 そのような中、この番組を通して、ひとりでも多くのクリスチャンがイスラエルを知るだけでなく、イスラエルを愛し、イスラエルの平和のために祈るように導かれることを願っています。それはまた、日本の教会の使命の一つではないかとも感じています。そのため、お子様からご高齢者まで、どなたでも見やすいドラマ仕立ての番組にしています。 番組の一例として、「20世紀最大の考古学的発見」と言われる「死海写本」を取り上げた回の内容をご紹介いたします(2015年4月30日放送分、15編「死海写本は見つからなかったのが奇跡?!」より)。
「死海写本」は、1947年にベドウィンの羊飼いの少年によって、クムランの洞窟で発見された最古のヘブライ語聖書と聖書関連の文書群です。この写本群は、エッセネ派の人々がBC 2世紀ごろから荒野で根気よく写本してきた巻物が、AD 66年ごろに起こったローマ帝国とユダヤ人の間に起こった戦争時に洞窟に隠されたものとされています。その多くの巻物が、約1900年後、偶然にも羊飼いの少年によって、クムランの洞窟内で発見されたのです。 ヨーロッパからも多くの探検隊がその地を訪れ、洞窟の中からさまざまなものを発見しましたが、なぜか死海写本は見つけられませんでした。しかも、クムランの洞窟における死海写本の発見は、イスラエル建国(1948年)の1年前でした。1947年11月29日、国連においてパレスチナ分割案が決議されたのと同じ日に、ユダヤ人考古学者が死海写本を手に入れ、その巻物を開くこととなり、その絶妙なタイミングにも大変驚かされます。死海写本が見つかったことが奇蹟なのではなく、イスラエル建国の日まで、1900年間もの間、見つからなかったことこそが奇跡なのです。この発見を通して、イスラエル建国の背後に、確実に神様のご計画があったことを、番組では感動的にお伝えしています。 同時に、イスラエルの離散と回復についても、聖書の預言に基づいてわかりやすく解説しています。AD 70年にユダヤ人が国を失い、世界中に離散したことなどを、アシスタントで甥っ子役のたけちゃん(佐久間健牧師・恵泉キリスト教会 つくばグレースチャペル)と栄子おばさん(スティーブンス・栄子師)が、会話形式で進めていきます。リビングルームでお茶を飲みながら、くつろいだ雰囲気の中で、ふたりの対話が弾みます。
この「シャロームイスラエル」を通して、多くの教会やクリスチャンが、イスラエルを聖書預言成就の国として理解し、愛し、祈りをささげるようになることを願っています。 「エルサレムの平和を求めよう。『あなたを愛する人々に平安があるように。あなたの城壁のうちに平和があるように。あなたの城郭のうちに平安があるように』」(詩 122:6~7、新共同訳)。
横田聖子 沖縄バプテスト連盟 金武バプテスト教会 副牧師。 同付属みつば幼児園 副園長。 2014年より、金武町の子育て委員として、地域行政へ関わっている。 オメガミニストリーズ・オメガバイブルスタディー ディレクター。
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