イ・サンリョン GBT所属宣教師
昨年4月、ネパールに地震が起こった日、私は安息年で先史学を学ぶために南アフリカ共和国にいました。知らせを聞き、急いで救護作業のためにネパールに向かいました。村に入るとすぐにM7.3の2度目の地震が起こり、目の前で3階建ての家が崩れ、はるか遠くにあるいくつもの家が土埃を立てながら崩れるという、信じがたい光景を目にしました。ほとんどの家は、コンクリートではなくレンガを泥で積み上げた家で、被害は予想以上に深刻でした。私が宣教活動をしている村でも、心の痛むことがたくさん起こりました。ある人は、生涯建ててきた家が崩れ、すべての財産を失ってしまった状況に耐えられず、自殺するという出来事もありました。イエス様を信じて間もないテンジは、これまで妻との関係が好ましくなく、私たちがよく祈っていた兄弟でした。酒とギャンブルで給料を使い果たす習慣が改善されかけた矢先に地震に襲われ、彼は7歳の愛する娘を先に神様のみもとに送りました。今は教会に来ていない彼のために祈り、できる限り助けるほかありません。韓国人宣教師たちは、教団や団体こそ違っても、みなが一致して救護活動を続け、韓国の教会も支援を続けました。最も優先的に行われた支援は、負傷者の治療、水や毛布、食糧、仮住まいであるテントの供給でした。このような救護活動は1か月ほど続いた後、すぐに中・長期的な支援に変わりました。物質的な支援から技術支援、そして自ら立ち上がって村を再建することができるようにする支援へと変わったのです。 しかし残念なことに、1年が過ぎた今、ネパールは政治や経済的な問題とからみ合い、いまだ地震の後遺症から抜け出せずにいます。昨年10月からはネパールとインドの国境紛争によって、燃料及び物資が国境を円滑に超えられず、地震救護活動が全面中断もしくは遅延され、多くの被災国民が家のないままテントで寒い冬を過ごしています。しかし、このような暗黒の時間の中でも、世のすべての秩序を治めておられるイエス・キリストを通して新しい国を建ててくださる神様を伝える宣教の使命を再び心に刻みます。私たちの助けと祈りがネパール人の凍った心を溶かし、ついには彼らがイエス・キリストを信じるようになるよう祈ります。
| 国家情報 | ネパールは、世界で唯一のヒンドゥー教王国として維持されてきました。特に、外国の勢力が入って来れないように徹底した鎖国政策を行ってきましたが、1951年からキリスト教宣教が許可されました。1990年には民主化過程を通して多党制立憲君主制に変わりましたが、1996年から約10年間武装組織の共産主義者たちが起こした内戦によって、王国は完全に崩壊しました。現在はネパール民主共和国に変わるために憲法を作成しています。人種はインド・アーリア族が約70%、モンゴル系の民族が約30%です。現在、人口の5%前後がクリスチャンであると推定されます。
| 祈りの情報 | 言語と文化が複雑にからみ合うネパールには、約60の言語グループがあると推定されます。新約聖書がそのうちの15余りの言語に翻訳され、10余りの言語で翻訳中です。さまざまな言語の聖書が翻訳され、各部族に普及されるように祈りましょう。ネパール政府が新しい共和国憲法を制定する中で、キリスト教改宗活動を禁じる法を作っています。ネパール教会の指導者たちが、「改宗活動禁止」が「強制的改宗活動禁止」に修正されるべきだと要求しています。この要求が受け入れられるように祈りましょう。
| イ・サンリョン宣教師の祈りの課題 | 1.シェルパ部族語に翻訳された新約聖書を通して、多くの人がイエス様に出会えるように。 2.地震によって村の外に作られた仮住居が丈夫に建てられ、雨と寒さをしのぐことができように。 3.まだシェルパ語でささげられる礼拝共同体がないため、一日も早く教会が建てられるように。 4.首都カトマンズにあるシェルパ教会が福音を伝える教会として堅く立つように。
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