いのちを与えるキリストによってつながる

   現代に求められる 教会と聖徒の使命
 
神戸キリスト栄光教会 主管牧師 菅原 亘

クリスチャンライフに欠かすことができないものは、聖書と聖霊様です。クリスチャンの使命は、信仰によってアブラハムの子孫とされたことにより、かつてイスラエル民族が担っていた真理の実践と伝達です。
旧約時代のイスラエルは、重大な使命が与えられ、キリストを迎えるために備えられた民族でした。アブラハムを通してすべての民族に与えられた祝福を実現するために、キリスト降臨がなければなりませんでしたが、イスラエルはその使命、役割を果たしました。しかし、イエス様が公に宣教を開始された時には、霊の目がふさがれていた当時の宗教家を始め、イスラエルの人たちは、イエス様を目の当たりにしながら、救い主として受け入れることができませんでした。むしろ、厄介者として十字架刑に処しました。イスラエルは創造主の真理を現すために選ばれていましたが、だれ一人、その使命に生きている人はおらず、身の保全にしか関心がありませんでした。神様の使命よりもわが身が大切だったのです。
使命を見失うと堕落が始まると言われます。使命感を抱いて生きることはとても大切なことです。クリスチャンはその点について、聖書を通して明確に使命が示されています。新たに考える必要はありません。福音宣教は、すべてのクリスチャンに与えられている使命なのです。使徒パウロは、自分がクリスチャンとなったことに対する明確な使命感を持っていました。パウロの手紙を読めばわかります。特に、福音の未伝地に対する情熱はすさまじいものでした。「私は、他人の土台の上に建てないように、キリストの御名がまだ語られていない所に福音を宣べ伝えることを切に求めたのです」(ロマ 15:20)とあるとおりです。私たちは、すべてパウロのようにはいきませんが、パウロの意気込みは継承したいものです。
パウロはたましいへの情熱に燃えていました。その情熱の火は聖霊様そのものです。日本は、イエス様にとって大きなマーケットです。日本人のほとんどがクリスチャンではないため、イエス様を信じる見込み客が大勢います。多くのたましいを獲得できるチャンスです。
このような話があります。ある靴のセールスマン二人がアフリカにマーケット調査に行きました。当時、アフリカは未開の地で、だれも靴を履く習慣のない時代でした。一人のセールスマンは、アフリカの事情を目にして本社に「アフリカには望みがありません。だれひとり靴を履く慣習がないから、靴は売れないでしょう」と報告しました。しかし、もう一人はこう報告しました。「アフリカには大きな期待があります。だれ一人靴を履いていないので、彼らに靴を履かせる習慣を身につけさせれば靴は売れます。大きなマーケットです。」
そうです。日本は神様にとって大きなマーケットです。人口の99%以上が福音に従っていません。期待感に満ちた日本です。
私たちは、宣教の使命感を見失わないために、絶えず主との交わりを続けることを大切な習慣としなければなりません。QTの一番の目的も個人的な主との親しい関係、交わりの習慣化にあります。良い習慣はやがてその人の人格となり、人生に大きな影響を与えるようになります。
教会ではクリスチャンたちが集まり、互いに交わり、祈り、奉仕によって絆を深めることができます。神様は、教会の群れが集団となり、一致して大きなわざを見ることを期待しておられます。教会の使命は、一人一人がバラバラな存在としてではなく、共同で福音宣教の使命を果たすことにあります。そのためには、一致することが鍵です。
悪魔は一致を壊そうと絶えず隙を狙っています。信徒同士の不一致、教職者と信徒の不一致、少しの隙間を狙ってうまく侵入してきます。問題を大きく増幅させ、関係の中に割って入り、解決不能になるまで引き裂きます。私たちは悪魔の手口を知っておかなければなりません。悪魔はちょっとしたことを大きな問題にすり替えます。私たちが謙虚で賢明であれば大丈夫ですが、感情的になることを悪魔は期待しています。
イエス様はペテロに言いました。「しかし、今は、財布のある者は財布を持ち、同じく袋を持ち、剣のない者は着物を売って剣を買いなさい。」ペテロは答えました。「主よ。このとおり、ここに剣が二振りあります。」イエス様は「それで十分」と言われました(ルカ 22:35~38)。イエス様は、明日には捨てられて死に至ることをご存じでしたから、危険な事態に突入することを予測してペテロに剣を買いなさいと言われました。ここには霊的な教えが含まれています。二振りの剣とは、聖書と聖霊様を指していると理解しています。悪魔に対抗することのできる剣です。この世の邪悪な誘惑や不信仰の誘惑に対抗できるのは聖書と聖霊様です。「それがあれば十分」なのです。


菅原 亘
1944年、大阪に生まれる。高校3年生の時、受洗。32歳で献身し、生駒聖書学院で学ぶ。36歳で教職按手受ける。宗教法人神戸キリスト栄光教会 主管牧師。日本オープンバイブル教団代表。福音宣教協力会事務局長。生駒聖書学院、アンテオケ国際宣教学院にて講師。

 

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