帯広栄光キリスト教会牧師 村田 晃
「小さな群れよ。恐れることはない。あなたがたの父は、喜んであなたがたに御国をお与えになるからです」(ルカ 12:32)。 2014年11月14日、帯広の地に十勝宣教の歴史に残る奇跡が現れました。帯広文化ホールの大ホール1500名の会場が満席になったのです。人々が集まってくる光景は、イエス様のみもとに集まった五千人の給食の姿を思わせ、見ているだけで感動の涙があふれました。イエス様がこの地におられ、人々を迎えておられます。主に栄光あれ。ハレルヤ! 神様は、ラブ・ソナタ帯広を通して、この地に建てられた十勝の諸教会に、十勝宣教のビジョンを明確に示してくださいました。 第一に、十勝における地方宣教は、諸教会の一致した祈りによって前進するということです。「ラブ・ソナタを人口16万人の帯広で行うことは無謀なのか、信仰なのか。」私は、ちょうど一年前のラブ・ソナタ群馬に参加し、実行委員長の荒川先生から証しを伺い、ラブ・ソナタ群馬の様子を見て大きな励ましを受けました。しかし、不安を消せないまま、十勝の小さな10教会の牧師たちによって実行委員会を作り、一年前から月に一度、信徒を含めた祈り会を始めました。主に拠り頼む以外に何もありませんでした。月一度の祈り会は、やがて有志たちによって毎週の祈り会に変わりました。この地の人々の救いのために、教団を越えて、これほど心を合わせて一緒に祈ったことはありませんでした。主は祈りの中でアイデアを与えてくださり、帯広、十勝だけではなく、釧路、北見の教会と協力し、ラブ・ソナタ道東として協力宣教をするように導かれました。釧路の先生は「数十年前、ヨイド広場に多くの人々が集まったあの感動をもう一度経験したい」と共に祈り、北見、美幌の先生も、喜んで協力する旨を表してくださいました。教団教派を越えて道東の先生たちと初めて共に祈り合いました。 また、言うまでもなくラブ・ソナタは、韓国オンヌリ教会と日本の教会との宣教協力です。十勝には3つの教会に韓国から来られた牧師がおられ、良い協力が与えられています。プレ大会では、ソルナム氏と共に釧路、北見を回り、共に祈る時が与えられました。また、100の協力教会による祈りの支援が与えられました。不安から始まった祈りは、やがて期待の祈りに変わり、恐れが取り除かれ、確信の祈りへと導かれていきました。 主は、各教団教派によって十勝宣教のために立てられた各教会を、ラブ・ソナタ帯広を通して、この地の人々の救いのために祈る一つの群れとしてくださいました。一つ一つの教会は小さな群れですが、一致して人々の救いのために祈るこの群れに、主は、「喜んで天の御国を与えてくださる」という約束を実現してくださいました。現在も10教会による毎月の祈り会は続いています。 第二に、十勝における地方宣教は、牧師と信徒一人一人の力が生かされ、前進するということです。ラブ・ソナタ帯広は、信徒一人一人が一人でも多くの人々に福音を知ってもらいたいという信仰によって行動した結果の実と言えるでしょう。「定員1500人の会場が満たされるように」という祈りと期待は、牧師たちから信徒一人一人の祈りと期待になっていきました。準備が進み、この日のためにイ・ジェフン牧師をはじめ、韓国から素晴らしい一流の音楽ゲストが帯広まで来てくださること、絶好のタイミングでベー・チェチョルさんの映画上映、さらにオンヌリ教会から300名以上の信徒の皆さんが自費で来て仕えてくださるということを聞いた時、牧師も信徒も大きな励ましとチャレンジを受けました。「小さな群れよ。恐れることはない。」牧師たちは市町村長、中学・高校の校長先生、吹奏楽の顧問の先生等、これまで集会に誘うことができなかった人々を訪問しました。信徒たちは、家族や友人はもちろん、近所の人々、出会った人々、とにかく一人でも多くの人々を誘いたいと願い、案内しました。信徒たちがみことばと良い模範によって励ましを受ける時、すでに聖霊によって与えられている宣教の大きな力が現れます。1500人の会場が満たされたのは、信徒一人一人の宣教の実です。 ラブ・ソナタ帯広の後、いくつかの教会に決心者が与えられ、洗礼の準備をしています。また、十勝では神様が与えてくださったオンヌリ教会との協力がセミナーへとつながり、7月28日から30日まで、オンヌリ教会から教会学校スタッフ26名、子どもたち5名が来てくださり、総勢126名による十勝7教会合同キッズキャンプを行い、子どもたちへの伝道と決心の素晴らしい恵みをいただきました。主は、小さな群れ十勝の教会を、オンヌリ教会の祈りと行いによって励まし、宣教協力による祈りと信徒一人一人の信仰のわざを祝福してくださっています。主の御名を賛美いたします。
村田 晃 1958年北海道江別市に生まれ、祖母と両親の祈りのもと、1975年に三番通福音キリスト教会で受洗。1989年北海道聖書学院を卒業し、妻(智子)と共に帯広栄光キリスト教会に仕える。“十勝に神の家族を築く”をビジョンとして現在に至る。
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