創愛キリスト教会牧師 堀越暢治
1. 世界で稀なキリスト教の伝わらない国、日本 日本は一時、キリスト教を信じてはならない、という禁止令が出され、信じた者が殺された時代がありました(1613年〜明治政府まで)。明治政府は天皇制を作り、教育勅語を広め、信教の自由は与えませんでした。その後、第二次大戦に敗れ、信教の自由が与えられました。しかし、人々がキリスト教に走ったのは敗戦直後の混乱期だけで、生活が安定すると神道や仏教に戻ってしまいました。日本の聖書は、創造主を「神」とし、大文字、小文字の使い分けもなく、全部同じ「神」で表現しています。万物の創造主も偶像の神々も区別のない聖書が用いられてきました。そして今、日本の教会は、一年間に一人の受洗者もないと嘆く教会が、全教会の半数を超えています。
2. 創造主訳聖書の出版 2013年3月31日イースターの日に、『創造主訳聖書』が出版されました。私は『創造主訳聖書』の出版を長い間、願い、祈り求めてきただけでなく、「なぜ日本はキリスト教が伝わらないのか」、「どうすれば聖書の教えを理解し、信じるようになるのか」という二つのことを、1955年に創造を信じた時以来、ずっと祈り求めてまいりました。 その間、何回も心臓発作を起こして入院し、手術を受けました。昔なら助からないような発作が、3日の入院で治るようになりました。入院する度に、肉の生命を救うのと同じように、霊のいのちも確実に救うことのできる方法はないのだろうかと祈りました。 何回目かのとき、あまりにも発作の回数が多いので、もしかすると、私が主の御名の呼び方を変える必要はないのではないか。主が新しい方法をほかのだれかに教えて進めておられるなら、私の出番はなくて結構です。そのように心の中でつぶやきながら手術台に上りました。その時は手術がいつもより30分位長くかかりましたが、「堀越さん、終わりましたよ」と言われたとき、「あ、続けていいんだ…」と感謝しました。そしてその夜、座れるようになり、「主よ、いのちをありがとうございます」と祈り直しました。それで、いろいろテキストを作り、基本的なものが一通りそろいました。
3. 主イエス様の方法 主イエス様と、ニコデモが対話されたとき、人間の生まれ変わりの説明に、イエス様は風にたとえて話されました。するとニコデモは「わかりません」と答えました。するとイエス様は、「わたしは、わかっていること、地上のことを話しているのに信じないのなら、わたしが天上のことを話したとて、なおさらわからないでしょう」と言われました。全能の主が造られた地上のことが信じられなければ、天上のことを信じるのは無理だと主イエスは言われたのです。 日本の教会が、創造主が造られた地上のことを調べて信じないことが、日本の教会に力がない大きな理由の一つだと思います。それで、私はいろいろ地上のことについてのテキストを作りました。
4. 日本の宣教を妨げる問題の解決法 日本の宣教を妨げる問題は多くありますが、その中で日常生活で大きな妨げになっているものは①祖先祭祀、②偶像の神々、③進化論、④性善説的人間観の四つにまとめることができます。このうちで、①祖先祭祀は、日本では先祖を神として拝んでいるので、生命を始めたのは先祖になっています。ここで反対せず、どんどんさかのぼって、アダム、創造主まで行く工夫をします。 ①の話が争いにならずに進めば、この創造主お一人で、②偶像の神はいらない 、③生命の起源は進化でなく創造主、④性善説的人間観は間違っている、とつなげることができます。つまり、神の名を「創造主」と変えることで、不毛の宣教の突破口ができるのです。あとは、創造の説明をしっかり用意しておけばいいのです。
5. 世界人類みな兄弟をアピール 今、世界中の気象現象に大きな混乱が起こり、人々は絶望し、世の終わりが近いのではと人工衛星などが作られています。しかし、オバデヤ書4節に「星の間に巣を作っても、わたし(主)はそれをそこから引き降ろす」とあります。ですから、人工衛星を作らない代わりに、その費用で海水を真水にして砂漠をうるおすようにします。ノアの子孫として全人類は兄弟姉妹であり、平和共存、共生すべきであるとアピールするのです。『創造主訳聖書』は、日本の福音伝道のために実に効果的です!
堀越暢治(ほりこし のぶじ) 1926年群馬県生まれ。 1962年室山・四日市教会の牧師として赴任。1963年めぐみの園幼稚園を設立し、園長として聖書を土台とした幼児教育に心血を注ぐ。現在、学校法人グレース学園・めぐみの園幼稚園理事長。1999年四日市教会牧師を辞任し、四日市市桜花台に創愛キリスト教会を開拓。2012年5月四日市市小林町に移転し、現在に至る。
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