内野聖子 ● 大阪オンヌリキリスト教会伝道師
1月半ばのことでした。夕方5時20分に、ある近隣教会から通訳の奉仕依頼の電話がありました。聞いてみると5時半からの奉仕でした。さすがに10分後は無理だなと思い、また日本語を韓国語にする通訳だと勘違いしてお断りしました。しかし実は韓国語を日本語にする通訳で、それなら私にもできる奉仕でした。机の上には仕事が山積みになっていて、その日は、聖日礼拝で説教する内容を整理していました。できれば今日中に終えてしまいたいと思っていました。説教個所は創世記11章でした。ハムの子孫がシヌアルの地に移動して文明を発達させ、れんがと瀝青を使って高いバベルの搭を造ります。神に対する反逆行為を一致団結してできるのは言葉が一つだからだと、神様が彼らの言葉が通じないようにされたのです。大阪オンヌリキリスト教会は日本人と韓国人がいますから、互いの言葉がわからない信徒たちのために、すべての礼拝に通訳の奉仕者がいますし、賛美の歌詞やみことばの字幕などはすべて両国語で準備されます。ふと私の説教の最後の適用部分が頭に浮かびました。「通訳奉仕者チームはバベルの塔ののろいを打ち砕く霊的なチームです。外国語はバベルの塔ののろいを打ち砕く霊的武器です。日本人で韓国語ができる人はその能力をぜひフル活用してください。」このようなまとめでした。 私が奉仕している教会の主任牧師は次の日曜日にメッセージする内容をすでに月曜日には韓国語で作り上げ、火曜日に日本語で作り直し、そして日曜日まで何度も日本語を確認しながら準備します。これは日本人信徒や日本語を使う信徒たちに少しでも多く神様の御心を伝えようというバベルの塔ののろいを打ち砕く作業なわけです。また、去年10月末に赴任した韓国人伝道師は一週間に二度日本語教室に通い始め、バベルの塔ののろいを打ち砕く霊的武器を獲得しようと努力しておられます。神様が私に「あなたも聖日礼拝で語る前に、バベルの塔ののろいを打ち砕く作業をしなさい」と、おっしゃった気がしました。 そうです。神様がQTの最後の部分である適用を私にさせようと、適用のチャンスを作ってくださったのです。私は目の前にある山積みの仕事を置いて通訳の奉仕に出かけました。こうして説教を完成させることができました。
内野聖子 和歌山市にある鳴滝キリスト教会に3歳のときから母と通い始める。大学卒業後渡韓。ソウルオンヌリキリスト教会で教会生活をしながら日本語教師をした後、献身。2013年リバイバル聖書神学校卒業後、大阪オンヌリキリスト教会専任伝道師となる。
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