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新しい時代に向けた新しい牧会を
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イントゥ(into)ミッションの紹介 |
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キム・ジュンオン、ハ・シンジュ
1.次の世代への神の悲しみ イエスは弟子たちに、子どもたちのようにならない限り決して天の御国には入れないと告げられました。多くの親たちは子育てを大変なことだと思っています。その原因は、親たちの自己中心的な考えが優先されているからでしょう。子を産んで苦労するより、子を持たないで二人で楽しく生きるのがずっと幸せだ思っているからです。 そんな親に育てられた最近の青少年たちが最もつらく思っていることは「孤独」です。今日、学校でいじめのニュースをよく耳にします。他の友だちと一緒に交わることができず、一人で孤立して部屋から出ることのできない、ひきこもりの子どもたちが非常に多いそうです。このような子どもは、だれかに関心を持ってもらいたいと思うのですが、だれも関心を持ってくれないため、だんだん虚しくなります。彼らを一番愛すべき人は親ですが、親たちも自分の子どもに関心をよせるより、自分たちの快楽のために生きているのが現実です。そのため子どもたちは虚しい心を何かで満たそうともがいているのです。 ある子どもたちはゲームに、あるいはインターネットに、またはマンガ、ポルノ、異性や酒、タバコ、最終的には麻薬に溺れて暮らす子もいます。彼らはそれで穴のあいた心を埋めようとしますが、さらに深い絶望感と喪失感に陥ってしまいます。このような状態におかれている子どもたちは、自分を忘れ、生きる目的を失い、どこへ行くべきかがわからなくなります。そうなると半分はあきらめてしまいます。明らかなビジョンもなく、ただ日々死ぬこともできずに仕方なく生きているのです。このような否定的な考えは伝染しやすいものなのです。 青少年の時期は自我のアイデンティティが形成される時期なので、肯定的な考え方を持つ必要があります。しかし彼らは目に見えることで判断する、世的な価値観に支配されやすいものです。彼らが健全な自己像を持っていれば、外部からどんな攻撃があっても毅然として対処することができますが、病んだ自己像を持っていると崩れやすくなります。 父なる神はこのような子どもたちを見て涙を流しておられます。神は私たちのために十字架で勝利されましたが、今も苦しみの中で生きているご自分の子どもたちに、両手を開いてわたしのもとに来なさいと言われます。 壊れて傷ついたありのままの姿で御前に出て行くだけで、神が慰めてくださり世に対して勝利できる驚くべき力を与えてくださいます。 イントゥミッションは「この子どもたちのもとに行きなさい」と仰せられた父なる神の涙のゆえに始まりました。
2.イントゥの始まり イントゥミッションは、終わりの時代の中で苦しんでいる子どもたちへの神の涙から始まりました。1997年、中国の延吉市での4年間の宣教を終え、主人は、私と子どもたちを連れてアメリカのニュージャージー州にあるプリンストンに移住しました。 非常に忙しい日々を過ごしていましたが、いつからでしょうか、目の前を通り過ぎる青少年たちの姿を見たり、運転中ラジオから「青少年」という単語が聞こえるだけで、熱い涙が流れ始めました。その涙はいつどこででも流れる不思議な涙でした。私はその涙がだれの涙であるのかすぐにわかりました。3年前、ウィスコンシン州のファミリーミニストリー学校で泣き喚きながら流したその涙でした。そんなある日、神はこう言われました。「さあこの子どもたちのもとに行きなさい。そして、チャレンジを与えなさい。」その瞬間、この子どもたちに向けた驚くべき神の愛に触れ、身ぶるいしました。私はすぐさま、「行きます。でもどうすれば子どもたちを変えることができますか。主よ、原理を教えてください。よろしければその原理でわが子をまず変えてください。それから同労者たちを送ってください。」 私たち夫婦は青少年ミッションのための専門書を読み、専門家を訪ねて勉強をする前に、神を見上げて尋ね、ゆだねました。エレミヤ書33章3節に「わたしを呼べ。そうすれば、わたしは、あなたに答え、あなたの知らない、理解を越えた大いなる事を、あなたに告げよう」とあるからです。 これらのことが起こる前の私は、神にあまり尋ねたことがありませんでした。答えてくださると信じていない行為でした。しかしこの出来事を通して悟ったことは、教会の霊的なリバイバルは神に尋ねるときに成し遂げられるという摂理です。主に尋ねれば答えてくださる、その答えのとおり実行すれば子どもたちに驚くべき霊的なリバイバルが起きるのを見ることができました。 祈り始めてから数日後、驚くべき答えを感じ始めました。目の前で創世記が動き始めました。特に創世記3章のみことばが聖書から飛び出してくるかのようでした。創世記の奥深いところに宝石が隠されていました。プリンストン神学大学院の学生であった主人と一緒に創世記3章のみことばを黙想しながら私たちが悟ったことは、終わりのときに人本主義哲学で崩れていくこの世の中と子どもたちを、生かすことのできる神本主義の哲学と原理が、みことばの奥にあることを知り、信仰の原理が築かれました。
3.イントゥの7段階の原理と説明 イントゥ(into)とは、英語の前置詞で、「~から~に入る」という意味です。それは暗やみから光に、サタンの働きから神のみわざの世界に入りなさいという意味を含んでいます。 イントゥ訓練の教材は「信仰とは何か」について、一つの主題を一貫して語っています。私たちの人生の中で最高の価値はイエス・キリストであり、自分のために生きるのではなくイエス・キリストのために、世のためではなく神の御国のために生きるように導くのが、この働きで追求している最も重要な教育目標です。しかしこの世を愛する青少年たちがイエス・キリストのために生きていこうと決断することは、たやすいことではありません。イントゥの働きは、青少年たちが終わりの時代、イエス・キリストに自分の人生をささげることができるように戦略的にアプローチします。
1段階 出会いの原理:仮面を脱いで正直に祈る瞬間、青少年たちは神の無条件の愛を経験するようになります。 2段階 自己像回復の原理:神に出会った子どもは、神との親しい関係が形成されたため、家族から受けた傷や痛みを神に注ぎ出し、いやされます。いやされれば、否定的な考えから信仰のある価値観に変えられます。すると病んだ自己像が健全な自己像へと回復します。 3段階 内的ないやしの原理:幼い頃の傷をいやして、サタンの偽りの価値観を壊し、すべての恐れから解放されて自由を得ます。そして自分のために生きるのではなく、イエス・キリストのために生きていくと決断する時間を持ちます。 4段階 8種の性格のタイプの原理:8段階の性格のタイプを紹介し、もともと神が私たちに与えてくださった神のかたち通りに回復する時間です。 5段階 霊的な戦いの原理:私たちの戦いは主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。どうやってこの霊的な戦いに勝つことができるのでしょうか。その原理と戦略を紹介します。 6段階 正しい価値観の原理:主の再臨の日までどのように信仰生活を過ごすべきでしょうか。聖書的な価値観を提示し、十字架の前で悔い改め、イエスの御前にひざまずき献身する時間となります。 7段階 ビジョンとリーダーシップの原理:神がくださった自分の賜物とビジョンが何かをしっかりと知り、どうやって福音を伝え、影響力のある生き方をすればいいのか提示します。
こうして青少年のイントゥミッションが始まり、イントゥの7段階もできあがりました。私たちは今このイントゥ原理を通して、正しい方向に家庭と学校、教会を生かす働きをしています。親と子どもにチャレンジを与えるイントゥ訓練学校。青少年を生かすため、彼らと全く同じ原理を親にも適用させて変化を及ぼし、大学に通う青年たちも変化させています。ツラノ書院のバイブルカレッジでのイントゥミッションは、年に12回以上開かれています。 この働きを通してわかったことは、「信じれば奇蹟は起き、変化が起き、影響を与えられる」という事実でした。信じている人は神に触れられ、暗やみが去って行き、サタンが追い出されるのをミッションの現場で数え切れないほど見てきました。例えばイントゥ青少年訓練学校は、夏と冬の休みを利用し、3泊4日の日程でキャンプが開かれます。いわゆる親に引っ張られて無理やり来ている子どもたちの、殺伐とした雰囲気の中で初日の講義が始まります。私たちの戦略は初日から70%以上の子どもが神を熱く経験し、やみから光の中に出て行くように導くことです。 祈りの始まる瞬間から、子どもたちは注ぎ出し始めます。泣きわめいている子どもたちが普段祈っていた祈りは食事の感謝の祈りくらいでしたが、心の奥の思いを神に注ぎ出して大騒ぎになります。普段1、2分なら終わってしまう祈りが、10分、20分、30分が経っても止まりません。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。講師がすばらしいからではなく、聖書的な原理のためです。ゲーム中毒になって一晩中ゲームをしていた子どもが、イントゥ青少年キャンプに参加しました。その子どもはイントゥのスタッフの子どもでした。3泊4日のキャンプに参加して神に出会い、ビジョンを見つけたその子は、ゲームの時間を勉強する時間に使うようになり、一学期が終わったとき、クラスで一番になるという奇蹟が起こりました。 ある青少年の担当牧師が、教師たちに変化を与えるグリーンカンファレンスに参加して、この原理を学びました。そして帰った後青少年の夏の修練会でこの原理を教えると、子どもたちがすぐに反応したのを見て驚いたという証しを聞いたことがあります。 青年部を担任していたある先生も、イントゥ親教室に参加した後、教会の青年部でメッセージを語ることになり、イントゥで教わったレッスン1の暗やみから光へという内容を説教したそうです。説教後祈りが始まると、青年たちが大声で泣きながら講壇の前に出てきて、叫びながら悔い改めと決心の祈りをささげている姿を見て感動したという証しも聞いたことがあります。 私たちの信じている対象は生きておられる神であるため、神を信じて従う信仰は世の中をひっくり返すものすごい力があるのです。イントゥの教育課程で得られるすばらしい教育効果は、リセットだと言えます。私たちの考え方を世的でサタン的なものから信仰の価値観に変えていくときに、私たちの想像を超える奇蹟と変化が行われるのです。 私たちは信仰が何かをすべて知っていると思っていますが、具体的に示さなければ、子どもは世的な知識で自分の思ったとおりに生活し、これが信仰だと錯覚してしまうことが一番の大きな問題です。私たちは信仰が何か、その信仰をもってどのように生きていくべきか、みことばから見つける必要があります。
キム・ジュンオン 『青少年グリーンノート』(小グループ、教師指針書)『健全な自己像』の著者。現在、オンヌリ教会家庭ミニストリー本部長、ツラノイントゥ訓練学校ディレクター、イントゥ代案学校校長。
ハ・シンジュ 『青少年グリーンノート』(小グループ、教師指針書)『健全な自己像』の著者。現在、オンヌリ教会イントゥ教育研究院院長、ツラノイントゥ訓練学校主講師、イントゥ代案学校教育室長。
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