|
ディアスポラ日本人
|
ACTS29 北米日本人伝道 |
|
ジュビリー・チャーチ 牧師 ● 北野実
私は、カリフォルニア州のトーランスという町で、開拓教会をさせていただいています。1999年度に韓国長老派総合神学大学院で神学を学び、韓国オンヌリ教会日本語礼拝部で5年半、韓国サラン教会日本語礼拝部で3年、韓国にいる日本人への伝道のために仕えました。オンヌリ教会では子ども伝道と日本語礼拝部の青年部の奉仕をし、サラン教会では留学生担当として、留学生への伝道、養育、弟子訓練の奉仕をしてきました。 海外で日本人がクリスチャンになる数が、日本国内と同じ数といわれて久しくなります。私は、韓国で日本からの留学生に人生の目的であるイエス・キリストを伝えてきました。奉仕をする中で、海外ディアスポラ日本人への伝道と牧会にしっかりとした時間をかけながら、人生をささげて奉仕したい、と祈るようになりました。そして、私の日本の母教会の青年部の半数近くが北米での留学や駐在を機にイエス・キリストを信じるようになったことを思い出しました。そこで、北米に行く3年前から北米日本人伝道のビジョンのために祈り始めました。しかし、私には何の人脈も無く、まったくの手探り状態で祈るだけという日々が続きました。ところが、韓国教会の奉仕をまとめるわずか3カ月前に北米日本人伝道をされている先生たちとコンタクトができ、北米にある日本人教会をビジョントリップする機会が与えられました。北米日本人教会には、国際結婚、駐在員、留学生、長期滞在者、永住者、移民など多種多様な対象者がいることがわかりました。このような多様な方々が、どのようにして一つになれるのだろうかと考えました。その時、神様は「たずねて来る人たちをみな迎えて、大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた」(使 28:30~31)というみことばをくださいました。使徒行伝の宣教の働きは終わってはなく、宣教のバトンはパウロから次のクリスチャン、宣教師、信仰の先達と受け継がれ、現在の北米日本人に宣教する私たちまで来ていると教えられました。北米から日本やほかの地へ行く人は送り出される宣教師として、北米に残る日本人は送り出す宣教師とするのが、私たちの教会のビジョン、ACTS29北米日本人宣教だと示されました。 トーランスは、ロサンゼルス国際空港から車で約15分の距離にあり、北米トヨタとホンダの本社がある町で、ベスト10に入るほど多くの日本人が住んでいる町です。私は、2010年7月から開拓を始めたのですが、当初、礼拝に来る人の70%が私の友人の留学生たちでした。何もないところから始めたので、毎週、神様の奇蹟なしには奉仕することができませんでした。ノンクリスチャンばかりの礼拝のスタートでしたから、15人集まる週もあれば、留学生たちが帰国したり、夏休みが終わったりして、礼拝が3~4人という週もありました。しかし、「今週は礼拝に来られない人が多い」という週に、礼拝の前に祈っていると、目の前に日本人の男の子が立っていて、その家族が礼拝に来たという信じられないような奇蹟を体験しました。神様は「人の数を見ないで、わたしだけを見上げて礼拝するか」と問われ、神様の臨在だけを求める礼拝になりました。現在は、毎週午後1時からの礼拝と平日の活動があります。活動を紹介させていただきます。
留学生伝道 多くの日本人留学生にとって、人生の目的なしに生きていることが一番の問題です。留学生たちに、『聖書とは』という教材を用いて伝道しています。毎回、今は礼拝に10人前後が参加してくれています。ほとんどが私の友人や語学学校の知り合いのノンクリスチャンで、教会に生まれて初めて来たという人ばかりです。ただ、固定メンバーがおらず、毎週入れ替わり立ち代りなので、神様の家族が与えられるようにお祈りください。
社会人伝道と駐在員伝道 私たちの教会のビジョンは、日本人と韓国人がともに日本人宣教をすることです。韓国でも、長く韓国人と日本人で日本人宣教をしてきました。私の家内は韓国人で、私たちは日本と韓国との架け橋、また神様とノンクリスチャンの方々の架け橋を目指しています。そこで伝道のために、土曜日の午前中にハングル教室を始めました。「北米でハングル教室」というと驚くかもしれませんが、日系のスーパーに行くと、書店に必ず韓流コーナーがあります。韓流に興味のある方々をターゲットに、日本語と韓国語を活かしながら教えています。 最初は、宣伝の方法が分からなかったのですが、ハングル教室の参加者に日本語フリーペーパーの記者がいて、「情報掲示板に載せますよ」と言って、掲載してくれました。神様のあたたかい配慮と導きに感謝しました。それから、韓国人や国際結婚をされた方、韓国語に興味のある方から連絡が来るようになりました。その結果、現在、毎週土曜日に約12名の日本人とハングルを勉強しています。 また、家内がKOREAN COOKING CLASSを地域のアダルトスクール(英語を外国人に教えてくれる学校)で出会った駐在員の奥様方と始めました。そこで、出会ったご婦人が個人的に聖書を読みたいと話してくださり、それが少しずつ家内の友だちの間で広がり始めています。 敬老ナースリングホームの奉仕 トーランスの隣町(車で約20分)にあるガーデナには、日系のご老人のナースリングホームがあります。サウス・ベイ地域日系教会が、交代で毎月の宗教の時間に訪問をし、奉仕をする時間があります。私たちは、7月と8月に訪問し、車椅子に座った約30~40人の高齢者の方々に福音を語らせていただきました。 ほかの教会と違い、人も何もない私たちだけで、どのようにするか悩んだのですが、ありのままに奉仕しようと思い、近所の国際結婚のクリスチャン家族、お父さんとお母さん3歳と5歳の子ども、私たち夫婦で訪問しました。日本の日曜学校プログラムMEBIGの賛美と『君は愛されるために生まれた』『God Bless you』をプレゼントしました。そして、イエス・キリストの十字架の愛と赦し、永遠のいのちについてストレートに語りました。孫のような子どもたちが、賛美し、元気良く踊ったものですから、目を丸くして喜んでくださいました。集会の最後に、一人ひとりと握手して、ご挨拶して終わりました。一緒に行った夫婦が、「ディズニーランドに行くより、すばらしい時間になった」と話してくれました。神様の愛を伝えれば、もっと大きな祝福を受けることを体験しました。 養育の働き 1. QTセミナー 最近、QTセミナーと一対一弟子養育聖書研究を始めました。QTセミナーは、3回シリーズで行っています。40分ほどQTについて学んだ後、実際にQTをするワークショップの時間を持ちます。最後には、QTの分かち合いをして、祈って終わります。デボーションの習慣もない方々に、信仰の霊的な学びと訓練を教えるところから始めたので大変でしたが、楽しい、愛のあふれる時間となり、恵まれた、チャレンジと励ましと楽しい時間になっています。QTセミナーを受けた方々の反応は、「友だちを連れてきたい」ととても良く、実際に友だちを誘って参加する人が増えています。これまで、QTセミナーは、5クラス(1クラスに4~5人ほど)を実施させていただきました。 以前に北米に訪問したとき、北米の日本人教会に、養育やQTについての学びがないことを残念に思いましたが、それが新たなチャレンジへの始まりでした。ソウルのオンヌリ教会やサラン教会で受けてきた「神様の御声を毎日聞いて生きる喜び」を分かち合いたいという思いから、私は家を開放して学びをさせていただきました。来てくださった方はもちろん、奉仕する私自身にも恵み深い時間となりました。いつもQTの学びをするたびに、私自身が多くを教えられて、語られることがあることを感じ、この北米でも、さらにQT推進の働きをしていこうと改めて思いました。 2.一対一弟子養育聖書研究の働き 北米では、比較的自由な生活が可能な反面、外国人である私たちには意外と孤独になりやすいものです。それは、信仰生活においても同様です。そこで、若い方々に仕えるために祈っていると、神様が導いてくださったのが一対一弟子養育聖書研究でした。カリフォルニア州の日本人教会や集まりで、メンタリングというメンターとメンティーという育成、指導方法があります。私たちはこの部分に一対一弟子養育聖書研究はあうのではないかと思い、これを取り入れて行っています。単に交わりをして終わるよりも、一対一弟子養育聖書研究を教えるか、学ぶかという、クリスチャンを再生産して育てようとしています。始めたばかりなので、まだ目に見える評価はできませんが、神様の導きに感動する毎日を送っています。
まとめの言葉 私たちは、神様の愛を北米の日本人に伝え、イエス・キリストの弟子を再生産できる教会を目指していきます。今年の教会目標は、「ほんものになろう、神様の家族を作ろう」です。 また、私たちの教会、ジュビリー・コミュニュティ・チャーチが、伝道、QT、一対一弟子養育聖書研究をする中で、北米から日本や他の場所へイエス・キリストの弟子を派遣して、宣教する教会になるようにお祈りください。
|
|
|
|
|