レコード・佳代 ● Mission to Unreached Peoples
米国のMission to Unreached Peoplesという宣教団体を通じてカンボジアにて奉仕しております、レコード・佳代と申します。主人のデールはELICという宣教団体にて2000年から2003年までクリスチャン英語教師として首都のプノンペンで働いておりましたが、結婚後2007年9月より日米両国の教会から夫婦で派遣されました。 以降2年間、主人のデールは引き続き王立法経済大学の講師として上級英語、インターナショナルビジネス英語、キリスト教世界観に基づくリーダーシップ論などのクラスの教鞭を取り、国の次世代のリーダーたちにキリスト者としての証しを立てました。また、聖書の真理や人生の深い問題などに疑問を持つ学生、教授たちと個人的に話をし、個人伝道もしています。私はカンボジア語の語学研修からのスタートで、ことばと文化への理解が少しずつ深まるにつれ、数人のカンボジア人の姉妹との信頼と友情が育まれつつあります。主にある信仰も若く、異教的な文化の渦中で生きるのに苦戦する姿を見るときなど、彼らの母語で主にある励ましのことばを語れたらと願います。深い心のうちや霊的な話ができるようになるためには、もう少し語学を学び、カンボジアの兄姉とともに労し、文化と生活を学ぶ必要があると実感しています。 カンボジアも日本のように仏教国ですが、特に内戦後のベビーブーマーの若者たちを中心にクリスチャンの数は増えています。首都をはじめてとして地方でも教会開拓が進んでいます。しかし、一方で信仰生活の短いクリスチャンが年若くして教会内で責任を持ち、さらに信仰の浅い兄姉を導いてゆかざるを得ないという現実もあります。教会に通っていてもみことばについての理解があいまいで、仏教徒の家族に妥協して信仰から離れたり、またモルモン教やエホバの証人などのキリスト教カルトに勧誘され、違いがわからず取り込まれる、極端な教団教派主義に陥り、キリストにある兄姉の間で分裂が起きてしまうというような残念な状況もめずらしくありません。 そこで、私たちは、現地経験が浅くても、主を愛して一生懸命に労する牧師や兄姉をサポートするためのキリスト教文書、視聴覚教材を作りたいというビジョンを与えられました。今、カンボジア語の聖書はあるのですが、それ以外のカンボジア語の本や教材の数は非常に限られています。牧師が使えるような注解書シリーズや、モルモン教の危険を促す小冊子なども、この2年間に初めて出版されました。私たちは、現地の「知恵の泉社」という超教派のキリスト教出版社と協力し、「イエス・キリストにある兄姉と一致する大切さ、しかしキリスト教カルトのように福音を曲げて語るにせ教師を見分ける必要」をまとめた本を出版する過程にあります。 カンボジアは、現在も70年代の内戦の傷から回復する途上にあります。ポル・ポト政権率いる共産党政府は、知識人や宗教家を中心に人口の15%~40%の尊いいのちを奪いました。生き残った人たちの大多数も戦後の心理的トラウマを抱えて生活しています。経済は徐々に発展していますが、裕福な政治家やビジネスが貧しい人たちから富を搾取するので、貧困や病気はいまだ深刻な問題です。国の政治や医療技術、学術に長けた知識人のほとんどが殺されてしまったので、司法整備、社会福祉、都市計画、教育の大半を今も海外からの支援に頼っています。社会問題を数えたらきりがありませんが、そのような暗く痛んだ社会の中でひときわ明るく輝くのは、イエス・キリストにふれられたいのちです。彼らが誰も顧みなかった病気の孤児に愛を教え、荒れた地方の貧しいコミュニティーに希望をもたらします。心を込めて家族を助け、隣人に仕える姿はなんと美しいことでしょう。カンボジアの福音宣教、教会、クリスチャンの兄弟姉妹を覚え、お祈りください。
| 祈りの課題 | 1. 内戦の傷により、混迷するカンボジアの社会の中でクリスチャンたちが愛と希望を与え続けることができるように。 2. 戦後世代となる、年齢も信仰の年齢も若いクリスチャンが大多数のカンボジアキリスト教会ですが、イエス・キリストの御霊にある一致の中で諸教会が成長していけるように。 3. 昨年の12月から活動を始めたコンビンチナン州での私たちの働きが祝れるように。MUPのチームメイト、そして現地の兄弟姉妹との愛の関係の中で奉仕できるように。
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