愛隣チャペルキリスト教会 監督牧師 ● 内越言平
「日本の教会に未来はあるのか。」その答えは「ある」です。多くの教会は元気がありません。なぜでしょうか。現状を見たときに失望を覚えるからです。日本の教会の70%は平均年齢が60歳以上。しかも、おともだち(子ども)の出席は平均9名。10教会に1教会は、もはや教会学校をしていない。このままでいくならば、20年後には7,000の教会が2,000になってしまうからです。手をこまねいていたのではありません。一生懸命やってきたのです。でも、魂を獲得できない、弟子化されない。それでもやり続けているのです。ペテロが一晩中魚を得るためにやったのに1匹も得られなかった。一生懸命やったのです。でも、陸に上がったペテロは、それでも諦めないで、網をつくろっていた。実に日本の教会のようではありませんか。だからこそ、その後に、ペテロが大量の恵みと驚きを体験したように、日本の教会も体験すべきではないでしょうか。それではどのようにすべきでしょうか。第一におともだち伝道牧会です。第二におともだち伝道牧会です。第三におともだち伝道牧会です。 第一におともだち伝道牧会です。過去の教会は大人が中心ではなかったでしょうか。イエス様が怒られるのは不信仰ではありません。偽善です。しかも、信仰者の偽善です。「神様の前に子どもも大人も同じです」と言いながら大人中心ではなかったでしょうか。マタイの福音書18章2節から知ることは「大人中心」から、おともだち中心にすべきです。イエス様はいつも弱い者、小さい者を第一にして祝福しています。「日本の教会の未来」はここにあると思います。 第二におともだち伝道牧会です。「なぜノアの箱舟は沈没しなかった? ひっくり返らなかった?」海面から上の部分と下の部分のバランスが保たれていたからです。上の部分とは霊的部分。下の部分とはこの世(肉)的部分。上の部分が大きくなり過ぎるとひっくり返ってしまいます。下の部分が大きくなり過ぎると沈んでしまいます。教会学校がどうこの世のことを取り入れていくか、ここに「教会の未来」があるのではないでしょうか。聖書の真理を絶対に変えてはいけません。しかし、やり方、見方はたくさんあるのです。「百円玉は長方形」です。この世の急激な変化に対応する術はたくさんあると思います。 第三におともだち伝道牧会です。教会に来る方々に「今まで教会に関係ある幼稚園や学校に行っていたことがありますか」との問いに、「いいえ、全くありません」という返事が多くなりました。これは危機です。過去に福音に接していた人は、心がすでに開いていることを感じます。小さい時に信じた者が、後の日にキリスト教の歴史に名を残しているのです。幼い時の信仰の訓練が大切です。しっかりとした救い、そして弟子化。礼拝出席、祈り会出席、各種奉仕、伝道。「子どもにそんなことができるのですか。」「子どもにそんなことをさせてもいいのですか。」おともだちはできます。おともだちはしたいのです。子ども時代にできたことは大人になってもできるのです。おともだちに打ち込むことこそ「教会の未来」を決めることなのです。「子どもという子どもはいない。子どもという人間がいる」(MEBIGの理念)のです。 「でも、言平先生、現実は厳しいのです。おともだち伝道、牧会の大切さはわかるのですが、その力が出てこないのです。」その通りです。そこで、もう一度あのペテロのことを見たいと思うのです。ペテロもあのときクタクタでした。肉体的に、精神的に、霊的に。それなのに、なぜ沖に舟を出す力があったのでしょうか。なぜ、重い網を舟から投げ打つことができたのでしょうか。 それはイエス様の愛にふれたからではないでしょうか。第一に、「少し漕ぎ出すように頼まれた」(ルカ 5:3)。・・・イエス様はペテロのことをよーくご存じでした。だから「少し」と言われたのです。私たちも「沖へ」と言われたら「できない」というでしょう。でも「少し」なら、できると思いませんか。しかも、スターなるイエス様が頼んだのです。 第二に、「舟から群衆を教えられた」(ルカ 5:3)。・・・イエス様はペテロのことをよーくご存じでした。だから「ペテロ」でなく「群衆」に教えられたのです。「直接」でなく「間接」にペテロに語ったのです。ペテロは客観的に聞く余裕を持てたのです。 第三に、「網をおろして魚をとりなさい」(ルカ 5:4)。・・・イエス様はペテロのことをよーくご存じでした。ご自分ではなんでもできるのにペテロに任せたのです。 イエス様の愛こそ、伝道、牧会の力の源ではないでしょうか。おともだちの伝道、牧会は沖に漕ぎ出して網を投げ打つような労苦です。でも、あなたがイエス様の愛に感じて網を打つなら大漁まちがいなしです。「おともだちこそ教会の将来」を決めるのです。
内越言平(うちこし ごんべえ) 愛隣チャペルキリスト教会監督牧師。おともだち(子ども)に重荷を与えられ、MEBIG(メビック)を通して全世界に展開中。日本は本年28箇所、中国、韓国、台湾、インドネシア、シンガポール、ブルガリアでもセミナーを開催。おともだちの訓練のためのミュージカルは23回公演。MEBIGセミナー代表。チルドレン・レスキュー・ミッション代表。名誉宣教学博士。
|