アンテオケ宣教会から派遣されて、北ドイツにて、おもに日本人を対象に宣教活動をさせていただいています井野葉由美です。私はドイツに来て3年半になります。近年、海外でイエス・キリストに出会う方々が増えており、またその働きが日本でも知られるようになってきたことを、嬉しく思っています。かくいう私も17年前、留学していたドイツでイエス・キリストに出会いました。 現在の働きの拠点は港町のハンブルグです。夏はいつまでも明るいのですが、冬はとても暗くなります。11月は一番気の滅入る季節です。寒いのは耐えられるのですが、暗さというのは人の心をふさいでしまうものです。私も初めて留学でドイツに来た頃、家族から離れて孤独を感じ、自分の限界を感じたときにこの暗さがやってきて、かなりどんよりとしていました。それが12月になってクリスマスが近づくと、街にクリスマスの光が灯るようになり、心がうきうきと変えられていたったのを今でもはっきりと覚えています。その時、私はクリスチャンではありませんでしたが、「この時期にクリスマスがあってよかった」と心から思いました。この心情は、ドイツに暮らす日本人に共通のものだと思います。この暗さの中で、人々は変わらない明るさ、光、温かさを求めて教会にやってきます。 ハンブルグはドイツ第2の都市であり、商業の街ですから日本企業も入っており、周辺地域も合わせて約2,000人の日本人が住んでいると言われています。ここにハンブルグ日本語福音キリスト教会があり、15名から20名の日本の方々が集っています。集っておられる方々は、現地の方と結婚されて、もう40年近くドイツに住んでおられる方から、最近来られた方までさまざまです。皆さん日本人ですが、長く外国暮らしをすると、考え方がだんだん現地化していきます。しかし、群れの中には、最近日本から来られたばかりの典型的な日本人の方もおられますから、そのバランスが難しいところです。外国人なら文化が違っていてもあきらめがつくのですが、「同じ日本人」ということで、かえって難しさを感じるようです。 多くの日本の教会と同じように、礼拝のほかに祈祷会、バイブルスタディ、そのほかノンクリスチャンのためのさまざまな集会があります。特徴的なのは、各集会に未信者の方々の割合が高いということでしょう。「日本にいたら、教会に行こうなんて考えもしなかった」と言う方が、イエス・キリストに出会って変えられていきます。音楽学生や主婦の方々にはコンタクトが取りやすいのですが、私自身が女性単身であるため、駐在の男性への伝道には知恵が必要です。 ハンブルグを拠点とし、そこから南へ180kmのハノーバーにも月2回出かけています。こちらは教会ではなく家庭集会です。集っている方のほとんどはドイツ人と結婚した女性です。家族とともに現地教会に所属し、日曜日はドイツ語の礼拝に行っている方々です。 海外では日本語教会の数は限られていますから、どのような教派背景を持っていても、お互いに受け入れあってともに礼拝しています。以前、ハンブルグで短期のご奉仕をしてくださった方が、「海外邦人教会は初代教会のようだ」と言われました。「さまざまなことが整っておらず、手探りで試行錯誤しながら歩んでいるが、イエス・キリストに対する熱い信仰だけは持っている」という状態です。 もう一つ、海外邦人教会の特徴は、人の移動が多く、変化のスピードがはやいということです。伝道するためにこちらから出かけていかなくても、次から次へと新しい人が日本から送られて来ます。教会のメンバーが帰国するのは非常にさびしいのですが、新しい視野を持ったキリスト者を日本に派遣できることは大きな喜びでもあります。海外で救われた方が後に宣教師になる確率は高いように思います。 海外には、「私たちのために牧者を送ってください」と手を振っている多くの日本の方々が暮らしています。収穫は多いが、働き人が足りない状態です。どうぞ、さらなる働き人が起こされるようにお祈りください。そして、新たに宣教に派遣される方々のために支援していただけると嬉しいです。宣教はチームワークです。日本にいながらにして世界宣教に参加できます。是非、宣教のわざにご参加ください。主が祝福して一歩を進めてくださいますように。
| 祈りの課題 | 1. イエス・キリストを信じる方々が、神から豊かな愛を受けて、どこにあっても世の光として輝けますように。 2. 日本に帰国する方が日本において豊かな教会生活に導かれますように。 3. 教会の柱となれるようなクリスチャンファミリーが与えられますように。
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