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信仰、ヘブル人への手紙11章 ⑥

死者を生かす信仰

死者を生かす信仰

オンヌリ教会主任牧師 ● ハ･ヨンジョ

約束は必ず成就されます。そのために、私たちは信仰を選び取らなければなりません。サタンは私たちに疑いを植えつけますが、神は信仰を植えつけてくださいます。選択は、私たち自身がするものです。信仰の選択ができますように祈ります。

生命力のある信仰
信仰があれば、それがすべてではありません。信仰には行いが必要です。律法的な意味の行いではありません。枯れ木の世話をしても、生き返ることはありません。しかし生きている木は、世話をするとよく育ち、豊かな実を結びます。知らないうちに私たちの中に信仰が生まれ、疑いが消え、思い煩いもなくなります。生きている木が神のくださる信仰だとすれば、その木に肥料や水をやり、世話をするのが信仰の行いなのです。
神が私たちに信仰をくださるとき、私たちがするべきことは、その信仰を熱心に育てることです。神が信仰をくださっても、そこで何もしないのでは信仰は育ちません。だからこそ、私たちは信仰の行いと律法的な行いをよく見分けなければなりません。信仰があるからこそ熱心に奉仕し、祈り、いつも神のそばで生きることができるのです。

最も大事なものをささげる信仰
信仰をくださった神は、ある決定的な瞬間に、その信仰を神にささげるように言われます。この時に、葛藤が生じます。まことの信仰を持つと、葛藤に直面するものです。神は、価値のないものを差し出せとは言われません。私たちが最も大事に考え、大切にしているものを差し出しなさいと言われます。アブラハムにも、このような信仰が見られます。100歳で授かった大事な息子イサクを、神はいけにえとしてささげるように言われました。
「信仰によって、アブラハムは、試みられたときイサクをささげました。彼は約束を与えられていましたが、自分のただひとりの子をささげたのです」（ヘブ 11:17）。
信仰には試みが伴います。与えたものを差し出す試みです。この試みを通り抜ければ信仰が育ち、堅く立ちます。危機に直面したとき、信仰を育てるためにこのような試みを与えられるのです。ただの鉄のかたまりは、何の役にも立ちません。私たちの信仰に試練があるのは、至極当然のことです。鉄のかたまりをカナヅチでたたくように、高慢もおごりも欲望もみな打ちたたいてください。このような試練を受けるとき、つまずかないでください。試練がなければ、私たちの信仰が役に立つことはありません。
100歳のときに授かり、健やかに育った青年イサクを見るたびに、アブラハムはどんなに深い愛情を感じたことでしょう。しかし、神は、愛しいこの息子をいけにえとしてささげよと言われました。イサクをささげることは、礼拝でもあると同時に殺人です。礼拝と殺人、その間でアブラハムは葛藤したことでしょう。しかし、アブラハムはその葛藤と試練の時間を長引かせることなく、すぐ決心しました。
神の命令に従う前にアブラハムが葛藤をしたとすれば、18節にある部分です。「神はアブラハムに対して、『イサクから出る者があなたの子孫と呼ばれる』と言われたのですが」。イサクをささげよと言うなら、喜んで従うが、神の約束はどうなるのかという葛藤があったのではないでしょうか。それでも、アブラハムは従順に従いました。従順をすぐに理解し、悟ることができたら、どんなにいいでしょう。しかし、従順とは、たとえすべてを理解できなくても、従うことです。すべてを失ったとしても、神が必ず約束を守ってくださるという信仰があってこそ従うことができます。

変わらない約束
アブラハムは人生を振り返り、神は必ず約束を守られると信じました。そして、ためらわずに一人息子を差し出しました。自分の命ならまだしも、息子の命をささげることはなかなかできることではありません。
アブラハムには過去の悲しい傷がありました。神の約束を聞いて10年経っても、子どもができない頃のことでした。アブラハムは神がくださらないならば他の女性に生ませればよいと考え、イシュマエルが生まれました。人間的な思いが心からわき上がるとき、どのようにすればよいのでしょうか。それは祈りです。「これは本当に神の御心ですか。神の御心でなければやりません」と祈ってください。神がイサクを差し出すように言われたとき、イシュマエルを生ませた傷を思い出したのではないでしょうか。
核心は、神の約束は変わらず、必ず成就されるということです。神はアブラハムに「その子は死んでも生きる。約束は必ず果たされる」という信仰をくださいました。信仰生活には試練も試みも苦しみもあります。しかしその時、耐え忍ぶことができず、誤った選択をしてはなりません。たとえ道が見えなくとも、神の約束を信じてください。

未来を見る信仰
信仰生活が長ければ、さまざまな試練を受け、また葛藤もあるでしょう。しかし、神の約束は変わらないという揺るがない信仰が生まれます。死が訪れても、この信仰があれば、約束は現実になります。愛する信徒のみなさん、神を疑わないでください。
「彼は、神には人を死者の中からよみがえらせることもできる、と考えました。それで彼は、死者の中からイサクを取り戻したのです。これは型です」（ヘブ 11:19）。
このような信仰があれば、嵐が来ても、大波が打ち寄せても、地震が起きても、天地が揺れ動いても心配する必要はありません。この信仰の戦いをアブラハムも経験しました。現在を見て絶望しても、未来を見れば希望を持つことができます。次のみことばは、アブラハムの信仰をよく説明しています。
「というのは、世界の相続人となるという約束が、アブラハムに、あるいはまた、その子孫に与えられたのは、律法によってではなく、信仰の義によったからです」（ロマ 4:13）。
すべてのものは信仰によるものです。状況と結果を見るのではなく、信仰によって行うのです。今、人生の訓練を受けている方がおられるなら、揺れ動かずにこのみことばを信じてください。
「『わたしは、あなたをあらゆる国の人々の父とした』と書いてあるとおりに、アブラハムは私たちすべての者の父なのです。このことは、彼が信じた神、すなわち死者を生かし、無いものを有るもののようにお呼びになる方の御前で、そうなのです」（ロマ 4:16～17）。
今日のみことばの結論は、約束は必ず成就するということです。この約束が必ず成就するためには、私たちが信仰を選び取らなければなりません。私たちの内には疑いもあり信仰もあります。サタンは私たちの内に疑いを植え付け、神は私たちの内に信仰を植え付けます。選択は私がするのです。信仰の選択ができますよう祈ります。

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