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信仰、ヘブル人への手紙11章①

信仰の保証

信仰の保証

ハ・ヨンジョ
●
オンヌリ教会主任牧師

これまで第一コリント13章を通して、愛に関してお話してきました。これから数回に渡って、ヘブル人への手紙11章から、信仰に関してみことばを伝えていきたいと思います。

信仰は主からの贈り物
聖書が私たちに教えてくれる偉大なことばの一つは「信仰」です。信仰は、人が神を知る方法だからです。神は人に物事を認識する能力を与えてくださいました。理性、知性、常識、経験、合理性などをくださり、世の中を生きていくようにされました。しかし、理性や知性などによって物事を認識し、とらえることはできますが、神を知ることはできません。私たちが神を知るためのただ一つの方法は、信仰によってです。ですから、この信仰を理解し、信仰を持つことが信仰生活の核心となります。
信仰によってのみ、主の着物のふさをつかむことができ、御心を悟ることができます。私たちは信仰によって救いを受けました。
｢あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。｣(エペ 2:8)
神がくださったものが恵みならば、その恵みを受け取り、神に手を広げるのが信仰です。上から与えられるだけであったり、下から上にあげるだけであってはなりません。私たちが神を信じるようになったのも、信仰によります。
イエスは病をいやされるとき、「あなたの信仰があなたを救いました」といつも言われました。御業をなされるときは必ず｢信仰｣ということばを使われました。イエスは「信仰がなければ、このようなことはできない。しかし、わたしが与えた恵みによってあなたが信仰を持つようになるのならば、神を経験するだけではなく、神がくださる力も持つようになるだろう」と言われるのです。

本物の信仰と偽りの信仰
ヘブル人への手紙11章では、信仰について大きく2つのことを話しています。一つ目は、すべての信仰が信仰ではないということです。自分の信仰が偽りということもあるのです。自分が考えていた信仰、夢見ていた信仰、設計しデザインしていた信仰は本物ではありません。自分の頭、知識、信念、考えから来たものは、神がくださった信仰ではありません。このような信仰に私たちはだまされてきました。
近年、書店では自己啓発書がよく売れているそうです。このような書籍は、不安で心配を抱えた現代人に、自信を持ち、肯定的にそして積極的に生きていくための方法を教えています。しかし、このようなものは信仰ではありません。では、本物の信仰とはどのようなものでしょうか。本物の信仰とは自分の考え、知識、合理性、信念ではなく、神のみことばから出てくる信仰です。イエスのことば、聖霊の感動から来る信仰が本物の信仰です。そこには主の御業があります。自分の力、知能から出てくる信仰は、どんなにそれらしく見えても、結局どのような御業も行うことはできません。
｢イエスは言われた。「あなたがたの信仰が薄いからです。まことに、あなたがたに告げます。もし、からし種ほどの信仰があったら、この山に、『ここからあそこに移れ』と言えば移るのです。どんなことでも、あなたがたにできないことはありません。」(マタ 17:20)
どんなに小さくても、神から来るものには力があります。本物です。しかし、どんなに大きく派手に見えたとしても、人間から来たものはにせ物です。力がありません。私たちの信仰が本物かどうかを見分けなければなりません。

信仰を持ち、疑うことがなければ
二つ目に、自分の持っている信仰が本物だとしても、信じる人に信仰への確信がなければ、何も起こりません。
｢イエスは答えて言われた。「まことに、あなたがたに告げます。もし、あなたがたが、信仰を持ち、疑うことがなければ、いちじくの木になされたようなことができるだけでなく、たとい、この山に向かって、『動いて、海にはいれ』と言っても、そのとおりになります。あなたがたが信じて祈り求めるものなら、何でも与えられます。」」(マタ 21:21～22)
このみことばの「あなたがたが、信仰を持ち、疑うことがなければ」という部分に下線を引いてください。これは「あなたがたの信仰の純度はどれくらいなのか」という意味です。純度が100％なのか、80％なのか、50％なのかを尋ねておられるのです。つまり「理解ができなくても、理性が通じなくても、常識に引っかかったとしても、みことばを信じて疑ってはなりません」ということなのです。私の言うことを信じろということではありません。私の言うことではなく、イエスのことばだけが本物なのです。
弟子たちと現在の私たちは同じ状況です。信じることも、信じないということもできず、疑うことも、疑わないこともできないという当惑した状態でした。御前で祈り、説教を聞くときには恵まれてすばらしいのに、みことばの前に立つと戸惑います。
イエスと弟子の会話を分析してみましょう。最初にイエスが実りのないいちじくの木をのろわれると、木が枯れてしまいました。イエスのことばは理性を超えて、本当に実現します。実際にいちじくの木が枯れてしまいました。
それを見て、弟子たちはあわてました。イエスが「あなたがたが、信仰を持ち、疑うことがなければ、あなたがたにもできます」と言われたのを聞いて、さらにあわてました。ただ「それは、わたしにしかできない」と言われたのならば、あわてなかったことでしょう。しかし、「あなたがたにもできる」と言われたため、あわてたのです。
このような時、「アーメン」と言って幼い子どものように信じる人もいれば、戸惑う人もいます。そして、さらにイエスは「このようなことだけでなく、もっと大きなこともできる。あなたが純度100％の信仰を持っているのならば、この山に向かって、『動いて、海にはいれ』と言っても、そのとおりになります」と言われたのです。

信仰が保証するもの
みことばは、三つあります。
一つ目は、「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです」(ヘブ11:1)。信仰の定義は、話すことばにどのくらい確信があり、はっきりしているかということです。信仰は望んでいる事がらを保証します。目に見えないものを確信させるものです。「私はそう思う」ではありません。確信のある告白です。皆さんにもこの告白があるように願います。
私たちはこの告白がありません。みことばは信じますが、そこに力はありません。信仰は求め、望んでいる事がらの保証です。ほかの翻訳本を調べてみると「保証」という言葉は、「実像」「実体」「確証」「権利文書」「事実」などがあります。また「目に見えないものを確信させるもの」とあります。これは変わらない確信、変わることがない信仰です。
信仰の原理は驚くべきものです。一度信じなければ、信じることは始まりません。一度疑えば、続けて疑うことになります。しかし、皆さんが一度信じると、信仰が信仰を生みます。「信仰に始まり信仰に進ませるからです」(ロマ 1:17)とは、信仰が信仰を生むということです。
私には祈って奇蹟が起きたということを経験したことがあります。しかしこれが時々しか起こらないのが問題です。いやしの賜物を持つ人々は繰り返し宣言します。そのため、奇蹟が繰り返し起こります。
信仰が信仰を生み、いやしがいやしを生みます。きょうはみことばを信じて、明日は信じないというものではありません。繰り返し、変わらない神のみことばであることを信じ、宣言してください。

信仰によって見える世界
二つ目に、「昔の人々はこの信仰によって称賛されました」(ヘブ 11:2)。信じる人々に確実に与えられる祝福は何でしょう。それは称賛です。神がその人を称賛してくださるのです。ハレルヤ! 私は皆さんが神から称賛される人になることを願います。神はだまされたりはしません。たとえ、よく見せようとしても、信仰がなければ称賛されません。
三つ目に、1節と2節に続き、現実的な2つの例を挙げています。一つはこの世界が造られたこと、もう一つはアベルから始まる信仰の父祖に関する例です。
「信仰によって、私たちは、この世界が神のことばで造られたことを悟り、したがって、見えるものが目に見えるものからできたのではないことを悟るのです。」(ヘブ 11:3)
皆さんは、微生物の世界を知っているでしょうか。微生物学者は、一般の人が知らない驚きの世界があるということを知っています。動物の世界を知っていますか。私たちが時々テレビ番組を通して見たり、本を通して見ますが、専門学者たちが見るものに比較すると、それはほんの一部でしかありません。
沖縄を訪れたとき、有名な水族館に行ったことがありました。巨大なガラスの向こうで生きている魚を見て、とても驚きました。神のアイデアはなんと豊かで尽きないのでしょうか。魚の姿かたちはすべて違います。四角や三角など、さまざまな形に造られました。そして、その豊かな色は驚きです。動物の世界、植物の世界もそうですが、人体はとても神秘的です。
人体、地球、宇宙の研究者たちが知っている知識は、発見できていないものの100万分の1にも満たないものでしょう。私たちが発見したものは、巨大なパズルの小さな一つのピースに過ぎません。この驚くべき神の創造された世界を、どのようにして知ることができるでしょうか。それは信仰によってです。私たちは神が天地を創造されたということを信仰によって知っています。これらのことを信仰によって知るようにしてくださった神を賛美いたします。
神の創造の世界を考えると、不安になったり、心配する必要がありません。砂金を探すために地面ばかり見て生きるのではなく、空を見上げて星を見てください。希望と信仰を持ってください。

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