みことばのすばらしさを伝えること 豊田常喜・恭子●イムマヌエル綜合伝道団
はじめまして。私たちは現在、日本インマヌエル教会(イムマヌエル綜合伝道団)より派遣され、フィリピンのルソン島中部に位置するパンガシナン州ロサリスにある聖書大学で働いている豊田常喜・恭子と申します。こうして、みなさまにお手紙と写真を通して私たちの働きをお知らせすることができますことを感謝しています。 私たちは、2007年9月28日にフィリピンに到着し、6ヶ月の語学・文化体験研修をマニラ圏ケソン市で終え、2008年の6月からロサリスにあるウェスレアン聖書大学で本格的に働きが始まりました。 働きが始まる前に、神様は子ども(第1子長女)というすばらしいプレゼントを私たち夫婦に与えてくださいました。フィリピンで出産する予定でしたが、はからずも日本で6月28日に出産することができました。子どもの名前は「希乃実(きのみ)」、この子の心の内に本当の希望であるイエス・キリストの実が結ばれ、さらにその結ばれた希望の実がこの地上に生きる人々の内に彼女を通して結ばれていくことができますようにと願って、この名前をつけました。現在は、恭子の体力も回復し、希乃実も神様の愛と恵みの中ですくすくと成長しています。 ということで、現在、私は単身でここロサリスで主のために働いています。働きの中心は神学教育ですが、教えることよりも学ぶことの方がたくさんあります。私にとっては教えること自体が初めてのことですので、何をどのようにして教えたらいいのかを切磋琢磨しながら学んでいます。フィリピンでは高校卒業が日本よりも一年早いため、ほとんどの学生たちは15歳から20歳の間で、70名程の学生が学びと訓練に励んでいます。この聖書大学の特色は、学問的な面と同時に霊的実際的生活面も大切にしているところです。学生たちは朝5時には起床し、身支度を調え、デボーションを持ちます。6時半の朝食前には、分かれて学内を掃除し、食事を終え、7時15分から始まるクラスに向かいます。 現在、私は2つのクラスを担当し、1年生と2年生に教えています。クラスの中では基本的に英語が使われますが、私も学生たちも英語がそれほど流暢ではありませんので、生徒の顔をうかがい、質問しながらクラスを進めています。コミュニケーションが十分に取れないことのほうが多いかもしれませんが、お互いに神様の恵みと助けを求めながら日々の生活を楽しんでいます。クラスの準備などで忙しいときは、学生と一緒に食堂で食事しています。学生と交わる良い時間となっています。 先日の夜、ある学生が私の家にレポートを提出しに来てくれました。彼はコーヒーを飲みたいと言うのでごちそうしました。コーヒーを作っている間、彼はその日母親が部族闘争に巻き込まれて殺されたという悲報を話してくれました。「帰らなくていいの?」と尋ねると、「今は危険だから帰ることができないんです」と答えました。お父さんは逃げることができ、他の二人の兄弟も身の安全が確保されていることを聞きました。その地域では、部族闘争が長年絶えることなく、首狩りもなされているということです。昔、日本人の宣教師がそこに教会を建てましたが、その宣教師は日本に帰ってしまい、今はその教会がないということです。彼はそのような環境に育ち、また母の死という悲しい出来事に直面しながらも、私に言いました。「今、そこに教会はあるけど牧師がいないんです。だから僕は牧師になるためにここに来たんです。」彼の話を聞きながら、私は大きなチャレンジを受けました。「彼のために、そしてそうした困難な背景にある学生たちに何ができるだろうか。」コーヒーを飲む前に、私は彼と祈りの時を持ちました。 「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい」(Ⅱテモ 4:2)。 今、私たちにできることは、学生たち一人ひとりに、聖書が神のみことばとしてどんなにすばらしいか、そしてどんなに人を変える力を持っているかを伝える(Communicate)ことであると思っています。 イエス・キリストの恵みによって強くされつつ、神様から託されたこの働きに忠実に、そして真実に励みたいと思います。みなさまの祈りの中に、私たちの働きを覚えてくだされば感謝です。 みなさまの上に、神様の豊かな祝福がありますようにお祈り申し上げます。
¦ 祈りの課題 ¦ 1. 神学教育の働きのために。 2. 希及実を加えた新しい家庭建設が主の恵みによって守られるように。 3. ウェスレアン聖書大学の学生と先生たちのために。
|