聖書をください 清水担・いずみ●宣教団体SIM
私たちの奉仕しているタンザニアはクリスチャン40%、イスラム教徒40%と言われています。しかし、地域によって偏りがあり、内陸部にはクリスチャンが多く、海岸地方はイスラム教徒が多いのが現状です。私たちはイスラム教徒が95%と言われる町、リンディで福音宣教をしています。 タンザニアは貧しい国で、外国からの様々な援助を受けています。そのため村々へ伝道のために行っても、外国人である私たちは「お金をください」とか「洋服をください」とか言われます。「食べ物、靴、自転車」といった「物」を求められることが多いのです。日本では物乞いする人も最近は見かけないほどなので、このような状況には戸惑います。 しかし、ある村へ出かけたとき、その村では「物」ではなく「聖書をください」と言われました。もちろんほとんどがイスラム教徒の村ですが、何名もの方々が口々に聖書が欲しいとおっしゃったのです。私は主に感謝しました。この村の方々は真理に飢えておられたのです。 それから毎週木曜日の午後、この村に通い、ともに聖書のみことばを開いて読むようになりました。聖書やキリスト教、教会に対する様々な質問をイスラム教徒の視点から受け、それらにお答えします。小さな取るに足らない質問も多々ありますが、それらは彼らにとって大きな障害となり、先に進むことを妨げているものです。「多くのクリスチャンや牧師たちに質問をしたけれど、みんな逃げてしまって、まともに答えてくれなかった。あなたは私たちの疑問に真正面から答えてくれるので感謝しています。」ある方からこのように言われました。 感謝なことに、みことばに応答してキリストを信じる決断をする方々も起こされています。しかし、イスラム教徒の方々にとって越えられない壁があります。一つはイエス様はどなたかということです。イスラムではイエス様は「神の遣わした偉大な預言者」と教えます。しかし、「神の御子」とは決して受け入れることができません。ましてや、キリストが神ご自身であることはもってのほかです。もう一つは、イエス様の十字架です。彼らは次のように教えられています。「イエスは、神が遣わした預言者だから神の守りがある。人の手にかかって殺されるようなことがあるはずがはい。」 ある時、このような質問を受けました。「もし本当にイエスが神の子ならば、その父である神が自分の子どもを見殺しにするようなことをするだろうか。お前の子どもが誰かの手で殺されるのを黙ってみていることができるか。できないだろう。神にもできないのだ。」イエス様の十字架は父なる神様の私たちへの愛のあらわれです。聖霊なる神様が聖書のみことばに触れているイスラム教徒の方々の心を開いてくださり、彼らがイエス様を主と信じることができるようにお祈りください。
清水担・いずみ(しみずたん・いずみ) – 福音交友会から宣教団体SIMに所属し、宣教師としてタンザニアのイスラム教徒の多い地域であるリンディで活動。 – 担は高校生の時からアフリカでの働きに関心を持つようになり、大学でスワヒリ語とアフリカ文化を学ぶ。 – いずみは宣教師子弟としてインドネシアに育つ。帰国後は主の導きを求めつつ、大学でインドネシア語と文化を学ぶ。 – ともに神学校での学びの後、結婚。和泉聖書教会を開拓。 – 2001年に日本を発ち、英国での宣教師訓練を経て、タンザニアへ。 – 子どもは長男:光(こう)9才、次男:整(せい)7才、長女:ゆきね(2才)
¦ 祈りの課題 ¦ 1. リンディの兄姉の歩みが主に守られ、みことばによって信仰が強められるように。 2. SIMハウスの働きが継続され、用いられるように。 3. 福音を聞いている方々が御霊によって心開かれ信仰決心に導かれるように。 4. 日本での教会訪問のために。 5. 子どもたちの学校での学びと生活のために。
|