愛の交響曲②

   愛は寛容であり
 

愛は寛容であり

ハ・ヨンジョ

オンヌリ教会主任牧師

「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。愛は決して絶えることがありません。預言の賜物ならばすたれます。異言ならばやみます。知識ならばすたれます」(Ⅰコリ 13:4~8)
このみことばには、愛に関する15の性質が記されています。これは大きく3つのグループに分けることができ、今回はその第一のグループに属する5つについてお話します。4節のみことばをもう一度見てみましょう。
「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません」(Ⅰコリ 3:4)。
このみことばでは一番最初に「愛は寛容であり」と紹介しています。そうです。愛はせっかちなものではありません。人は愛について、情熱的で、急激に燃え上がるものだと思いがちです。しかし、愛の本質は我慢強く忍耐することにあります。“忍耐”という言葉には“待つ”という意味があります。
マタイの福音書18節を見ると、王に借金をしたしもべのたとえが出てきます。このたとえは、愛を受けた人は愛を与えなければならないということを教えてくれます。また主人が最後まで忍耐し、待ってあげたことが、まさに愛であるということが分かります。
農夫は種を蒔き、実が結ばれるのを待ちます。母親は出産する時まで10ヶ月間待ちます。待つことは愛です。待つことは成熟です。最後まで待つことが愛です。待つことを知らいならば、それは愛ではありません。
一人の女性を、一人の男性を愛するとき、その人が完全であるから愛するのでしょうか。愛するだけの価値があるから愛するのではありません。私たちはみな不完全で、驚くような価値もありません。しかし、愛するならば最後まで胸に抱き続け、その人が変えられるまで待ってあげなければなりません。それが愛です。愛は待つことなのです。
「愛は寛容であり」とは、怒るのに遅いということを意味します。全く怒らないのではなく、すぐには怒らないということです。自分の基準に合わず、自分の方法通りにせず、自分の言うことを聞かない人を見れば、どれほど腹が立つでしょうか。しかし、愛するなら、きょう怒るところを明日にし、明日怒るところをあさってにするのです。これを一度少しずつ実践してみてください。
愛には怒りがありません。しかし、憎しみには怒りがあります。怒りは罪の性質です。怒りを持つようになるといつかそれが爆発します。怒りが爆発すれば、愛はガラスのように粉々に割れてしまいます。最後まで自分を節制し、コントロールしてください。愛は自己節制です。愛は自己放棄です。少しの間だけ節制し、コントロールするのではなく、長い歳月、数十年を節制し、コントロールすることで、愛が完成するのです。そして、相手を変化させるのです。節制は美しいものであり、成熟したものであり、実を結ぶものです。それがまさに寛容にこめられた意味です。

愛は親切です
第二に、愛は親切です。「親切です」とはどういう意味でしょうか。温かく素朴な、小さな愛です。偉大な愛を行っている人に対して親切だとは言わないでしょう。小さな愛、目立たない愛、あえて与えなくてもよいような愛を分かち合うとき、不思議と心が温かくなります。私たちはあまりにも“偉大な愛”の奴隷となっているのではないでしょうか。イエスの愛を見てください。イエスが分かち合われた大部分の奇蹟は素朴なものです。それを私たちがとても偉大なものととらえているだけであって、内容を見れば、イエスは私たちの弱さ、失敗を包んでくださり、温かく私たちを訪ねて来られました。
たとえば、カナンの結婚式の出来事を見てください。イエスはそこで、水をぶどう酒に変える奇蹟を行われました。実際イエスは結婚式に行かなくてもよかったのです。それでもイエスはその結婚式に行き、祝福されました。その時、主人たちの心はどれほど嬉しかったでしょうか。してもしなくてもよいことを、むしろやってみてください。病院にお見舞いに行かなくても誰も何も言いません。しかし、あえて訪ねて行くなら、患者はとても温かい愛を感じることでしょう。「ああ、この人は私を愛してくれているんだ」と思うことでしょう。これが親切です。
ザアカイを見て、そのまま通り過ぎたとしてもとやかく言う人はいませんでした。しかし、イエスはザアカイを見て「きょうはあなたの家に泊まることにしてあるから。…きょう、救いがこの家に来ました」と言われました。私たちも別に関心を持たなくても、無視してもかまわない人のところに訪ねて行き、温かいコーヒー一杯を分かち合うとき、そこに神の愛があるのです。イエスはいつもそのような素朴で小さなこと、あえて自分がしなくてもよいことを熱心にされました。マタイの福音書には親切にあふれたみことばがあります。「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです」(マタ 11:28~30)。

愛はねたみません
第三に、愛はねたみません。箴言のみことばを見てみましょう。
「憤りは残忍で、怒りはあふれ出る。しかし、ねたみの前にはだれがたちはだかることができよう」(箴 27:4)。怒りや憤りよりも、ねたみがさらに恐ろしいということです。
「何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いがあるのでしょう。あなたがたのからだの中で戦う欲望が原因ではありませんか。あなたがたは、ほしがっても自分のものにならないと、人殺しをするのです。うらやんでも手に入れることができないと、争ったり、戦ったりするのです。あなたがたのものにならないのは、あなたがたが願わないからです」(ヤコ 4:1~2)。
ねたみほどに恐ろしい感情はありません。ねたみとは強烈に燃え上がるものです。ねたみの感情に一度囚われてしまえば、私たちの顔は赤くなり、息も荒々しくなります。
ヨセフの兄たちの話はこのことを如実に語っています。初め彼らはヨセフをただからかっていました。しかし、それが競争心へと変わり、競争心はねたみとなり、ついにヨセフを深い穴に投げ入れ、エジプト人に売り払うことになってしまったのです。ねたみは放っておくと膨らみます。心の中にねたみと嫉妬があるなら、速やかに消し去ってしまってください。そうでなければ、その火は皆さんを燃やしてしまいます。パリサイ人たちもそうです。実際の彼らはそれほど悪い人々ではありません。律法の通りに生きようと努力する善良な宗教家でした。ところが、彼らはイエスにねたみと嫉妬を持つようになったのです。その嫉妬を消さなかったため、結局は十字架にまで行き着いてしまったのです。
私たちの中にも憤りとねたみと嫉妬があるものです。憤り、ねたみ、嫉妬が生じるたびに、速やかにその火を消してしまってください。そうでなければ、その火は恐ろしいものへと変わり、私たちの家庭、職場を焼き尽くしてしまいます。

愛は自慢しません
第四に、愛は自慢しません。「何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。あなたがたの間では、そのような心構えでいなさい。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としての性質をもって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました」(ピリ 2:3~8)。
イエスはどのようにされましたか。第一、イエスにはまことの放棄がありました。イエスは神そのものであられましたが、神と同等であることを特権とはみなされませんでした。私たちも私たちの特権、生活の中の特権、立場上の特権など、それらを放棄するだけでも、イエスのようになれるでしょう。第二、イエスはご自分を明け渡されました。第三、しもべの姿をとって人となられました。第四、死にまでも従われました。これがまさに自分自身を誇らないイエスの愛なのです。

愛は高慢になりません
ルカの福音書14章の8節から11節にはこうあります。「婚礼の披露宴に招かれたときには、上座にすわってはいけません。あなたより身分の高い人が、招かれているかもしれないし、あなたやその人を招いた人が来て、『この人に席を譲ってください』とあなたに言うなら、そのときあなたは恥をかいて、末席に着かなければならないでしょう。招かれるようなことがあって、行ったなら、末席に着きなさい。そうしたら、あなたを招いた人が来て、 『どうぞもっと上席にお進みください』と言うでしょう。そのときは、満座の中で面目を施すことになります。なぜなら、だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。」
愛は自分を低くすることです。愛は目につかない小さな愛を行うことです。愛は待つことです。忍耐です。愛は自慢しません。このように生きるなら、人々は私たちを見て“あの人はイエスのようだ”と言うでしょう。その人に会うだけで、“わあ、心の温かい人だな。そうだ。傷を乗り越えて、もう一度立ち上がってみよう”という気持ちになるものです。そしてその心の中には、想像もできない温い心がよみがえるはずです。
これが愛です。愛は素朴なものです。少し我慢して、怒らず、待ってあげる、特に行かなくてもいい所に行き、言わなくても損をしませんが、その人のために言ってあげることです。これがすべてです。そのとき、人々はイエスを感じ始めます。皆さんにもこのような祝福がありますように祈ります。



 

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