希望を伝える船 福野貴嗣●OM日本宣教師
みなさん初めまして。福野貴嗣と申します。2006年9月から福音宣教船ドゥロス号に乗船して約1年半、パプア・ニューギニアからこの手紙を書いています。 ドゥロス号というのは宣教団体OM(オペレーション・モービライゼーション)が運営している船で、福音を証ししながら世界の国々を周っています。1977年の就航以来、現在までに全世界100カ国以上を周り、2,000万人以上の人々が船を訪問しました。日本にも2007年の春に寄港しましたので、来られた方もいらっしゃるかもしれません。船の目的は主に三つ。船上にある書店を通して世界に知識を普及すること、実際的な支援・援助、そして神様にある本当の希望を伝えることです。世界中50カ国以上からボランティアとして乗船している約350人のクリスチャン乗組員が、港ごとに地域へ出て行き、地元の教会と協力して福音を証しします。乗組員は全員、船上で各部署に配属されて仕事を受け持ちます。僕は乗船以来ずっと船上書店で奉仕しています。 今はパプア・ニューギニアに寄港しています。この国には自然がそのままの形で残っており、今までに訪問した国で一番と言っていいほどの美しい国です。しかし驚いたことに、この国で二番目の町でさえ、本屋と呼べるものは一軒も無く、彼らの本に対するニーズは僕たちの想像を遥かに越えるものでした。日本のみなさんには想像できないかもしれませんが、船上の小さな本屋に来るために、長い列を5時間も待って、それでもみんな満足して帰って行きます。あるお客さんは、「本を手に入れることができたのは、前回ドゥロスが来て以来だ」と言っていました。また、地元の学校から先生方が来て、学校の図書館のために大量に本を購入していく姿も多く見られました。そして、この国はクリスチャンが多いため、聖書の売れ行きも驚くべきものでした。1,000冊以上の聖書が一日で売れたこともあります。今まで自分の聖書を持つことができなかった人が、初めて聖書を手にする。私たちにとってもこんなに嬉しいことはありません。 そして僕はこの国で10日間、島の奥地にミニストリーに行く機会が与えられました。毎日トラックに乗って一つずつ小さな村を周り、聖書や信仰書を販売し、教会や学校、病院で集会を持ちました。電気も水道も無く、毎日川で体を洗い、川で洗濯し、川でトイレをし、川の水を飲む生活。体力的には大変でしたが、貴重な体験ができ、彼らから多くのことを学んだように思えます。最終日の夜の集会は特に心に残るものでした。山奥の全寮制の学校でのプログラム。停電のせいで、真っ暗な中、星空の下で数百人の生徒に、伝道と宣教へのチャレンジを行いました。彼らの中には、お酒や麻薬で生活が荒れている生徒がたくさんいます。そんな彼らに僕たちは、ドラマやマイム、メッセージを通して、本当の希望はイエス様にしかないことを伝えました。僕は日本について証しすることを頼まれ、日本でも同じように本当の希望、生きる意味を探している若者が多いこと、お金や立派な家があってもそれは人生に何の意味ももたらさないことなどを話しました。真っ暗な中、彼らが真剣に僕たちの話に聞き入っているのが分かりました。僕たちチームの証しや話に心を打たれた様子でした。結局その夜、3人の生徒がイエス様を受け入れる決心をし、約20人の生徒が新たに人生をイエス様にささげる決心をしました。集会の後、僕たちに話を聞いてもらい、祈ってもらうため、僕たちの前には生徒たちの列ができていました。 ドゥロス号での働きを通して、様々な国で様々な人に出会い、様々な出来事を体験しています。とても書ききれないストーリーが山のようにあります。しかしどこに行っても変わらないことは、「神様は偉大であり、必ず働かれる」ということ。そして、その同じ神様が、日本という国でも必ず働かれるということです。どうかみなさんも日本の国から、世界宣教のためにお祈りください!
¦ ドゥロス号全体の祈祷課題 ¦ 1. 今後、寄港予定の国での働きのため 2. ドゥロス号を迎える準備をしているチームの働きのため。
¦ ドゥロス号に乗船している日本人のための祈祷課題 ¦ 1. これから日本に帰国予定の兄弟、姉妹たちの健康と今後の進路のために。 2. ドゥロス号に乗船中の日本人の訓練と働きのために。
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