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日本プロテスタント宣教150周年を迎えて
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日韓十字架論 |
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日韓十字架論 弁護士 ● 佐々木満男
1. 韓国キリスト教のとてつもない影響力 「あの何十年も停滞していた教会に火がついて、若い人がどんどん増え、最近は路傍伝道をやっているそうです!」何度か訪問してその教会の実情を知っている私は、それを聞いて非常に驚きました。「えっ!一体何が起こったのですか。とても信じられません!」と訊ねると、「韓国人の牧師を迎えてから、教会にリバイバルが起きたようです。今は都心のど真ん中に教会堂を建てるために土地を探しています」と言うではありませんか。「死んでいた教会が生き返った!」と言うほかありません。 私は、東京の浅草という、キリスト教とは全く無縁の下町に生まれ育ちました。「キリスト教は欧米の宗教である」と信じ切っていました。大学生になって初めてキリスト教と出会いましたが、自分が入信することなど、夢にも思いませんでした。弁護士になってから、オーストラリアに留学し、そこでクリスチャンのグループの仲間に入れてもらいました。熱心に聖書を学びましたが、「自分は日本人だし、家は仏教だから、クリスチャンになるなんてありえない」と思っていました。そこでも、キリスト教は欧米の宗教だという固定観念が邪魔をしていました。 しかし、日本に帰国してからも聖書を学んでいるうちに、韓国における目覚しいリバイバルを知りました。「なぜ西欧の宗教が、東洋の隣の国、韓国では大きく広まっているのだろうか?」その事実に非常に興味をそそられました。韓国のクリスチャンの本を読んだり、韓国の牧師のメッセージを聞くと、なぜか生きる力が強く湧いてきます。特に、彼らの力強い祈りには圧倒されました。また、聖らかな賛美に感動しました。「韓国の人たちが大勢信じているのに、なぜ日本人が信じないのだろうか。」こうして、私は「キリスト教は欧米の宗教である」という固定観念から解放され、ついに、イエス・キリストを自分の救い主として受け入れることができたのです。 以後、「韓国のクリスチャンに倣って、もっと徹底して祈ろう!」と、数人の仲間と社会人の祈祷会を組織し、毎週木曜日に欠かさず祈りに打ち込んできました。週一日では十分ではないと、火曜日、日曜日の夜の祈祷会、金曜日の徹夜祈祷会、月曜から土曜までの早朝祈祷会と、祈りの炎が燃え上がってきました。その流れの中で、インターナショナルVIPクラブが生まれ、今も世界中に広がりをみせています。韓国にも十箇所以上で定期集会が行われています。最近では、国会議員を巻き込んだ大きなクリスマス集会に、韓国の牧師や議員の方々にも参加していただいています。 まことに、韓国キリスト教の日本に与えてきた影響力は計り知ることができません。 しかし、韓国に親しみを覚えると同時に、これまでの日韓の悲しい歴史についても知るようになりました。韓国人の被害者意識と日本人の加害者意識が交錯して、私自身はどうしても韓国を訪れる気持ちが湧いてきませんでした。そんな私の気持ちを察して、三年前に親しい韓国人宣教師の方が、半ば強引に私を韓国に連れて行ってくれたのです。韓国の教会やクリスチャンの団体を訪問していくうちに、気持ちのわだかまりが解けて、韓国の人たちと心から親しく打ち解けることができました。なんと、昨年は五回も韓国を訪問しました。 一昨年から始まった、オンヌリ教会のラブソナタ、CEOフォーラム、CGNテレビのすばらしい活動と働きに積極的に参加して、ますます韓国のクリスチャンの良い影響を受けながら、私を含めて日本人の多くが、韓国を好きになり、韓国人を愛するようになってきました。これは被害者側の韓国の皆さんが先ず、加害者側の日本を愛し日本人を好きになってくれたおかげです。
2. 日韓十字架論 韓国では、もともと「ハナニム」という一神教が信じられていました。それもあってか、韓国人は「垂直型、激情タイプの民族」だと思います。これに対して、日本人は、八百万の神を拝み、世間体を気にする、「水平型、仲良しタイプの民族」です。十字架にたとえれば、韓国人は縦の木で、日本人は横の木です。 「心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神を愛しなさい。」「自分を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい。」この二本の柱が、聖書の真髄を構築しています。神を激しく愛する垂直型韓国人と、隣人をこよなく愛する水平型日本人が、十字架の縦の木と横の木として、固く結び合わされたなら、本物の十字架が完成するのではないでしょうか。 日本と韓国は、「最も近くて最も遠い国」と言われてきました。それは、日本と韓国との間に本当の愛がなかったからだと思います。キリストの十字架の愛によって、正反対の特性を持つ日本民族と韓国民族が一つに結ばれたならば、まず日本にリバイバルが起こり、とてつもない神の働きが世界中に展開していくものと信じています。 プロテスタント日本宣教150周年を迎え、日本と韓国のクリスチャンがキリストの愛によって固く結び合わされることが、これからの日本のリバイバルそして世界の福音化のための大きなキーポイントではないかと思います。
佐々木満男(弁護士) 東京大学法学部卒(法学士)、オーストラリアMonash University(LL.M.)卒。宇宙開発、M&A、特許紛争などさまざまな国際的ビジネスに関わる法律問題に取り組む。「どんなことにもくよくよするな!」サイト出版(著者)、「命のメッセージ」一粒社(監修)。
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