高橋めぐみ●アンテオケ宣教会
アンテオケ宣教会より派遣されている高橋めぐみです。2000年に日本を出発してここでの働きはもう8年になろうとしています。父は関西聖書学院で30年余り奉仕していました。3年前に大阪の生駒市に移転しましたが、最初の建物はスウェーデンの宣教師によって兵庫県西宮市に建てられ、私たち家族はその建物の3階にずい分長い間住んでいました。いつも近くに宣教師がいる環境でしたが、このことは宣教師となっている今とても役立っています。遣わされてくる宣教師と現地の働き人の間の、ちがいによって生じてくる様々な葛藤、特に経済的な問題。今私は日本より多くのサポートを携えて現地の働き人と共に働きを進めていますが、逆の立場を少しは理解できるように思います。まさか宣教師になるとは夢にも思っていませんでしたが、神様のご計画が背後にありました。 私は現在西カリマンタン州のアンジュンガンという村でATI(主の僕)神学校の教師として奉仕をしています。インドネシアはイスラム教徒が大多数の国ですが、多くの島々の中でここカリマンタン島は比較的キリスト教徒が多い島です。法律で宗教の登録が義務付けられているため、原住のダヤク族はほとんどプロテスタントかカトリックで登録しています。しかしながら多くの人々はまだ新生していません。病気や困ったときにはドゥクンと呼ばれるまじない師のところに行き、様々な儀礼は偶像礼拝と深く関わっています。賭け事、姦淫、憎しみ、争いと生活はイエス・キリストによって変えられていません。なぜなら、牧師などの霊的リーダーが奥地に行くほど不足し、彼らは教え導かれていないからです。厳しい生活条件のもと、そこで仕えたいと願う働き人は多くはないのです。ATI(主の僕)神学校では5年半の学びと訓練を経て働き人をそれぞれの地へと毎年遣わしています。現在約160名の学生がいます。彼らは神学校に入学してきた頃は幼く頼りないのですが、きびしい訓練と学びを経て本当にたくましく変えられていきます。 神学校での奉仕の他に、卒業生たちを3つの中学・高校生寮、1つの大学生寮そしてプニティという場所にある教会に遣わして、そこでの宣教の働きも進めています。働きは多岐にわたり頭が痛いこともしばしばですが、鍵は「弟子づくり」で、神様の導きの中で、前代の宣教師たちの働きを引き継ぎつつ、働きは着実に広がっています。 ここカリマンタンでは寮を通しての宣教が効果的です。カリマンタンは広大で道路網がまだまだ整っておらず、学校の数もまだまだ不足しています。奥地の村の子どもたちは通学が困難なので、普通は学校の近くの民家にホームステイして家事を手伝いながら通学しています。そのような状況の中で寮生活を通してみことばが教えられ、個人的にフォローアップされて確実に新生していくことはとても重要です。また寮の存在を通して地域と関わり伝道していくことができます。 困難や払う犠牲はたくさんあります。奥地に教師も牧師も行きたがらないのはそれなりに理由があるのです。物価が高く、また交通路も整っておらず、何時間も川を舟で上っていかなければなりません。時間もお金もかかります。電気や電話などのない不便さ、食事の貧しさ、それに加えて村の人々の古い習慣、考え方は簡単には変わらず、犠牲のわりには報われないという思いに襲われることがしばしばあります。しかし、そのような中で大きな喜びは、やはり「人がキリストによって変えられていくこと」です。子どもたちが神様を心から賛美し礼拝する姿、仕える者に変えられた姿は何よりの報いであり、これらの働きを続けていく力となります。 福音によってカリマンタン島が変えられ、悪しき力から解放されるように。神学校と寮の働きを通してイエス様の弟子たちが輩出されていくように。地方教会が自立して、与え仕えていく者になることができるように、どうぞ祈って支えてくださいますようお願いいたします。
¦ 祈りの課題 ¦ 1. 福音によってカリマンタン島が変えられていくように。 2. 悪しき力から解放されるように。 3. 神学校と寮の働きを通してイエス様の弟子たちが輩出されていくように。 4. 地方教会が自立して与え、仕えていくものになることができるように。
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