ジョン・マタイ、イ・ウンスク 大韓イエス教長老会(合神)、インターサーブコリア 派遣宣教師
2013年9月22日、協力牧師として仕えていた教会の朝の礼拝が終わる頃、タリバンの2人のテロリストが教会の庭で自爆テロを起こしました。これにより98人の信徒が死に、144人が負傷しました。53人が孤児になり、23人の男女が配偶者を失ったこの事件は、パキスタン史上、単一教会で発生したテロの中で最大規模でした。その後、私と妻はテロによる負傷者や孤児をはじめ、遺族たちに仕えることに全力を注ぎました。パキスタンでは、クリスチャンになった瞬間、あらゆる差別を受けます。自爆テロが彼らにもたらした絶望は、想像以上のものでした。私たち夫婦はルカの福音書10章25~37節のみことばを黙想しました。強盗に襲われて半殺しにされた者のようになった彼らを自分自身のように愛し、あわれむことを神様が望んでおられるのだと思い、みことばを握って40日間、昼も夜も被害家族を訪問し、慰めました。 彼らは「今も両親と兄弟姉妹の悲鳴が聞こえます。血の匂いがするような気がします」と訴えたりもしますが、90%以上の被害者たちは、「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ 23:34)と主が十字架上でささげた祈りをともに黙想し、自爆テロを行った者たちを赦すことを涙ながらに決断しました。 私たちはそのような彼らを見て、さらに大きなチャレンジを受けました。そして、回復のためのカウンセリングや孤児のための学費補助、重傷者の治療費支援と生計支援のために祈り、仕えています。世は彼らを忘れかけていますが、残された人々の痛みを見ながら、私たちは生涯をこのためにささげる決意をしました。 去年の4月12日、私が宗教主任として仕えているフォーモン・クリスチャン大学で、「トラウマ・ケアセンター設立のための一日ワークショップ」を開きました。約60人のクリスチャン指導者とイスラム指導者たちが参加し、テロ被害者を助けるための方法を議論しました。多くのパキスタンのイスラム教徒もまた、テロと暴力によって死んでいます。種族や宗教に関係なく、苦しんでいる隣人を助けなさいという神の御心を感じます。その御心が、パキスタンのすべてのたましいに伝えられるまで、私たちの情熱が冷めませんように。
| 国家情報 | 南アジアにあるパキスタンの正式名称は、パキスタン・イスラム共和国です。人口は約2億8千万人で、首都はイスラマバードです。南側はアラビア海と接し、西側からイラン、アフガニスタン、中国、インドと国境を接しています。1947年、イギリスから独立した時、ヒンドゥー圏のインドと合併しようとしましたが、宗教的な理由により東・西パキスタンが独立しました。1971年には東パキスタンがバングラデシュとして独立しました。世界第7位の軍事力及び核兵器生産能力を保有していますが、経済的には最貧国の一つで飢餓問題が深刻です。人口の97%がイスラム教徒であり、ヒンドゥー教・キリスト教などの少数宗教に対してイスラム原理主義者たちの激しい弾圧があります。
| 祈りの情報 | パキスタンは、インドネシアに次いで2番目にイスラム教徒が多い国です。クリスチャンは2%にもならず、激しい差別を受けています。進歩と保守のイスラム教徒間の神学的・政治的・社会的対立が続いており、その過程でクリスチャンなどがテロの標的として犠牲になりました。特に9.11テロ以降、タリバンのような過激派イスラムテロ集団が頻繁にテロを行い、パキスタンではテロが増え続けています。被害者と遺族のために実質的な助けが行き渡り、何よりも彼らが主に出会って慰められるように祈りましょう。
| ジョン・マタイ、イ・ウンスク宣教師の祈りの課題 | 1.トラウマ・ケアセンター設立のためのワークショップ後に結成された専門委員会が、NGOと協力してテロ被害者たちを効果的に助けられるように。 2.フォーモン・クリスチャン大学の学生の中で、授業料を払えなくて学業を中断しなければならない学生たちに、経済的な助けが提供され、学業を終えることができるように。 3.フォーモン・クリスチャン大学の学生たちが、パキスタンを回復し、世界の国々を祝福するキリストの弟子として立てられるように。
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