イエス様が教えられた弟子の道 [ マタイの福音書16章24~28節 ]

   マタイの福音書の恵み 101
 
オンヌリ教会 前主任牧師 故 ハ・ヨンジョ

それから、イエスは弟子たちに言われた。
「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、
自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい」(マタ 16:24)


きょうのみことばは、イエス様がペテロに真の弟子の道を示してくださる内容です。弟子たちは、忠実にイエス様に従い、献身と犠牲を惜しみませんでした。しかし、それは、イエス様からすれば真の弟子の道ではありませんでした。それで、真の弟子の道とはどういうものかを教えてくださるのが、マタイの福音書16章24節のみことばです。

古い人を捨てること
では、真の弟子の道とは、どのような道でしょうか。第一に、自分を捨てる道です。イエス様に従うことは、自分を捨てることから始まります。自分を捨てない人は、今でも入口でさ迷っている人です。どんなときでも問題になるのは、環境ではなく、自分自身です。最も決定的な妨げは「自分」なのです。多くの人は、自分に勝つことができません。「捨てる」とは、すべての関係との断絶を意味します。ですから、「自分を捨てる」とは、自分とのすべての関係を断絶するということです。
霊的な意味で、それは、古い自分の死を意味します。エペソ人への手紙で「情欲によって滅びて行く古い人を脱ぎ捨てるべきこと、またあなたがたが心の霊において新しくされ、真理に基づく義と聖をもって神にかたどり造り出された、新しい人を身に着るべき」だと言われています(エペ 4:22~24)。古い自分が死ななければ、新しい人に生まれ変わることができません。古い自分が死んでこそ、新しい人の服を着、私が死んでこそ、神様が生きられ、自分の夢を失ってこそ、神様の夢が成し遂げられます。霊の人にならなければ、決して真実な弟子になることはできません。
人はみな、生まれながら御怒りを受けるべき子らです(エペ 2:3)。罪と罪過の中に死んでいた存在です。そのような罪に染まったからだで、どうして主の御心どおりに生き、主の弟子になることができるでしょうか。古い自分が死なないで、どうして神の働きをすることができるでしょうか。自分を捨てなさいというのは、肉の人が死ななければならないという意味です。「いのちを与えるのは御霊です。肉は何の益ももたらしません」(ヨハ 6:63)。

自己否定と神肯定
また、自分を捨てるとは、神様を積極的に肯定することを意味します。自分の人生の主人は、私ではなく神様であることを全面的に認めるのです。神様を自分の主人としてお迎えし、その方に治めていただく人生こそが、自分を捨てた人生なのです。自分を殺すことは、とても苦しいことです。人は自分を殺すことができません。しかし、神様を王としてお迎えすれば、自然に自分が死にます。
多くの人々は、イエス様を信じ、神様の子として聖くなり、幸せになり、力強く生きることを願います。しかし、しばらくして失敗する最大の理由は、ほかのものはすべて捨てても、自分を捨てられないからです。自分を捨てることほど難しいことはありません。それがいかに大変で苦しいかということを、パウロは次のように告白しています。
「私のからだの中には異なった律法があって、それが私の心の律法に対して戦いをいどみ、私を、からだの中にある罪の律法のとりこにしているのを見いだすのです。私は、ほんとうにみじめな人間です。だれがこの死の、からだから、私を救い出してくれるのでしょうか」(ロマ 7:23~24)。
実際、これは正直な信仰者の告白です。本当にイエス様を信じ、正直に神様に従おうとする人の内面的な悩みです。「私は、ほんとうにみじめな人間だ。私の心の中の片隅には、神様に仕えたいという願いがあるが、もう一方では、罪の律法が私をとりこにしているのがわかる。この二つの法が私の心の中で限りなく争っているのを見いだす」という悩みです。これは、「自分」が生きているからです。
イエス様の弟子たちは、3年間、イエス様と苦楽をともにし、直接イエス様のみことばを聞き、奇蹟も体験しました。それなのに、彼らは全く変わりませんでした。そんな彼らが、五旬節の日に聖霊が下ったとき、初めて目覚めました。ここで私たちは、すばらしい一つの真理を見いだすことができます。どのようにしたら自分を捨てることができるかということです。それは、自分の力ではできません。知性や道徳性、意志、教養などによっては人は変わりません。聖霊の油そそぎを受けるとき、聖霊が臨んだとき初めて、私たちは新しく生まれ変わり、変化し、霊的に目ざめることができるのです。
私たちはすべて、聖霊を受けなければなりません。本当に砕かれ、変化し、新しく生まれ変わらなければなりません。聖霊を慕い求めてください。自分が変わることを切実に祈り求めましょう。自分の力では、自分を捨てることはできません。自分の力では、我を折ることはできません。上から神様の恵みが臨んだとき、弟子たちが変わり始めたように、私たちも変わることができるのです。
第二に、真の弟子の道は、自分の十字架を負う道です。自分の十字架を負うとは、どういうことでしょうか。これは、イエス様が、罪がないのに人類の罪のために十字架で死なれたように、私たちもこの世で生きながら、イエス様のための苦しみや犠牲を甘んじて受けることを意味します。イエス様も十字架を負うことは、決して簡単ではありませんでした。苦しい道であり、避けたい道でした。それで、十字架を負う前にゲツセマネの園で祈ったとき、「わが父よ。できますならば、この杯をわたしから過ぎ去らせてください」(マタ 26:39)と祈られました。これが十字架です。イエス様は、私たち一人ひとりに自分が負うべき十字架があると言われました。私たちは、日々、自分の生活の中で十字架を負わなければなりません。
このような意味で、イエス様の弟子とは、ほかの人の過ちによる苦難を代わりに負う人だと言えます。家庭の中にも、先祖の代々受け継がれてきたのろいがあります。クリスチャンが一人、その家庭に誕生すると、その人がそのすべてののろいを引き受けます。イエス様を信じない家庭の中で、10年、20年と涙を流しながら聖書を読み、陰で祈り、家庭を守るのです。これが、日々、自分の十字架を負うことです。
では、どのような人が、このような十字架を負うことができるでしょうか。五旬節の日のことを考えてみましょう。イエス様の弟子たちは、聖霊を受けてはじめて、根本的に人生が変わり始めましたが、だからといって、彼らの道徳的な水準が急に高くなったわけではありません。知性が急に変わったわけでもありません。聖霊を受けただけです。聖霊を受けた弟子たちは、イエス様がおられたときよりも、従順にイエス様の歩みにならって生き、殉教の死まで遂げました。聖霊を受けた人は自分を捨てることができ、日々、自分の十字架を負うことができるのです。
第三に、真の弟子の道は、イエス様について行き、従う人です。「わたしについて来なさい」とイエス様が言われたとき、従う人もいれば、拒む人、「考えてみます」という人もいるでしょう。しかし、イエス様が呼ばれるとき、「はい」と答える忠実なしもべが、真の弟子です。イエス様が願われる人生を選ぶことが、弟子の道なのです。
イエス様は、今、私たちに「わたしについて来なさい」と語っておられます。主のために生きなさいという意味です。真の弟子の道は、イエス様の至上命令に、「主よ、従います」と答えることです。どんな状況にあったとしても、言い訳をせず、その召しに従うなら、その状況の中で主に従うことができる道があるということを見いだすことができるでしょう。
イエス様の真の弟子になるためには、自分を捨て、日々、自分の十字架を負い、従わなければなりません。「わたしに仕えるというのなら、その人はわたしについて来なさい。わたしがいる所に、わたしに仕える者もいるべきです。もしわたしに仕えるなら、父はその人に報いてくださいます」(ヨハ 12:26)。

 

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