QTをどのように定義するべきか

   QTと信仰 3
 
イ・ギフン  オンヌリ教会 副牧師、QT養育部 部長


ポストモダン時代に、クリスチャンの霊性を追求する方法としてQTを活用するためには、どうしたらよいでしょうか。今回は、この問いに答えながらQTを定義してみようと思います。

神と関係を結ぶQT
神によって創造された人間は、神と人格的な関係を結ぶ必要があります。なぜなら、人間は神との関係の中でのみ存在の意味を見いだすことができるからです。神は、人間と交わるために人間を創造されました。神と関係を結ぶ方法は多様ですが、キリスト教の信仰は聖書に基づくので、聖書を通して神に出会う方法を無視することはできません。その一つがQTです。QTをする人は、聖書を通して語られる主の御声を聞きます。神は聖書を通してQTをする人にロゴス(logos)とレーマ(rhema)を与えられます。ロゴスは記録されたみことばで、レーマは個人的に聞くみことばですが、QTではこの両方を味わうことができます。このように、私たちはQTをするとき、聖書と聖霊を通して神と交わることができます。聖書を読み、黙想することは、神との関係の中にとどまるだけでなく、私たちに対する神の目的を理解できるよう助けます。

信仰的な省察としてのQT
QTは、聖書のことばを通して自らを省察する過程であり、自分自身と「批評的な対話」をすることです。批評的な対話とは、個人や共同体の考えや価値観、行動様式を固着化させないように、心を開いて個人と共同体のすべてのことを主のことばに照らす行為です。また信仰的な省察は、日常生活で直面することの霊的な意味や神の御心を見いだす方法です。QTをすれば、黙想を通して得た洞察力と知識をもって神の御前で自分自身を振り返ることができます。これは、聖書をもとにして、現在の自分の暮らしぶりや共同体、そして世界を見る作業です。ですから、QTは、個人はもちろん家庭や教会の中で発生する多様な状況や問題に対して、信仰的な解決策を得る助けとなります。

人生の主権を聖霊にささげるQT
QTにおける聖霊の役割は、たいへん重要です。聖霊は、QTをする人に聖書を理解させ、悟らせるだけでなく、黙想したみことばに対して決断し、適用できるよう助けてくださいます。聖霊の助けなしにQTを正しくすることはできないので、QTをするときは聖霊に助けを求めなければなりません。人生の主権を聖霊にささげる第一の行為は、聖書を信仰と人生の標準として、神の導きを受けようとする基本的な態度を持つことです。第二の行為は、神が黙想を通して与えてくださる聖書の勧め、つまり神が指摘される罪と問題の解決法として示してくださる方法、そして成熟した人生のための勧めを自分のものとして受け入れることです。神の勧めを受け入れることは、聖霊の主権を認めることです。第三の行為は、黙想したみことばを実生活に適用することです。これがみことばに従って歩む人生であり、同時に聖霊に従って歩む人生です。QTをすれば、大衆が好む世の見解によって判断し、行動しようとする誘惑に打ち勝つことができます。

教会共同体の成熟を追求するQT
QTはいたって個人的ですが、QTをした内容を共同体で分かち合うことができます。教会でスモールグループの集まりに出て、互いにQTをした内容を分かち合うとき、ほかの信徒に励ましやチャレンジを与えるだけでなく、洞察力も得て、自分の黙想を客観的に判断する機会にもなります。すなわち、QTは、個人と教会共同体を同時に成熟させる霊性の道具なのです。またQTは、教会の中で起こる多様な問題に対して聖書的に考え、選択し、判断し、決定する場になります。教会共同体のメンバーが信仰的に考える訓練が足りないときは、教会の中で起こる問題に対して適切に対応することが難しくなります。しかし、聖書の黙想を通して問題に対する解決策を見いだそうと努力するQTは、教会共同体を成熟させるのに役立ちます。これは、QTが自己中心的な信仰を超えて、キリストのからだである教会共同体が一つになるための信仰形成を助けるということを意味します。

社会に貢献するQT
QTは、教会が社会を敵対視せず、教会によって新しくされるべき救いと宣教、奉仕、教育の対象とみなすようにします。QTは、公共神学が追求している核心価値でもあります。すなわち、教会の中では使命を受けた者であり、みことばの管理者として献身し、教会の外の公的な領域では信仰を実践することを要求します。またQTは、適用を通して、キリストが弟子たちに命じられたように、弱い者を助け、病んだ者をいやし、福音を宣べ伝え、罪を赦すことを実践させます。ですから、QTをする人は、聖書の主題からきょうの歩みについて学ぶべきことを見いだし、その主題を自分自身の歩みに適用しようと努力します。QTは、聖書と世の中の歩みを結びつけ、福音を生き生きとしたものにします。ポストモダニズム社会において、QTは、みことばの適用を通して聖徒を社会に参与させ、神の国の拡大に貢献するよう助けます。

 

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