SNSを用いて伝道するために

   福音であるイエス・キリスト
 
日本CGNTV スタッフ 西田かおり


私たちクリスチャンが伝道のために発信している情報は、ノンクリスチャンの方々が目にするとき、果たしてフォローして、もっと見たいと思うような魅力があるでしょうか。
もちろん福音がすべての人に必要なグッド・ニュースであることは紛れもない事実です。しかし、その素晴らしい福音を、私たちはどのような方法で人々に届けているか、一度立ち止まって考えてみたいと思います。
このようなことを考えるようになったきっかけは、日本CGNTVが11年目を迎え、ようやく昨年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を用いた宣教方法を模索するチームを新設したことです。
もちろん、メディアと言っても、福音を伝える際に用いるツールにはさまざまなものがあります。広い意味では、人々の間で仲立ちの役割をするすべてのものをメディアと呼ぶことができますが、ここでは特に、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなど、教会や個人の働きの中で気軽に始められて、不特定多数の人々に影響を与える可能性のあるSNSについて、話したいと思います。
今の時代は、話題性のある動画が信じられないスピードで拡散していきます。おしゃれな一般人が上手にインスタグラムを使いこなして話題になることもあります。では、宣教のために発信された情報で、そのように話題になったものが思い浮かぶでしょうか。残念ながら、思い浮かぶものはほとんどありません。その大きな要因の一つに、日本のキリスト教界の現状として、メディアに対する疎さ、変化に対する考え方の固さ、という問題が横たわっているのではないかと思います。
ここで、メディアの変化の一例を見てみましょう。SNSはタイムライン(時間軸)があるため、古い情報はあっという間に過去のものとなり、常に最新情報が先頭にくる仕組みです。特に字数制限のあるツイッターが一定の地位を得るようになってからは、短くて有益な情報を得たいというニーズが一層強くなり、ブログなどの日記形式の長文のものは、目にされにくくなっています。
最近は文字メディアだけでなく、動画でも同じような傾向が見られます。動画を目にすることが珍しくなくなった今、最初の数秒で目を引き、続きを見たくなるような端的なものでないと、なかなか見てもらえなくなっています。
そう考えると、発信する内容が人々の目にどのように映るのかを客観的に眺めた上で、本当に重要な内容がぎゅっと詰まったものなのかどうかを確認することが大切になってきます。
このように、時代の変化に即した方法で宣教を進める必要がある反面、いざ取り組むとなかなかうまくいかないのは、CGNTVでも同じです。現在、力を注いでいるフェイスブックの取り組みも、まさに試行錯誤のくり返しです。
過去の放送コンテンツを1分と短くまとめ直して投稿した動画は、全編フル放送された際に反響が大きくなかったものも、人々の目に触れる機会が格段に上がりました。同じ内容でも、届ける相手に対して適切なラッピングを施すと、届きやすくなるということがわかった良い例です。また、賛美動画「いきひびけ」は、関係伝道に近い手法を用いて制作しました。若い世代の出演者を起用したことで、出演者の友だちから友だちへとSNSを介して芋づる式に拡散していく様子が見受けられました。
一方、みことばの入った写真を毎日アップするプロジェクト、「あさみこ!」は、始めた頃は好調でしたが、2ヶ月過ぎたあたりから少しずつ減り、3ヶ月経った頃には人々が流し読みするようなコンテンツとなってしまいました。
結局、一度うまく行った方法が、その先も良い方法であるとは限らないのです。変化の激しいメディアに関しては、常に謙遜に新しい気持ちで学び、研究し、戦略を立て続ける必要があります。その際に気をつけるべきことは、「世の中にあるものはすべて悪」という短絡的な判断をしていないかということです。メディアは用いられ方によって、悪にもなれば、益にもなります。それらを宣教や伝道のために聖く用いていく作業こそ、私たちに与えられた責任ではないでしょうか。人々が好んで目にするもの、その方法、行動など、世の中にある手法から学ぶことは、たくさんあります。「世的なもの」という色眼鏡で見て、思考を止めてしまうことほど、もったいないことはありません。その色眼鏡を取り外すことは、「何とかして幾人かでも救うため」にパウロがすべての人に、すべてのものとなった、という精神と同様だと思うのです。
福音には価値があり、すべての人に必要だからこそ、自分の発信しているメディアを客観的にとらえ、受け取る側の立場を想像することは何より重要です。せっかく一生懸命発信したとしても、相手に届かなければ、福音の種が人々の心に蒔かれません。ですから、日々変化するメディアに対して常に柔軟な考えを持ちたいと思います。それが日本のメディア宣教が前進していく道だと思うのです。

 

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