聖書的な妻 講座[第6課] 結婚

   神の夢がある家庭
 
トーチ・トリニティ神学大学 教授 イ・キボク


「神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。『生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ』」(創 1:27~28)。

結婚は、創造主なる神様が造られた神聖な制度です。人間の創造と同時に男と女とに創造され、ふたりが一緒に家庭を築いて生きるようにされました。ですから、結婚は神様の御心を内包しています。神様が約束された驚くべき祝福が内在しているのです。反面、サタンは、いろいろな模様や戦略によって熾烈に結婚と家庭を壊そうとしています。個人主義、男尊女卑、お金、性的堕落、悪しき文化、同性愛、気軽な離婚……。そのようなものによって、家庭は、いとも簡単に壊れています。家庭に対する攻撃は、神の国に対する攻撃です。家庭が壊れれば、人間性が崩れていきます。家庭は保護されなければなりません。どんなに時代が変わっても、家庭は尊く守られ、救われ、勝利しなければなりません。
最近、結婚をしない若者や、結婚を遅らせる若者が増えてきました。結婚よりも自分の仕事や経歴を優先させるのです。しかし、人生において何がもっと重要なのかを決定する知恵が必要です。結婚も重要な使命の一つであるという視点を持たなければなりません。結婚して、家庭の中で、真の幸せと人生の意義と召命を成し遂げなければなりません。親は、子どもが幼い頃から結婚と家庭の大切さを教えてあげなければなりません。また、親が幸せな結婚のモデルを見せてあげなければなりません。夫は妻を大切にし、愛する姿を見せ、妻は夫を支え、励まし、愛する姿を見せなければなりません。特に、母であり妻である女性が、家庭を守るためにいつも祈り、霊的に目ざめていなければなりません。世の誘惑から夫を守り、世の悪から子どもたちを守るために、いつも祈りを積まなければなりません。家庭をしっかりと守ることが、神の国を守り、広げていくことだという使命感を持ってください。

1. 結婚の必須ビタミン
神様は、三位一体で存在されます。御父と御子と御霊は、三つの人格であり、同時に完全に一つであられます。そのような三位一体の神様の神秘的な品性を、夫と妻の中に垣間見ることができます。夫と妻は、それぞれ別の人格でありながら、同時に一つのからだをなす存在なのです。
「イエスは答えて言われた。『創造者は、初めから人を男と女に造って、“それゆえ、人は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となる”と言われたのです。それを、あなたがたは読んだことがないのですか』」(マタ 19:4~5)。「『それゆえ、人は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となる。』この奥義は偉大です。私は、キリストと教会とをさして言っているのです」(エペ 5:31~32)。
夫と妻のふたりが一つになるということは、非常に重要でありながらも、実に難しいことです。一つになるということは、個性が抹消されるということではありません。ひとりの人が、ほかのだれかを抑圧したり、統制することによって一つになるのではありません。個性をなくして画一的に一つになるのでもありません。一つになるというのは、オーケストラがそれぞれ別の楽器で別の音を出しながらも、美しい一つのメロディーを奏でるようなものです。また、からだが、それぞれ別の器官が集まって機能しながらも、一つのからだをなしているようなものです。夫と妻は、それぞれの役割と機能を果たしつつ、互いに一つとなって家庭を作り上げていかなければなりません。

では、夫婦一体を成し遂げるために欠かせない必須ビタミンとは何でしょうか。一つ一つ見ていきましょう。

結婚に対する献身 結婚は誓約(covenant)です。ふたりが互いに向かって約束することではなく、神様に約束することです。最後まで愛して結婚を守るということを、神様に誓約することなのです。ですから、結婚は献身(commitment)です。私の結婚を最後まで守ることができるように助けてくださいと、祈ってください。世では離婚について簡単に考えますが、神様は結婚は破ることができないものだと宣言しておられます。「それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません」(マタ 19:6)。
愛 愛は、ロマンや感情ではありません。愛は、性的な魅力でもありません。愛は、意志であり、責任感であり、尊重であり、決断です。結婚と同時に、配偶者を最後まで愛することを、意志を持って決断するのです。また、愛は抽象的な概念ではなく、具体的な行動であり、表現です。感情が伴わなくても愛していると表現し、花束や温かいティーなどを心を込めて準備する行動が、愛なのです。そのような行動を実践するなら、愛の感情も伴うようになっています。きょう、愛を表現しましょう。夫婦間で行動によって愛を表現してみましょう。
利他的な心 夫婦が一つになるためには、利他的な心がなければなりません。相手を配慮する心、自分の必要よりもまず配偶者の必要を考える心、相手に譲る心を持つことさえできれば、結婚生活の中で夫婦は一つとなることができます。利他的な心は、夫婦を一つにするための潤滑油のような役割を果たします。またそれは、愛の性質でもあります。愛は「礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わ」(Ⅰコリ 13:5)ないものだと聖書も言っています。
まず、自分自身を振り返ってみてください。あなたは利他的でしょうか。それとも、利己的でしょうか。私たちは、本性的に利己的な存在です。しかし、だれが先に利他的な態度を示すことができるでしょうか。それは、先にイエス様を信じ、聖霊を受けたあなたです。夫を見るのではなく、イエス様を見つめて利他的な態度を示してください。あなたが利他的な心をもって行動すれば、夫も利他的になってくれるでしょう。もちろん、時間がかかるでしょうが、毎日利他的な愛を実践してみてください。夫婦が霊的に一つになる奇蹟を経験できるはずです。
赦し 神様は、家庭の中で愛と赦しを実践し、夫婦が訓練されることを願われます。私の品性を最もよく鍛錬することのできる場所は、家庭です。外ではある程度自分を飾ることができますが、家庭の中では自分の罪の性質がそのまま現れてしまうものです。ほかの人は赦すことができても、夫を赦すことは簡単ではありません。私たちは、例外なく、すべて赦されなければならない者たちです。小さな赦し、大きな赦しが必要です。赦すことは簡単なことではありませんが、イエス様が私の大きな罪を赦してくださったということを深く悟った人は、赦すことができます。互いに赦し合ってください。それが結婚の必須ビタミンだからです。
使命 「結婚は、互いに見つめ合うという意味ではなく、ふたりが一つの方向を見つめて歩んでいくことだ」と表現されたりもします。ところで、ふたりが一つの方向を見つめるためには、人生に対する目標と使命が同じでなければなりません。そうです。結婚の目的は、幸せになることというよりは、与えられた使命を一緒に成し遂げていくことだと言えます。使命を見つめる家庭は、揺らぐことがありません。夫と妻が使命を設定し、共有するためには、人生全般に対する価値観が同じでなければならないでしょう。
しかし、私たちは、互いに違う背景の中で育ち、違う教育を受けてきたので、考え方や価値観が同じであるはずがありません。では、どうしたらよいのでしょうか。同じ価値観を持つための戦略的な努力が必要です。一緒に聖書の学びをし、ともに成長していくのも良い方法でしょう。同じ本を読み、同じ学びに参加するなら、互いに価値観を合わせていく助けになります。最も良い方法は、真理であられるイエス様を見つめながら歩んでいく道だと言えます。夫がイエス様に深く出会えるように祈ってください。夫の価値観が聖書に従って変わっていくよう祈ってください。そのためには、まずあなたが真理によって変えられ、生きる姿によって手本を示さなければならないでしょう。

私たち夫婦に欠けているビタミンはどれでしょうか。夫婦が一つとなるために私にできることは何でしょうか。まず私が変わらなければならない領域はどこでしょうか。一度静かに考えてみましょう。

2. 敬虔な子孫のための結婚
「神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。『生めよ。ふえよ。地を満たせ…… 』」(創 1:27~28)というみことばの中には、明らかに次世代の子孫のための神様の確かな御心が込められています。男と女、すなわち夫と妻の肉体的な一体を通して敬虔な子どもたちが地に満ちることをご計画されたのです。最近は、子どもをひとりかふたりだけ作る家庭が増えていますが、これは神様の願われることではありません。どんなに世の風潮がそうだからと言っても、神様は主の民が代を継ぎ、地に満ちることを願っておられます。次世代を通して「……わたしの義はとこしえに続き、わたしの救いは代々にわたるからだ」(イザ 51:8)という主の願いが成し遂げられなければなりません。今、イスラム圏は10人以上の子どもを生み、私たちの子どもはひとり、ふたりを生んでいるなら、じっとしていても地球はイスラムによって満ちるでしょう。ですから、子どもをたくさん生んで、神様のみことばで育てることは、とても重要な霊的法則です。
しかし、子どもをたくさん生んだとしても神様を恐れる子どもに育てるというのは、とても難しいことです。旧約聖書の歴史を見ても、多くの預言者たちが子どもの教育において失敗したことがわかります。
敬虔であったサムエルも、ふたりの息子の信仰教育には失敗しました。「サムエルは、年老いたとき、息子たちをイスラエルのさばきつかさとした。長男の名はヨエル、次男の名はアビヤである。彼らはベエル・シェバで、さばきつかさであった。この息子たちは父の道に歩まず、利得を追い求め、わいろを取り、さばきを曲げていた」(Ⅰサム 8:1~3)。
なぜ失敗したのでしょうか。それは、子どもを養育するのは、母親の役割だからです。子どもの信仰継承は、母親たちの極めて重要な使命です。ですから、母親は神様を心から恐れなければなりません。まず、私たちが世を愛さず、神様のみことばと価値観を子どもたちの心の板に記すよう努力しなければなりません。子どもたちを聖なるイエス様の弟子として育て上げることこそが、妻として、母として果たすべき重要な使命なのです。テモテに信仰を伝授した祖母と母のように、皆さんも子どもたちに純粋な信仰をよく伝え、みことばに基づいた子育てをしていかれますよう願います。
「私はあなたの純粋な信仰を思い起こしています。そのような信仰は、最初あなたの祖母ロイスと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたのうちにも宿っていることを、私は確信しています」(Ⅱテモ 1:5)。

祈りましょう
結婚を創造された神様。家庭が壊れています。まず私たちの家庭が主のみことばにより堅く守られますように。そして、ほかの家庭を生かす使命を果たすことができますように。私たちの子どもたちが世に染まらず、かえって真理によって世を導く主の弟子として用いられますように。アーメン。


イ・キボク
トーチ・トリニティ神学大学院、キリスト教カウンセリング学教授。オンヌリ教会協力牧師、ツラノバイブルカレッジ家庭ミニストリーディレクター。ラブソナタ講師。

 

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