イ・ジョンソン 合神世界宣教会(HIS)及び WEC派遣宣教師
MTC(WEC宣教師訓練大学)は、宣教の使命者に神学や宣教学を教え、彼らが他文化に適応できるよう教育する神学校です。ここでは、さまざまな国籍や文化的背景を持つスタッフ(宣教師)が、講義をはじめ、メンタリング、事務、施設管理など、各自の賜物にしたがって仕えています。他文化宣教を準備する前に、異文化を経験できる環境ですが、同時に、絶えず葛藤が起こる所です。 2011年にブラジルにあるMTC Latino Americanoに合流しましたが、私たちも困難にぶつかりました。妻は結婚前にパラグアイで15年、私はブラジルで移民生活7年目になっていました。また、私たちは5年間寮で過ごしたため、ここの文化にも親しみやすいだろうと思っていましたが、MTCの独特な文化に適応するのは容易ではありませんでした。当時、他文化経験が足りない宣教師がリーダーとして立てられ、彼らの自文化中心的な評価によって葛藤が起こりはじめました。私たちも、宣教地不適応者として追い込まれました。ここにいるべきなのかと疑問を抱き、心の中で何度も荷物をまとめたり解いたりしていました。 ところが、安息年で韓国に戻っていた期間、期待していなかったことが起こりはじめました。私たちを苦しめていたリーダー夫婦が赦しと和解を求め、宣教会の人々が慰めの言葉をかけてくれたのです。「つらい状況によく耐えたね」と言われ、自分でも誇らしく感じました。思ったように宣教地に適応できず、正直なところ、「もうブラジルを離れたい」という思いが強くなっていました。しかし、私たちはもう一度最初に召しを受けたときの心情と、私たちのために祈ってくれる信仰の兄弟たちの支えを思い出し、新たに宣教の決意を固めました。「これらのことを兄弟たちに教えるなら、あなたはキリスト・イエスのりっぱな奉仕者になります。信仰のことばと、あなたが従って来た良い教えのことばとによって養われているからです」(Ⅰテモ 4:6)。再びMTCに合流する前に、先輩宣教師から「宣教師の中で、つらい経験をすることなく長い間宣教を続けた人は多くないはずだ。そうやって成長して、ほかの人を理解する方法も学ぶのだよ」と言われました。つらい経験が土台となり、「宣教師を立てる宣教師」として用いられることを願います。
| 国家情報 | 正式名称はブラジル連邦共和国です。南アメリカの最大国家であり、国土面積は世界第5位です。人口は2億人を越え、首都はブラジリアです。国民はヨーロッパ系白人が50%、混血人種が40%以上を占め、公用語はポルトガル語です。国民の80%以上がカトリック信者です。アマゾン川が流れ、国土の60%以上が山林に覆われており、林産資源と地下資源が豊富です。コーヒー、大豆、さとうきびなどの農産物の世界最大生産国です。現在は大統領中心制(任期4年)の連邦共和制であり、2016年のリオオリンピック後、ジルマ・ルセフ大統領が弾劾されました。
| 祈りの情報 | ブラジルは、今でも世界最大のカトリック国家ですが、プロテスタントの爆発的な成長によってプロテスタント信徒数が大きく増え、4千人余りの宣教師を他文化圏に派遣する国になりました。そのため、ブラジルを宣教地と考えない宣教学者もいます。しかし、聖書のみことばに基いた堅実な教会はまだ少数であり、神秘主義や繁栄神学などの偽りの教えで信徒を惑わす「福音のない教会」が多数であるのが現実です。あらゆる偽りの教えに染まったブラジルの教会が、純粋な福音へと回復するように祈りましょう。霊的に混濁しているブラジルの地が、十字架の血潮できよめられ、変化するように祈りましょう。
| イ・ジョンソン宣教師の祈りの課題 | 1.純度100%の信仰を持ち、ただ主だけに信頼し、感謝と賛美があふれる家庭になるように。 2.MTCで訓練を受けるメンバー、訓練を施すメンバー全員が、心を合わせて働けるように。 3.宣教の使命が与えられている者たちのために道を開く働き、宣教師を立てる働きをしっかり行えるように。 4.講義はもちろん、事務的業務(他文化インターンシップコーディネーター、財政チーム協力)をしっかり行えるように。
|