|
QTで立てる教会 韓国 ソウル セヒョン教会
|
QT、革新の動力になる |
|
出会う信徒はみな、セヒョン教会を 「愛に満たされた教会」「幸せがあふれる教会」と紹介します。 明るく笑う姿は睦まじく、大都市にはまれな教会、 「都心の中の田舎の教会」と呼ぶ、 弟子訓練にまい進する教会を訪れました。
北側に向かって伸びた道路をわき目に整然と区切られた住宅地があり、その間にセヒョン教会が上品に建っています。教会に向かう道は、広くすっきりとしています。
一般信徒の働きによって活発に動く教会 付近のバス停留所や小さな公園では、毎週水曜日と金曜日の午後2時になると、香ばしい油の匂いが漂います。それは、セヒョン教会の伝道チームが「チヂミ伝道」をする日です。チヂミを焼いて地域住民をもてなし、福音を伝えるのです。その横では道具をそろえ、ネイルアートと子どもたちのための美術指導を行い、自然な流れで福音を伝えつつ、住民たちからも好評を得ています。 セヒョン教会には「チヂミ伝道」を導く伝道チーム以外にも、弟子訓練チーム、一対一訓練チーム、友だちミニストリーチームなど、21のミニストリーチームがあります。その中でも、一対一弟子訓練チームと弟子訓練チームの活躍は特記するに値します。人を育てることがイエス様の牧会方法であるという信仰により、ジョン・ジンホ主任牧師が2006年に赴任した直後から弟子訓練にまい進してきたからです。 ジョン牧師は、「この地域の特徴と信徒たちの状態に合わせて3年課程のシステムを作り、ほとんどの課程に一般信徒を働き人として立てて進めています。『教えることが学ぶこと』という精神に基づき、最初から徹底して一般信徒たちにゆだねました。少し足りないところがあっても、養育しながら変わることがたくさんあるからです」と語り、牧師がひとりで全部しようとすれば、弟子訓練はうまくいかないと強調します。 セヒョン教会の弟子訓練の核心は、徹底した再生産です。「牧師が私の“テモテ”を育て、そのテモテが忠実な人を育て、その“忠実な人”がまた別の人を育てる」という福音の4段階公式を適用しています(Ⅱテモ 2:1~2参照)。これまで、教会に出席している信徒約1000人のうち、800人近くが「一対一弟子訓練」を受け、いつでも「一対一弟子養育」をすることができる養育者が160人以上立てられました。弟子訓練専門講師も9人います。このように、弟子訓練はセヒョン教会の中心文化なのです。 ジョン牧師は、10年前、250人ほどの規模のセヒョン教会に赴任しましたが、その当時のことを振り返ると、信徒たちは、「礼拝をしっかりささげ、熱心に奉仕すること」こそ正しい信仰生活だと考え、「自発的な信仰」という考え方には慣れていなかったと語ります。また、セヒョン教会は50年以上の伝統を持っていたので、それを完全に新しい教会に変えるのは簡単ではなかったと語ります。牧師は信徒に「イエスの弟子になりましょう」「あなたが働き人です」という言葉を絶えず聞かせ、みことばを教え、待ちました。そのようにして5年が過ぎる頃、ようやく弟子訓練が定着しはじめましたが、そのために多くの代価を払ったそうです。今は、この教会の独特な弟子訓練システムが、台湾のウィエニ教会などのいくつかの教会にも導入されています。
弟子訓練に欠かせないもの、QT ジョン牧師は、「QTは、荒野で毎日マナを受けて食べたように、日々神様が与えくださる霊の糧を食べることであり、信徒が自分勝手に一日を生きるのではなく、神様のことばに導かれて生きるようになります。みことばには人を変える力があります。QTをしっかりすれば、角張った荒い性質が整えられ、イエス様にだんだん似ていくのです」とQTの長所を強調しますが、セヒョン教会には「QT礼拝」や「QTの分かち合い」はありません。特別なQTの働きがないのです。信徒は「一対一弟子養育」を受けながら2週間QTを学ぶだけです。1週目は「一対一弟子養育」の教材で、2週目は主任牧師が作った教材で学びます。それでも信徒がこつこつとQTをする理由は、独特な弟子訓練方法のためです。 新しい信徒のための教育と12週課程の「神様を経験する人生」の一般信徒講師であるジョン・ジェミンさんは、「私たちの教会では、QTはしてもしなくてもよいものではなく、しなければならないものです。信徒が『一対一弟子養育』を通してQTのやり方を学べば、どんな訓練を受けてもQTの分かち合いをするようになっています。訓練を受けてQTを教える立場になっても、QTを学ぶ課程で学ぶ立場になっても、信徒はいつもQTとつながっています。QTと養育はいつもつながっているため、信徒は必然的にQTをするようになっているのです」と語ります。そして、QTとは全能なる神様と一対一で交わる愛のささやきの時間なので、この貴重な交わりの機会を決して逃してはいけないと強調します。 キム・ミョンジャさんは、「一対一弟子養育」を受けてからこれまで、約10年間QTをしてきました。毎朝QTによって日常の垢がついた心を洗い、神の御声を聞いて一日を始めます」と話します。毎朝QTしたみことばを生活の中で適用しようと努力しているうちに、自分のQTがほかの人にも影響を及ぼすのを経験してきたそうです。職場で、問題のある顧客の高圧的な態度が柔らかくなったり、顧客が心を開いて伝道の機会になったりし、毎日QTで謙遜にさせられた心を通して神様が働かれるのを体験していると証しします。 伝道チームのリーダーとして仕えているイ・ミョンジャさんは、「6年前、教会に登録してすぐにQTを始めました。最初は、ヨセフがだれなのか、ダビデがだれなのかも知らず、やみくもにしていました。しかし、QTのみことばと説教がつながる経験をくり返しながら、だんだん、みことばがよくわかるようになりました。礼拝中はいつも牧師が私のためにみことばを宣言されているように感じます」と語ります。 セヒョン教会では、だれに会っても弟子になった喜びと救いの情熱に満たされているのを感じます。一様に弟子訓練に始まり弟子訓練で終わります。伝道と弟子訓練の実があふれています。結果ではなく、ただ主を喜ぶ彼らの純粋さと熱い情熱は、見る人に大きな影響を与えます。
夢のある若い教会 セヒョン教会は、1万人のたましいの救いを目標に、弟子訓練と聖霊のみわざを軸とし、すべての信徒が聖霊に満たされて礼拝をささげています。幼児部の子どもから90歳を超える老人まで、年齢に関係なく弟子訓練を受けるため、信徒の礼拝態度がとても良いです。また、子どもや青少年、長老に至るすべての世代が一緒に講義を聞き、グループになって分かち合いをすることを通して、親の世代と子どもの世代が互いを理解するのに大きな助けになっています。親の世代は子どもたちの霊性が決して幼いものではなく、はっきりとした信仰の上に立っているのを見て恵みを受け、子どもの世代は親の世代の成熟した信仰態度を経験しながら学びます。 特に、ジョン牧師の次世代に対する情熱は格別です。どうすれば次世代がイエス様に近づけるだろうかと悩み、多くの戦略を練って実践しています。幼児部から青年部まで参加する集会である「次世代のための聖書学習会」が開かれる3日間は、いつも彼らとともに寝泊まりし、1日に3時間以上みことばを伝え、カウンセリングをします。ジョン牧師は、子どもたちの信仰教育は、プログラムをもってアプローチしなければならないという考えには同意しません。しかし、聖霊が臨在される生きた礼拝に、次世代は熱く反応すると熱く語ります。 「プログラム中心の牧会ではなく、信仰の先人たちのように本質中心の牧会をしなければなりません。みことばに基づいた韓国の聖霊運動を、この地域から起こすために祈り、みことばを教えています。韓国の聖霊運動とは、60~70年代に私たちが育ちながら見た、火のように祈り、みことば中心の牧会をし、現場に出て太鼓をならして伝道していた、初代教会のような教会運動のことです。」 弟子訓練を始めて10年目になるセヒョン教会は、今後さらに新たな転換をしようとしています。弟子訓練と聖霊のみわざを軸に、「伝道に励む教会、次世代が最も来たがる教会、そして弟子訓練のノウハウを伝える教会」として新しく生まれ、聖霊運動の風を起こそうとしているのです。そのために、国内外への積極的な宣教を始め、学校やキャンパス宣教だけでなく、弟子訓練システムの普及などを夢見ながら企画し、実践しているので、彼らは福音にあって実に若い教会です。
「韓国の聖霊運動とは、 60~70年代の信仰の先人たちのような熱い祈りと、 みことば中心の牧会と、たましいの救いに対する情熱、 そのような純粋な信仰を取り戻していく運動です。 韓国の教会が生きる道は、福音の本質に立ち返ることであり、 その基礎がQTです。」
|
|
|
|
|