マタイの福音書の恵み75

   毒麦は最後には火で焼かれます①
 
オンヌリ教会 前主任牧師 故 ハ・ヨンジョ


イエスは、また別のたとえを彼らに示して言われた。
「天の御国は、こういう人にたとえることができます。
ある人が自分の畑に良い種を蒔いた。ところが、人々の眠っている間に、
彼の敵が来て麦の中に毒麦を蒔いて行った(マタ 13:24~25)。


天の御国は、完成品としてプレゼントされるものではなく、みことばの種として与えられます。私たちは、種を蒔く人のたとえから、天の御国の驚くべき独特な性質について学びました。つまり、天の御国は私の心から始まり、その心の態度によって、実を結ぶこともあれば、思い煩いや誘惑によって実を結ばないこともあるというのが、種を蒔く人のたとえから学んだ天の御国の奥義です。
種が良い地に落ちたとき、種はよく育ち、実を結びます。天の御国は三十倍、六十倍、または百倍、すなわち、想像もできない世界へと拡がります。この天の御国をすべて経験した人は、だれもいません。御国は成長し続けているからです。

天の御国は毒麦とともに育つ
ところで、種が良い地に落ちて育ち、実を結べば、それで終わりでしょうか。イエス様はそうではないと言っておられます。ここで私たちは毒麦のたとえに出会います。天の御国に対するイエス様の二つ目のたとえは、毒麦のたとえです。
「イエスは、また別のたとえを彼らに示して言われた。『天の御国は、こういう人にたとえることができます。ある人が自分の畑に良い種を蒔いた。ところが、人々の眠っている間に、彼の敵が来て麦の中に毒麦を蒔いて行った。麦が芽ばえ、やがて実ったとき、毒麦も現れた』」(マタ 13:24~26)。
まず、「天の御国」は、「自分の畑に良い種を蒔いた人にたとえることができる」と定義されました。しかし、種を蒔いてすべてがうまくいくわけではなく、予想もしなかったことが起こります。実ったとき、毒麦が現れるというのです。これが天の御国の現実です。天の御国は、毒麦といっしょに育つというのが、2つ目のたとえの要点です。
実際、世の問題はすべて、そうシンプルではありません。イエス様を信じて救われれば、すべてがうまくいきますか。そのような場合もあるかもしれませんが、そうでない場合のほうが多いのです。イエス様を信じても、病気にかかります。信じる人も死を迎えます。
イエス様は、天の御国を単なる幻想の世界として示されず、御国のすぐ横に毒麦があるという事実を教えてくださいました。私たちは、正しく良い人が試練や迫害の中で生き、悪く不正な人が権力や富、名誉をつかんで良い暮らしをしているのをよく目にします。「神様、どうしてですか。長生きすべき人は若くして死に、早く死ぬべき人が長生きしています。主よ、あんな人を見ながら、どうして神様が生きておられると言うことができるでしょう。よく祈る真実な人が、もっとつらい目にあっているのは、なぜですか。」このような疑問を解くことはできないでしょう。
私たちが生きているこの世には、善だけがあるのではなく、悪が共存しています。悪しき勢力は、どこにでも潜んでいます。教会の中にも、家庭の中にもいて、私たち自身の中にも、国家の中にもいます。正義だけがいつも勝利するのではありません。悪がもっと力強く働くこともあるのが現実であり、私たちが目にする人生なのです。御国が成長しているのに、その横に毒麦がいっしょに育っているのが御国の現実です。悪がみな取り除かれた状態、あらゆる不義の勢力が去った状態が天の御国なのではないのです。

サタンの本質
「イエスは答えてこう言われた。『良い種を蒔く者は人の子です。畑はこの世界のことで、良い種とは御国の子どもたち、毒麦とは悪い者の子どもたちのことです。毒麦を蒔いた敵は悪魔であり、収穫とはこの世の終わりのことです。そして、刈り手とは御使いたちのことです』」(マタ 13:37~39)。
イエス様が毒麦のたとえを説明しながら、世には御国の子どもたちと悪魔の子どもたちが共存しているという事実を教えてくださいます。これをもう少し聖書的に表現するなら、「この世は、イエス様と悪魔が戦う戦場である」と説明できます。私たちはここで、サタンの二つの性質を知ることができます。
第一に、サタンは毒麦を夜のうちに、こっそりと蒔きます。これがサタンの方法です。サタンは破壊者であり、殺人者であり、うそつきです。また、告発し、そしる者です。サタンの究極的な目的は、神の子どもたちの現れを妨げることです。そのために神の子どもを殺し、破壊します。盗人が来るのも、盗んで殺すためだと聖書は言っています。イエス様が蒔いた種が神様の子として育たないように妨害するのです。これが天の御国を妨害する勢力です。御国は妨害する勢力の中で成長していきます。サタンは毒麦を蒔いておきました。すべての人々が眠っている夜、サタンがこっそり働きました。サタンに抑圧されている人々は、夜、行動します。ほとんどの悪事は夜、行われるのです。
第二に、サタンはいつでも真理と似たものを植えます。サタンの方法は真似をすることです。良い種とよく似た毒麦を蒔きます。驚いたことに、毒麦は芽が出て茎が育ち、実を結ぶ時まで区別がつきません。これがサタンの姿です。サタンは羊の皮をかぶった狼です。御国の子どもたちと似たような姿で、似たように行動し、話します。サタンは、よく祈り、奉仕も熱心です。イエス様を信じるふりも上手です。知能指数が低いサタンの場合は「おれはサタンだ!」と言って現れます。しかし、黒いマントをかぶり、歯をむき出しにして現れるサタンをだれも恐れはしません。ずる賢いサタンは決してそのようには現れないからです。実に信仰深く、魅力的な姿で現れます。しかし、その内実を見れば、刀と爪を隠し持ち、恐ろしい牙を研いでいます。私たちは、もっともらしい人に気をつけなければなりません。時が来れば、サタンは羊の皮を脱ぎます。時が来れば、鋭い爪と牙を出します。そして、情け容赦なく羊を裂いてしまいます。これがサタンの本質です。

サタンを見分ける力
では、このような現実にぶつかったとき、どうしたらよいのでしょうか。毒麦が自分の横で、社会で育っているとき、クリスチャンはどうするべきなのでしょうか。
「それで、その家の主人のしもべたちが来て言った。『ご主人。畑には良い麦を蒔かれたのではありませんか。どうして毒麦が出たのでしょう』」(マタ 13:27)。
毒麦はどこから生じますか。一晩寝て起きてみると、願わないものが育っているとしたら、どうすればよいでしょうか。
問題が生じたときは、まずその原因を究明しなければなりません。サタンは知らないうちに入って来ます。サタンはどこにでも入り込み、教会にも入って来ます。聖徒が良いことをし、祈ると、必ずサタンが近寄ります。そして信仰をかき乱します。毒麦が私の周りで育つのです。サタンは私たちに「祈らず考えよ」とささやきます。祈りは考えることだと言って混乱させます。恵みを律法に変えます。これがサタンの方法です。恵みで満たされているのに、宗教的、律法的に縛ってくるのです。自分でも知らぬ間に心の中で理解できないことが起こります。希望が絶望に、祝福がのろいに、成功が失敗に変わるのです。がんばろうと思って始めたのに、結果が悪くなります。こんなとき私たちは、どうしてそうなったのか、どうして自分の心にサタンの心が植えつけられたのか、原因を究明しなければなりません。
イエス様はそれを、「敵のやったことです」と言われました(マタ 13:28)。私たちは、サタンの正体をいつも霊的に見分けなければなりません。人の見かけに気をとられず、背後に隠れて私たちを破壊しようとするサタンの黒い勢力を見分けなければなりません。「サタンが私をこのように変えた」ということを自分自身で気づかなければなりません。

 

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