|
QTで立てる教会 韓国 チンジュ教会
|
QT、革新の動力になる |
|
1905年、オーストラリアから来た牧師であり医師であった カレル・ヒュー宣教師(1871~1943)が設立したチンジュ教会は、 地域の信仰と医療、近代教育の出発点です。 QT牧会を始めて2年、 QTが111年の伝統ある保守的な教会に さまざまな変化を起こしています。
晋州は、美しい自然と豊かな物産、そして品格高い文化遺産を誇る都市ですが、福音化率は4%にも満ちません。その一方で、6万人余りの民が殺害された第二次晋州城の戦い(豊臣政権下での文禄の役における第二次攻防戦)、過酷な収奪と農民一揆など、悲しい歴史もあります。また、強い儒教文化と仏教文化の影響力は、拝金主義や権威主義、社会的身分の差別などとして近代まで残っており、偶像礼拝と結びついた異端や占い屋がたくさんあります。
QTで始まる“全世代に対応した養育” このような霊的土壌の中で、チンジュ教会は111年という歳月の間、韓国の近代史の起伏を乗り越えて信仰の種を守ってきました。日本帝国の宗教弾圧と6.25動乱(朝鮮戦争)の影響を余すところなく受け、神社参拝や教団問題の痛みもありました。しかし、今は長い伝統を取り払い、「ただみことばと祈りにより」新しいみわざを行われる神様の新しいチャレンジを抱いた、能動的で革新的な教会へと変化しています。2013年に赴任したキム・ギドク主任牧師の導きのもと、50~60代の信徒が主軸となって全世代が切実な心で神様に深く出会っているチンジュ教会。最も際立った変化は、明るく柔らかくなった教会の雰囲気です。 キム牧師は、「赴任する時に神様が与えてくださった『ただみことばと祈りにより』というみことばを、この教会の絶対的な使命として受け取りました。『みことばと祈りによって目覚めている教会』となるために最初に始めたのがQTの働きです」と語ります。「人格的な神様との出会いがある礼拝とスモールグループ」を強調し、「全世代に対応した教育牧会による全世代養育」によって、力量のあるスモールグループリーダーを輩出しています。すべての世代を対象に、教会学校と大学・青年部、30~40代、50~60代、そして70歳以上のシニアに分け、それぞれの特性に合わせたプログラムを構成しています。この教育プログラムの基礎が、「一対一弟子養育」と「QT」です。ここに教会のスモールグループやリーダーシップの集まりなど、すべての集まりをQTで始めるというルールを立てました。このルールによって教会学校と青年部にQTが定着し、今は70代のシニアたちもQTを始めています。 キム牧師は、「QTのいのちは“QTの分かち合い”にあります」と語ります。個人の黙想だけに終わらず、兄弟姉妹と分かち合うとき、同じ個所を黙想したほかの人のQTを聞きながら、分かち合い独特の霊的な交わりが起こり、互いが主にあって一つの家族であることを悟ることができるのだそうです。さらに、「QTの分かち合い」にはいやしと回復があるため、「QTの分かち合い」は共同体全体を益とする道具であるとほのめかします。 キム牧師は、「晋州の人々は本当に善良です。しかし、福音が全く入りません。その善良さの中に、何かしこりのようなものがあります。権威的な性質の強い地域的特性があり、なかなかほかの人に心を開こうとしません。しかし幸いなことに、私たちの教会員には変わろうとする積極的な姿勢があります。過去の痛みをみことばでいやしながら、性質が変わってきたのだと思います。また、関係も変化しています。そのような非本質よりも本質を強調し、私たちの教会は過去の痛みを一つずついやしています」と語ります。家庭訪問をする家々で祈りながら涙を流し、信徒たちの利己的だった対話が神中心になり、互いを慰め励ますようになったとあかししてくださいました。
QTブームの始まり、大学青年部 教会ホームページの「QT分かち合い掲示板」を管理するノ・オギ長老は、「QTをしながら、みことばを実践する恵みを受けています。QTの働きが始まってから、QTのみことばに従って生きる姿が教会のあちこちで見られます。兄弟たちが分かち合いを通して証しを共有し、神の御声を聞く訓練を行いながら互いに力となり、一致した教会になっていく恵みが始まりました」と、教会に及ぼすQTの影響力について語ります。「QTの分かち合い掲示板」はだれでも入って自分のQTを分かち合うことができるサイバー空間であり、2015年3月に開設され、現在は40数名の信徒がたゆまず活動しています。シン・リアさんは、ホームページにQTを載せるためにキーボードを打つときに、QTで受けた恵みがさらに明確になり、恵みが倍になると語ります。教会の新しい家族のQTを助けるために、ノ長老は毎朝その日のQTを一つの文章に整理して、祈祷文を加えて関心のある信徒にSNSで送ります。そのおかげでQTをする新しい家族が増えました。QTを難しいと考えて挑戦できなかった男性信徒に仕えるチェ・インスさんは、ノ長老の「一文QTメッセージ」を関心のある信徒たちに送り続け、QTガイドをプレゼントし、QTは難しくないということを伝えています。2年前から男性宣教会でQTの分かち合いをしていますが、これを契機にQTを始める信徒も増えました。 区域の家族のほとんどが30代の新しい家族であるキム・ブクシルさんは、区域の家族とQTの分かち合いをしながら驚くことがたくさんあったそうです。信じて間もない新しい家族の洞察力あるQTと驚くべき告白のためです。彼らはまた、区域礼拝の分かち合いや祈りを通して、彼らに与えられたとりなしの祈りの使命を悟り、互いのためにとりなしながら主の驚くべきいやしのみわざを経験しています。彼らのとりなしの祈りによって、完治率2%という緑内障が完治した姉妹もいたり、両親の皮膚がんと肺がんがいやされる奇蹟も起こっています。 ファン・グクイムさんは、試みにあって教会に来れなかった新しい家族に、区域リーダーのQTの学びの内容と自分がQTで神様に出会ったみことばを分かち合うと、新しい家族が自分の過ちを告白して教会に出席するようになったことで、QTの力を知りました。彼女はQTの分かち合いによって関係が回復されるのを見て、QTをみなに勧めています。 昨年のテーマは「真理の中で遊ぼう」だったため、大学・青年部(以下、青年部)を「QTで遊ぶ人々」と紹介するカン・ホジュンさんは、「聖書の知識を積もうと始めたQTによって、神様との関係が回復されました。神様と親密な関係を築くことは、愛する人と恋愛するような感じです」と告白します。いくら忙しくてもQTの聖書個所を読んで心に入れておき、仕事中も暇さえあれば黙想するというノ・ホンジュさんなど、最近多くの変化と成長を遂げた青年部のQTの証しは尽きません。このような青年部のQTの熱気は、他の世代にもチャレンジと手本となり、教会全体に野火のように広がっています。 QTによる霊的革新、都市を征服する 今チンジュ教会では、文字として読んだみことばが、QTを通過して信徒の生活となる聖なる革新が起こっています。信徒がみことばと親しくなり、深い黙想を通して聖書をさらに深く読む目が育っています。祈りが変わり、キリストの愛があふれる交わりによって信徒のたましいが新たにされています。青年は成熟し、老年は権威主義から脱して若くなるという、QTによる聖なる革新です。 新都市造成が完成し、国内優秀企業が続々と入居している晋州は、色あせた過去の歳月を振り払い、宇宙航空都市と最先端産業団地として生まれ変わっています。ソウルから晋州までは車でたった3時間、放射状にクモの巣のように広がった道路網によって、この地域の中心都市として名をはせています。これがチンジュ教会が世の風潮に逆らう健全な教会として新しく生まれることが急がれる理由です。寛容の幅を広げ、過去のつらい歴史に打ち勝ち、恵みを受けた教会にキリストの聖なる都を建設する使命があるからです。 チンジュ教会は、宣教師の汗と涙によって建てられた教会であるため、毎年宣教地域を拡大しつつ宣教にも力を注いでいます。教会創立120周年には、オーストラリア逆宣教も企画しています。QTによって聖霊の御声に聞き従う550人の信徒が、晋州市民の10%に当たる人々に福音を伝える使命を果たして神様を喜ばせるために、力強く立ち上がります。キム牧師は、これらすべてのことの上に、ひとりでも多くの人々がイエス様を信じることが幸せだと告白する教会になることを願っています。
みことばの前で自分に直面することがQTです。 牧会者の使命はみことばを伝えることでもありますが、 牧会者自身が真理の上に立っているか、いつも自分を点検することです。 QTは牧会者の本質を悟らせ、 脇道にそれないようにする囲いです。牧会の道しるべです。
|
|
|
|
|