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QTで立てる教会
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公州 夢の教会 QTで新しく羽ばたく |
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120年の伝統をみことばと祈りで革新し 神の国を能動的に拡げていく古くも新しい教会。 すべての聖徒が一週間に3回以上QTをし、悟ったことを生活の中で実践し 神の夢を成し遂げていく「夢の教会」を訪問しました。
「リビングライフ」客員記者 パク・へウォン | 写真 イ・ナムス
高速道路を抜けると、錦江に沿ってまっすぐにのびた道を走ります。遠くを見ると、川に沿って高い山々が取り囲んでいます。その道が終わる境目には、遠くからでも目につく建物があります。この建物こそ、「夢の教会」です。公州は、土を掘れば遺物が出てくる百済文化遺跡地であるため、高い建物はほとんどありません。それで、やや高い場所に広がっている公州の教会堂は、とても雄壮としています。まるでこの地域を治める神の城塞のようです。 1896年に設立された夢の教会(旧公州バプテスト教会)は、韓国のバプテスト派教会の宣教の中枢的役割をしてきました。宗教百貨店と呼ばれるほど多くの異端と宗教が混在する小都市、人口10万人を少し超える公州で、今、夢の教会には輝かしいリバイバルが起こっています。来る6月1日が教会創立120周年記念日です。 1999年に第28代主任牧師として就任したアン・ヒムク牧師は、2003年に現在の教会堂を新築し、「夢の教会」と名称を変えました。神様が夢見る教会、聖徒が夢見る教会、地域社会が夢見る教会という意味です。彼は伝統教会特有の霊的体質を改善し、すべての聖徒が信仰によって一致する健全な教会を目指してきました。今、夢の教会は、「公州を越えて世界に向かって出て行く教会」というビジョンを持ち、2008年の大田の教会堂をはじめ、2012年には世宗の教会堂を建て、マルチ教会の姿を整えています。 夢の教会は創立120年になりましたが、古びてはいません。現在の聖徒の平均年齢は44歳。しかし、アン牧師は、さらに若い教会を作ろうと若い聖徒をさらに養育し、一般信徒の働き人として立て上げています。そして、教会には王である祭司となる一般信徒の働き人で満たされなければならないと強調しています。多くの人が教会に来て、傷をいやされ、回復される教会、多くの聖徒が福音を携えて世に向かって出て行く教会を目指しています。崩れた家庭を立て上げ、地域社会のやみを光に変える教会です。
聖日の説教につながるQT 夢の教会では「QT」を「RT(Relation Time)」と呼んでいます。「神様と出会う時間」、「神様と交わる時間」という意味で、「関係」に重点を置いた概念です。夢の教会の聖徒は、一つの聖書個所で少なくとも一週間に3回QTをします。ひとりでQTをして出会った個所を、聖日の説教で再び聞き、スモールグループの集まりでその個所からQTの分かち合いをするからです。 カン・ミョンジャ牧師は、「以前はスモールグループの集まりを準備するのが大変でしたが、QTを導入してからははるかに楽になりました。QTの聖書個所が牧会の頼もしい参考書です」と言い、スモールグループの集まりにはQTが答えであると語ります。 毎週の週報とともに受け取る「スモールグループの分かち合い」には、QTの聖書個所で行われる聖日メッセージの要旨が記されています。 夢の教会の聖徒は、集まりさえすれば泣きます。賛美を始めると泣き、QTの分かち合いをしながら涙を流します。イエス様によって幸せで泣きます。「主がどれほど恵みを注いでくださるのか、その中にいることだけでも恵みです」と告白するソ・ギョンア牧師の目に涙が浮かびます。以前は自分の傷を分かち合って終わる場合も多かったのですが、QTで分かち合いをするようになってからは、みことばの中の希望に集中するようになり、前の週にみことばの力を経験した証しをするようになったと語ります。
次世代教育、アールティング(RTing)とスクール牧場で 子どもが3人いるファン・ナクヒ聖徒は、家族のグループ・チャットを作りました。その日のQTの内容の中で分かち合いたいみことばをグループ・チャットで話すと、夫と子どもたちが「アーメン」と答えて対話します。互いに違う空間にいても、神様にあってともに祝福を味わう感動があると言います。キム・クンヒ聖徒は、自分がQTをしていると、子どもたちも横に来てQTをするそうです。QTをしていなかった夫もQTに関心を見せ、黙想エッセイは必ず読むそうです。チェ・ボンソン聖徒の7歳の子どもは、QTをしながら自然にハングルを覚えました。聖書の難しい単語や構文に接しているため、童話も簡単に読むことができるそうです。 夢の教会は教会学校(Sunday School)を、ファンデイ・スクール(Funday School)と呼びます。子どもたちの目線に合わせて、楽しく幸せな礼拝をささげる学校を目指し、楽しさと感動、そして霊性のある礼拝のために、牧会者と教師がいっしょに努力しています。次世代教育にも重きを置く教会として、次世代のためのQTの働きもしっかり行っています。教会学校の教材もQTから選びます。既存の教材よりも、子どもたちの生活や時代的必要によく合っていると判断したからです。 児童部と中高等部は、それぞれアールティング(RTing)、スクール牧場という名で平日の集まりを行っています。児童部は、教師が子どもの家に訪問してQTを分かち合うアールティングをします。ほとんどの場合は、母と子が朝7時にQTで一日を始めるアールティングタイムを持ちます。母親たちは自分のQTがうまくできなくても、子どものQTを助けながら子どもといっしょに恵みを受けます。中高等部は、教師が昼食や夕食の時間を利用して学校に訪問し、礼拝をささげます。特に高等部は、学生たちが自ら学校でQTの集まりを組織し、毎日集まってQTをしています。学生が通う9つの学校のうち、7つの学校にQTの集まりがあります。
知ったことを実践するQT アン・ヒムク牧師は、「QT牧会は生活が基盤にならなければなりません。悟ったことを生活化すること、つまり、日常生活の中でみことばを実践することがとても重要です」と言い、QTの適用を強調します。実際に、夢の教会の教育は、「新しい人生」「神とともに歩む人生」「信仰の人生」「変化の人生」「成熟の人生」という講義のタイトルからもわかるように、人生に始まり人生に終わります。 アン牧師は、これまでの20年間、QTで早天説教を導いてきましたが、2015年に本格的にQTの働きを始めると、会衆の反応が熱くなりました。「聖徒自身がQTをして、そのみことばを説教で聞いて分かち合うため、心と態度が大きく変化するしかない」と証言します。牧師は最後に、聖徒が送ってきたQTの感想文を一つ、会衆とともに分かち合って説教を終えます。悟ったことを実践するためには、ほかの人の歩みを見ることが重要だと考えるからです。彼はこれを「霊的好循環」と呼びます。 「QT個所から説教をするようにすると、私が説教したい聖書個所だけでなく、新旧約を等しく扱うようになります。聖書全体を扱っているため、みことばのバランスがとれるという長所があります。一方、聖書個所が定められているため、主題選択の幅が狭くなるという短所がありますが、説教者がQTの内容を生活の中に溶かしながら語るので、聖徒が説教を自分の話として聞くんです」と、アン牧師はQT説教の長短所を話してくれました。特に、教会ではQTの技術的な指導よりも、グループでの分かち合いを通して適用することに集中しています。 アン牧師は、「教会は同じみことばで全聖徒が一つの方向に向かっていく共同体」であり、「説教は聞くことではなく生きること、教会は通う所ではなく所属する所」だと語ります。このために主任牧師を含む7人の専任牧師が毎週その週のQTを分かち合い、ともに説教個所を準備し、意見を交換し、同じビジョンを持ちます。みながともに福音と真理を岩のようにつかんでいる姿です。公州、大田、そして世宗で、一つの教会として集まるマルチ教会モデルを採択している夢の教会は、このようにチームミニストリーを通して神の国を拡げています。 古い伝統がある夢の教会は、今、革新に備えています。アン牧師は伝統と革新の調和は、「基本に戻ること」であると語ります。教会に死ぬほど忠誠を尽くした先祖たちの伝統を受け継ぎ、「みことばと祈り」という基本をつかむなら、「健全な教会」になるというのです。QTでみことばがあふれる教会を耕していく夢の教会!彼らは神の夢、聖徒の夢、地域社会の夢に「はい!」と答え、「公州を越えてすべての国を変化させる教会」として立とうとするビジョン、「新しい教会」を一歩一歩、成長させています。
「教会は同じみことばをもって全教会員が一つの方向に向かっていく共同体であり、 説教は聞くことではなく生きることであり、教会は通う所ではなく所属する所です。」 教会に忠実な伝統を受け継ぎ、 「みことばと祈り」という基本をつかむなら「健全な教会」になります。
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