キリストに立ち返る日本を夢見て

   創造科学探査の現場で 創造主をほめたたえよ!
 
創造科学 専任宣教師 イ・ジェマン


「世界の中で、最も多くイスラエルに旅行に行く国がどこか、知っていますか。それは、日本です。」この質問は、日本でメンバーを募集する仕事を担当している松崎さんが、グランドキャニオンで私に言った言葉です。それまで松崎さん自身、何度も聖地巡礼を引率してこられましたし、日本人の口から直接出た言葉なので、ある意味信頼できましたが、いざ答えを聞いてみると、思わず「本当にそうですね!」と叫んでしまいました。キリスト教人口の割合の低い日本から最も多くの人がイスラエルを旅行しているというのは、本当に驚きです。しかし、その次に松崎さんが言った言葉にも耳を傾ける必要があります。
「でも、聖地巡礼でイエス様に出会ったという人は、一人もいないんです。」
旅行者のほとんどは、四大聖人の一人が生活したということに意味を置いて、趣味の一環として訪問するのです。しかし、そんなに多くの日本人がイスラエルを訪問していても、そこでイエス様を自分の真の救い主として受け入れる人は、全くいないというのです。
対話を分かち合っている間、以前あった創造科学探査のことを思い出しました。創造科学探査は、グランドキャニオン地域を中心に、神様が聖書に書かれてあるとおりに行われたという事実を、その証拠を通して学ぶプログラムです。これまでの15年間、約300回が行われました。
何回目かの創造科学探査のとき、日本人のご夫婦が参加していました。夫人はクリスチャンですが、ご主人は教会に行っていませんでした。そのとき同行していたCGNTVが、その方の変化を密着撮影していたのですが、後に「創世記の中へ」というタイトルで、2回にわたるすばらしいドキュメンタリー映像が製作されました。
創造科学探査の初日、その男性の姿勢はとてもかたくなでした。「私は神やキリストなんて、よく知らないよ。妻がアメリカに行こうって言うからついて来たんだ。宣教師の先生が神様について100回、200回と、どんなに話をしても、納得できなければ変わらないよ。私がここに来た目的は、グランドキャニオンを見るためであって、こんな講義を聞きにきたわけじゃないんだ。」
実際にその男性は、初日のバスでの講義のとき退屈がり、夕食後に行われたまとめの講義にも参加しませんでした。しかし、創造科学探査の長所は、一度乗れば降りられず、仕方なく講義を聞き続けなければならないことです。バスでの講演やビデオ視聴、宿所でのセミナーなどが行われる間、講師がどんな話をしているか、少しずつ関心を持ち始めたその男性は、ついに現場の講演の時、隠れて凝視しはじめました。その変化を察したCGNTVチームが放っておくはずはありません。そして、翌日、グランドキャニオンでは、その男性がにっこりと笑っている表情もカメラに映されました。
グランドキャニオンを抜けて、4日目にシオンキャニオンをバスで通り抜け、PDがマイクを近づけたとき、彼は初めてポジティブな反応を示しました。「神様ですか。人の考えというのは、やみくもに変えろと言われても変えられるものじゃないでしょう。急に変われと言われているようで、戸惑っていたんです。でも、今は感激しています。…65年間変わらなかったのに、1週間で少しずつ変わろうとしています。グランドキャニオンは、自然にできたものではないという思いがします。」
最終日の夕方、アーバイン・オンヌリ教会で最後の集会が開かれました。その男性の夫人が証しを終えて祈る時間を持った時のことです。彼は頭をうなだれて涙をぬぐうと、人に気づかれないようにこっそりと立ち上がり、御手洗いに向かいました。そして、顔を整えて席に戻って来ました。その姿は、余すところなくカメラに捕らえられました。明らかに、何らかの心の変化が生じたのです。
その日の夜、宿所でのインタビューは、その推測が間違っていなかったことを表わしています。PDがその男性に聞きました。「箱舟に乗りましたか。まだ乗っていませんか。」
創造科学探査で、最も多く扱った内容は、ノアの箱舟の洪水に対する証拠についてでした。実際に私たちが生きている今の時代の姿は、創造の時の姿ではなくノアの洪水以後の姿で、その証拠が散らばっているからです。PDは、プログラム全体の内容と意味を圧縮して、実に知恵深い質問をしたのです。
その男性はそう質問されて、少しとまどいながらも、すぐに答えてくれました。「宣教師の先生の話を聞いて、箱舟に乗らなければと思いました。これは、私にとって大成功です。この旅行に参加したから可能だったんです。」
このような変化は、この人だけに限りません。これまでの創造科学探査に参加したほとんどの人たちに現れる反応です。聖地巡礼をしても出会うことのできなかったイエス様に、なぜ聖書に登場もしないアメリカ大陸の片隅にあるグランドキャニオンで出会うことができるのでしょうか。
日本人と同行した最初の創造科学探査でも、記憶に残る出来事がありました。その探査は、アメリカ在住の日本人の牧師ご夫妻が、日本宣教において進化論が重大なつまずきの石であることを知り、日本から40人を招待されることで実現しました。交通費と創造科学探査の参加費まで、おふたりがすべて負担されたのです。私としては、初めて他文化圏の人に、それも通訳を通してなされることなので、負担と期待の入り混じった中で始まりました。
それは5日間のコースだったのですが、初日は参加者たちに何の反応も見られないように感じられました。参加者からの質問が全くなかったからです。しかし、2日目、アリゾナ州のセドナに行き、バスの中で「ポストモダニズムとニューエイジ」についてのセミナーをするとき、質問を受けました。それがはじめての質問だったのですが、それ以降、質問がどんどん続き、質問と答えのやり取りへとつながりました。そして、その時ごとに変わっていく人々の表情は忘れることができません。ひとりひとりが聖書の内容について気になっていたことが一つずつ解かれ、喜んでいました。最終日、バスから戻ってきて祈り、賛美する姿は、思い出すたびにいつも感動がよみがえります。
このような変化は、単に日本人だけではなく、韓国人や中国人にも起こりました。数年前の中国人のための創造科学探査では、参加者の中にクリスチャンもいましたが、15名は中国人の交換教授としてアメリカに来られていた人たちでした。始終一環して静かで、とても真剣でした。反応がないように見えた彼らは、最終日に感想を言うとき、彼らの変化について話してくれました。「アメリカに来て以来、最も意味のある時間でした!」「良い機会を与えてくれた教会に感謝します!」
これらの感想は、期待していたものとは少し違った表現ではありましたが、彼らがどんなに大きな結果を生み出したかは、1年半が過ぎてはじめてわかりました。しばらく前に、LA空港で、当時通訳をしてくれた牧師に偶然会いました。当然、そのとき参加した中国人について聞いてみました。すると「彼らのうち、5人がバプテスマを受けて中国に帰りました」という答えが返ってきました。

福音は、すでにある約束のみことばから始まったものです。イエス様は予告もなく登場されたのではなく、この地にお生まれになる前に、預言者たちを通して旧約聖書で語られた数多くの約束がありました。預言者とは、単にイザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエルのような大預言書や、ミカ、ナホム、ハバククのような小預言書の著者だけを意味するのではありません。聖書は、モーセから預言者と言っており、実際に主なる神と対面したモーセにまさる預言者はいないと言われています。「モーセのような預言者は、もう再びイスラエルには起こらなかった。彼を主は、顔と顔とを合わせて選び出された」(申 34:10)。
ですから、神であられるイエス様が、ご自分を信じることができる必要条件について、次のように言われたのです。「もしあなたがたがモーセを信じているのなら、わたしを信じたはずです。モーセが書いたのはわたしのことだからです」(ヨハ 5:46)。
このモーセが書いたモーセ五書の最初の書は何ですか。この世の始まりと歴史が記されている創世記です。創造科学探査で、参加者たちがイエス様に出会う理由はまさにここにあります。創世記の歴史が事実であることを知ったとき、自然に創造者であられ、救い主であられるイエス様を知るのです。
創造科学探査は、聖書の最初の書である創世記を、その証拠とともに詳しく扱います。ところで、本当に不思議なことに、創世記についての事実性が明らかになると、イエス・キリストの福音が鮮明になるのです。神様が「見て良しとされた」と言われた初めの時の姿が描かれ、善悪の木の実を取って食べた罪の後にのろわれた姿と、世が罪で満ちた時のノアの洪水のさばきの出来事、そして、その後のバベルの塔の混乱…このような一連の出来事が、確信とともに脳裏に描かれるのです。それらが明らかになればなるほど、福音を確信するようになります。理由は明らかです。前に述べたように、イエス様は初めからおられ、聖書全体が福音を語っているからです。
創造科学のプログラムをしていると、多くの質問を受けます。それほど、自分の信じている聖書は事実なのかということが気になっているからです。ほとんどの質問は似通っていますが、自分が抱いていた疑問が解決されると、聖書がより近くなり、その結果、自分が罪人であることと、これを解決されるイエス・キリストの福音が確かになるのです。
創造科学探査は、グランドキャニオン、シオンキャニオン、ブライスキャニオン、デスバレイ、ヨセミテ、セドナなど、アメリカ大陸西部で絶景中の絶景と言われる所を通ります。私たちは、観光客ように自然の姿に感嘆するのではなく、神様をほめたたえます。神様が行われた事実を目で見る感激があるからです。そして、その目に見ていることを超えて、その痕跡を残された神様の御心を見るのです。


イ・ジェマン
創造科学宣教会 副会長(アメリカ)。創造科学 専任宣教師。地質学・科学教育学・旧約学 修士課程。グランドキャニオンを中心として、創造科学探査チームを、これまでに300回以上導く。

 

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