日本CGNTV SB番組より
2014年ももうすぐ終わろうとしています。今年、世界は実にめまぐるしく動きました。イスラエルではガザの武装勢力と50日に及ぶ戦争がありました。中東ではイスラム教テロ組織が勢力をのばし、ウクライナでは東西冷戦が再燃し、エボラ出血熱が猛威をふるいました。その他、異常な天災の発生や、マレーシア航空機の消滅など大きな事故も相次ぎました。また一歩、黙示録の世界へ向かいはじめたと感じた方も多いのではないでしょうか。しかし私たちは、終末の苦難の向こうに、オリーブ山に再臨される主を知っています。 『オリーブ山便り』は、こうした世界情勢の中で、主の再臨を待ち望みつつ、イスラエルと世界のためにとりなすクリスチャンのための時事ニュース番組です。現在、CGNTVにより隔週で更新されるニュース番組のほか、メールでの速報配信、ブログサイトでもニュースを発信しています。エルサレムで世界の報道陣とともに取材し、タイムリーで、できるだけ公正な報道をめざしています。 『オリーブ山便り』で皆様にお伝えしたいことは二つです。まずは、イスラエルだけを特別に見て祈るのではなく、世界の中のイスラエルという視点を持っていただきたいということです。たとえば、今、シリアとイラクをまたいで勢力を伸ばしているイスラム国の問題。イスラム国は、アルカイダも恐れるほど残酷で過激なイスラム・テロ組織です。かつてのイスラム帝国のようにカリフ制をとり、クリスチャンや少数派の人々を強制改宗させ、応じないものは残虐な手口で虐殺、追放し、イスラム支配へのリバイバルを押し進めています。イスラエルは、北はゴラン高原をはさんで、このイスラム国が猛威をふるうシリアと国境を接しています。また西もヨルダンをはさんで、イラクと地続きです。イスラム国は今にもヨルダンに突入する勢いで、ヨルダン王室は、防衛のためイスラエルに援軍を依頼するほど緊迫しています。 さすがにこうした事態を黙認できなくなったアメリカは、8月、イラクにいるイスラム国に対する空爆を始めました。9月には、NATO(北大西洋条約機構)もイスラム国対策に加わることを決めました。しかし、相手は宗教的に立ち上がった組織です。もしキリスト教国家である欧米が束になって戦いを挑んでくるなら、逆にますますイスラム化に進ませてしまうかもしれません。ところで、イスラム国のようなイスラム・テロ組織は、価値観も考え方も私たちと全く違うので、和平交渉といった普通の対応ではどうにもなりません。相手は国ではなく組織なので、領地という考え方がなく、領民を大事にすることもないため、交渉が成立しないのです。しかし、だからといって、武力で戦っても明確な終焉は期待できません。指導者が倒されても、すぐに代わりの指導者が立ってしまいます。さらに今回は、世界の若者がイスラム国に感化され、イラクでイスラム国の訓練を受けてから自国でテロを計画するという危険な動きがあります。世界は今、基本的に聖書の価値観を持つ陣営と持たない陣営とのイデオロギーの対立、つまり大きな霊的な対立に直面しています。実はイスラエルが世界に理解されないまま戦って来た相手は、このような背景を持つイスラム・テロ組織だったのです。イスラエルの課題はもはやイスラエルだけのものではなくなりました。 次に、『オリーブ山便り』では、イスラエルの人々を、聖書で預言された人々というだけでなく、生身の人間として、ありのままの姿を見てとりなしていただきたいと願っています。イスラエルは主に祭司として選ばれた人々です。しかし今はまだ汚れた服を着ています(ゼカ3章)。イスラエル政府は世俗の政府なので、当然、軍事力で防衛しようとします。今年もガザ地区のハマスとの戦争で2000人以上を殺害してしまいました。いかなる理由があったとしても、主の前に、パレスチナ人を傷つけていることは否定できません。将来的には、主ご自身がこの祭司の汚れた服をきよいものに取り替えて、本来の祭司イスラエルになるのですが、今はサタンに訴えられるような行為を繰り返しています。私たちは、そのことから目をそらさず、とりなす者にならなければなりません。このときに大事なのが、“彼らユダヤ人”をお赦しくださいととりなすのではなく、“私たち”をお赦しくださいととりなすことだと教えられています。イスラエルは、単にユダヤ人の国ではなく、人類の代表として主の前に立っているからです。あらゆる点で、イスラエルの問題は、“彼らユダヤ人”の問題ではなく、“私たち人類”の問題になってきていると実感しています。 私たちは、先に救われて先に祭司となり、主の御名で祈る特権が与えられています。2015年、主の祭司として、イスラエルと世界のためにとりなす勇士たちのために『オリーブ山便り』がお役に立ちましたら幸いです。
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