日本CGNTV特別座談会より
日本CGNTVは、2013年春、「教会の未来を開く」と題し次世代の育成を取り上げ、特別座談会を持ちました。 司会には国分寺バプテスト教会の米内宏明牧師をお迎えし、ゲストには日本福音同盟総主事の品川謙一師、シオンの群教会牧師で聖契神学校教員の吉川直美師、ニューホープ横浜の山口武春師、カナンプレイズチャーチ、ユースパスターの長沢崇史師をお迎えしての座談会となりました。 まず、自己紹介の時間が持たれ、それぞれのゲストが自己紹介と最近若者に関して感じていることを自由に述べる時間が持たれました。もともと若い世代にターゲットを絞り宣教しているニューホープ横浜の山口武春師は、開拓以降9年間、多くの時間を若者とともに過ごしておられます。自身が開拓に携わるようになったのが29歳の頃からで、同じ世代の若者に伝道するのは、話もしやすく人も集まりやすかったと自身の活動を振り返りました。カナンプレイズチャーチの長沢崇史師は、日本全国を回りながら、若者と共に主を賛美し、日本のワーシップ界をリードしておられます。長沢師は47都道府県全てを回る中で、「いのちの輝き」を持つ若者が増えてきたと感想を述べ、地方にも情熱を持った若者がたくさんおり、20代前後の若者たちの祈りと賛美にふれ、自身も刺激を受けていると述べました。聖契神学校教員の吉川直美師は、神学校において20代から70代の献身者に教えておられます。最近は20〜30代の献身者が増えていると語り、日本は献身者が不足していると言われているが決してそんなことはない、献身の思いを持つ若者は少なくないと語りました。若者たちが献身していく中、大切なのは、若者が献身者として仕えていくために、周りのサポート、受け入れが必要ではないかという考えを述べました。また、伝統的な教会が彼らを受け入れ、若い世代に宣教するために体質を変えていく必要も訴えました。日本福音同盟総主事の品川謙一師は、3.11の震災直後から総主事を務めておられ、総主事になられてすぐに被災地での活動が始まり、多くの方々がキリストを受け入れる姿を見てこられました。難しいと言われる日本宣教の中でもさらに難しいと言われていた東北での救いの御業を目の当たりにし、日本の教会の閉塞感と言われるものが、全国規模で動かされ変わってきていると述べました。 次に、司会の米内師から、一般的に日本の教会には若者が少なく閉塞感があると言われているが、現場で見えている印象は若者が燃えているという、このギャップはなぜ生まれてしまっているのかと問題提起がされ、長沢師は全国を回られた経験から、若者が増えて燃えている教会と、そうでない教会に分かれてしまっているように感じると述べました。また品川師は、教団教派の壁を取り上げ、被災地では目の前にある問題が大きすぎて、教団教派が全く問題になっていないことを話しました。被災地では目の前の痛みを持ったたましいのために何かをしたい、何ができるかわからないが、とにかく一緒にやってみようという思いがその壁を超えさせていると話しました。被災地では若い牧師やボランティアの青年たちが用いられ、宣教の業が進んでいることから、目の前にある痛みに、クリスチャンが一丸となって働きかける素晴らしさを証ししました。品川師の、若い牧師やボランティアの青年たちが用いられているという発言から、山口師は、若い世代が持っている情熱を摘み取らずに生かしていく環境やチャンスを作ってほしいと訴えました。日本の教会は若い人にチャンスが与えられないという問題点を挙げられ、若い世代を教会の単なるピースの一つとして見るのではなく、一人一人の個性、賜物、情熱に耳を傾け、生かしていってほしいと話しました。また、吉川師は、上の世代が持っている若者像と、実際の若者は違うと話し、その違いで若者は教会を去ってしまうのではないか、若者一人一人を人格として見て受け止めることが大切ではないかと提案されました。 番組の中では若者に対するインタビュー映像が流され、「なぜ教会に人が集まらないか」「伝道する時に難しいと思うこと」という質問に若者たちが答えました。「教会に対して怖いイメージを持っているのではないか」「わかりやすく福音を伝えるのが難しい」「勇気がない」などの声に、ゲストそれぞれの経験から盛んなディスカッションがされ、まず教会とクリスチャンが変わる必要、伝統や礼拝プログラム、教会像にとらわれずに、聖霊が豊かに働かれる教会を目指すことなどが挙がりました。また、教会の世代間ギャップをいかに克服していくかということにも触れ、教会の中心はキリストであり、賛美や礼拝のスタイルが重要ではないことを確認できる座談会となりました。
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