沖胡 一郎 ● 芦屋福音教会 牧師
日本の教会にQT(ディボーション)が紹介されてしばらく経ちますが、芦屋福音教会では、リビングライフと分かち合いのグループという形でここ数年行っています。 私の個人的な恵みは、最近ヨブ記を通して、聖書の知恵と知識が徳を高めなければならないという事を悟った事です。私は神学校時代から最近まで、聖書の真理を正確にわかりやすく伝えるという事が大切だと思ってきました。しかし、ヨブ記のQTを通して、ヨブの友人たちがヨブの痛みに7日間もともに泣きながら、その助言は結局ヨブを傷つけるだけに終わってしまった事を通して、「本当の知識と知恵は受ける人が肯定的、積極的に成長する」ことであると悟りました。そして、メッセージも「多くを伝えるよりも、気づかせること」を中心に作っています。また、牧会やカウンセリングもその人が主に向かうにはどう助言したら良いかを考えながら、言葉を選ぶようになりました。 さて、教会とQTですが、教会の方々にはなるべくリビングライフを購入していただいています。それは分かち合いに役立つからです。初心者には内容的に難しい場合もありますが、「これがキリスト教です」という紹介にもなるかも知れません。エッセイやコラムには韓国人のものが多く書かれていますが、霊的に高められる内容なので、そのままお勧めしています。 QTの分かち合いは教会のスモールグループの集まりと一対一弟子養育研究の時にしています。最初は「読んでいません」とか「読んだけど何もわかりませんでした」という方が多くいましたが、最近は「主に教えられたこと」や「適用したこと」などが多くなってきました。最初は壮年の方々、そして、年配の方々、今は青年グループがQTの分かち合いを熱心にしています。神のことばはどの世代にも力強く働くことを改めて、実感しています。時に「この聖書個所からこう適用するのか」と驚くようなこともありますが、それでも感謝です。主は求める者に答えてくださり、牧師よりも深くみことばに教えられている方もいます。分かち合いを定期的にする事によって、信仰生活に喜びと力が出て来ます。また、互いに表面的ではない、本物の関係が生まれて来ると感じます。グループでのQTの恵みはただ個人に留まらず、分かち合うことによって何倍にもふくれあがっていきます。
沖胡一郎 1963年東京に生まれる。東京渋谷福音教会で受洗、YWAM、トリニティ神学大学院。1996年から1999年オンヌリ教会日本語礼拝部牧師、2008年より芦屋福音教会主任牧師に就任、現在に至る。
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