福島七郎 ● 聖協団上田キリスト教会
1996年10月に、オンヌリ教会を初めて訪ねるチャンスをいただきました。100人以上の日本人を、オンヌリ教会の信徒の方のお宅にホームステイさせてくださり、朝から夜まで充実したプログラムを用意して導いてくださいました。教会全体で日本人クリスチャンを霊肉共にもてなしてくださったのです。 その9年後に息子が韓国に住むことになったのですが、オンヌリ教会に導かれてほしいという願いが叶えられ、やがてリビングライフの翻訳に携わらせていただくようになりました。 上田キリスト教会では7年前でしたか、リビングライフを個人的に用いてディボーションをしている方が4、5名おられました。それまで10数年間教会でお勧めして購入していたディボーション誌があったのです。しかし、統一してリビングライフに切り替えたのを機に、用いる方が増し加わって、現在30余名の方が毎朝夕にリビングライフを開いて主のみことばを聴いています。さらにこれによって、分かち合う集まりが始められたのは大きな恵みのチャンスとなりました。どんなにみことばを読み、それを黙想しても、分かち合うことがなければ恵みの味わいは一人分以上にはなりません。 こうして分かち合うためには、まずは読まなければならないし、何かを発言しなければならない訳です。この「~しなければならない」が実に幸いな力となって内側に迫ることで、最初は強いられ感を感じるかもしれませんが、やがてそれは相互の気付き、発見、励ましとなり、やがて喜び、楽しみへと「味をしめる」ようになるのです。さらに聴いたことを生活の中で適用するのは簡単ではなく、読むだけで精いっぱいという位置にいて足踏みしている現状を訴える方も多いですが、この分かち合いを1年、2年と積み重ねていくと、少しずつはっきりと変えられていく様が互いにわかるようになり、自分では分からない姿ですが、分かち合いによって伝え合うため、主に従う道を歩みつつ理解できるようになります。 こうしてゆっくりと、この世の価値観から神の国の価値観に変えられ、この世から影響を受けやすい体制から、この世に影響を与えていく使命に目が開かれていくことを目指しています。実体があってこその言葉の力ですから、神のことばを聴いてよく味わい、そして生き様に現れる決断や選択で表していく証人となるように互いに祈り求めています。 上田キリスト教会にリビングライフを通して与えられた恵みをご紹介できたことを感謝します。私たちが上田で牧会するようになって今年で29年ですが、ずっと心を向けてきたことはクリスチャンの口から出ることばです。クリスチャンの話題の質は、ディボーションと分かち合いによって変わると思います。教会の中で、公にではなくその陰で話されている話の向きと、話からしみ出る品性は教会の力を表しています。そこにいない人の話で徳を建て上げることはクリスチャンの特技であり、未信者の方の目に不思議に映る大きな証だと思っています。同じ価値観になるまでには、本音で話す自由と受け止める寛容と待ち望む忍耐が必要ですが、必ず実を結ばせる主の計画の中心ではないかと期待しています。 何を分かち合うかで教会の空気が決まり、向かう方向も定まってきます。互いにみことばを分かち合うことで、互いに与えられている使命が明らかにされ、それぞれの前にある問題に立ち向かわせる力を生み、信仰の従順と忍耐が励まされつつ養われていく確かな道、しかもこれが時間がかかっても最も近い道ではないかと思っています。願ったように順調に進まないことも当然ありますが、互いに粘り強く待つことを訓練されつつ、責任を負い合う関係の成長を求めていこうと願っています。
福島七郎 1949年、埼玉県本庄市に生まれる。日本ホーりネス教団川越教会で受洗、27歳。2年後に献身、基督聖協団千葉聖書学院に入学。1984年、聖協団上田キリスト教会(長野県上田市)主任牧師に就任、現在に至る。
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