石坂孔英 ● 東京グレイス福音教会 牧師
リビングライフのみことばの学びは、喜びの泉のように教会を潤しています。
毎週水曜日、木曜日に持たれるQTグループの祈り会は、まずその日の聖書箇所の「主題探し」から始まります。参加者は、順番に聖句から印象に残ったことば、キーワードを挙げていきます。発言が進むにしたがって「キーワード」が積み上げられ、次第にその部分のメッセージが捕らえられ、「キーセンテンス」が形成されていきます。テキスト上の言葉を挙げますので、全く間違うということはありません。リーダーは、その聖句のメッセージを全員が捕らえることができるように導きます。このようにして、全員が参加し、自分で神様からのメッセージを発見して受け取るようにリーダーによって励まされます。自分で見出した神様からのメッセージを知ることほど、うれしいことはありません。これは、リーダーの目から見たら、ちょうどカウンター席の料理屋のようです。食卓をはさんできょうの材料をおいしく料理していくのです。みな満足して、帰途につきます。
また、自分へのみことばのメッセージを自分で見出せば、そこから自分の弱点を知らされても腹が立ちません。素直に受け取ることができます。みことばは鏡のように自分の問題を映し出しますが、主の愛を感じます。自分で見出した主からのメッセージであれば、砕かれることは容易で、主の前に正直になれます。このようにして、主を愛することから出発し、教会の兄姉を愛することを学んでいきます。たくさんの人が愛することに失敗するものですが、学校であれば失敗することも許されます。そのように、みことばと愛することの学びは、「互いに赦し愛する」という環境の中で行われます。そして、そこには先生と生徒の関係ではなく、家族のような親しい関係が築かれています。主が一人一人にみことばの学びを通して語ってくださっているからです。
QTグループの参加者は、よく泣きます。また、笑います。それは、この祈り会の自然な姿です。しかし、感情に流されるのではなく、はっきりとした悔い改めが求められています。赦しとほぼ同時に、神様から自分の新しいイメージが示され、喜びがわいて笑顔が見えるようになります。また、各人が直接みことばからのメッセージを受け取る時には大きな感動があります。その感動を共有することによって、学びはさらに確かなものになります。
参加者は、祈り会の時だけでなく、いつも自分の主にある兄姉を覚えています。モーセを助けたアロンとフルにならって、参加者は毎月の第一回目の祈り会で自分のために毎日祈ってくれる二人の人を見つけます。その三人は互いにほかの二人を覚えて毎日祈ります。そのようにして自分がいつも誰かに覚えられ、祈られている平安を持つことができるようになります。カードに自分が覚えて祈るべき人の名前を書き、リビングライフにはさんでおきます。祈ることは、どこででも何をしている最中でもいいことになっています。QTグループは、顔を合わせなくとも、毎日働いています。
いつも参加者は、QTグループ祈り会が終わる頃には自分の新しいイメージを受け取って帰ります。自分の新しいイメージを受け取ると、御霊はその人に新しいビジョンを示されます。みことばからのメッセージを受け取る学びは、その人に新しいビジョンを示さずに終わることはありません。みことばから信仰が生まれます。その信仰は、自分の望んでいる事柄の実体（保証）です（ヘブ 11:1）。私たちは、その信仰によって生きています。
私たちの教会は、毎年海外に短期宣教チームを送り出しています。今までに、韓国、中国、カンボジア、シドニーなどに１チーム数人から10数人のメンバーが遣わされています。そのための宣教スピリットは、この小さなグループの中で育てられます。まず、みことばによる感動と理解から始まり、具体的に御霊がその人の問題を取り扱い始めます。そして、まず自分の教会の中で主と兄弟姉妹に仕えることを教えられます。大切なこととして、参加者は自ら主体的にみことばから教えられ、主との親しい交わりを通して充足するという霊的主体性を確立するように励まされます。QTグループは、ただ受動的に教えられるのでなく、自らメッセージを受け取ることにより、神の前での正しい独立性と主体性を育てることに大きく役立っています。このようにQTグループは、教会の宣教とビジョンを育てることに役立っています。
石坂孔英
1951年、東京新宿生まれ。中央大学法学部、米国ダラスCFNI学院、関西聖書学院卒業。二男二女の父。趣味は日曜大工、ギター、音楽鑑賞。現在、日本福音教会（JEC）所属、東京グレイス福音教会牧師。
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