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日本プロテスタント宣教150周年を迎えて
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内向き(1%)から外向き(99%)へ 、今こそ宣教のチャンス |
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内向き(1%)から外向き(99%)へ 、今こそ宣教のチャンス インターナショナルVIPクラブ顧問 ● 三谷康人
エリヤ会は今から7年前に、「何故日本のクリスチャン人口は1%の壁が破れないのか」という一人の宣教師の発題から始まりました。宣教師、牧師、ビジネスマンが毎月集まり、調査もし、その原因と対策を6年間検討しました。その内容をまとめ『エリヤのように』(イーグレープ社発行)の本として発表しました。これから、本の中で提言しました幾つかのポイントとなる点を述べてみます。
宣教150周年を迎える中での閉塞感 調査の中で、以前の入信者に何故教会に来なくなったのかを聞きました。「敷居が高い、教会で何をしているか分からないから」の回答が目立ちました。これは、教会が『内向き』で社会から離れている様な印象のある事を示しています。 今一つ問題点は、教職者も信徒も『高齢化』している事で、牧師は毎年減り、無牧の教会が増えています。信徒も受洗者よりも召天者が多くなりつつあります。更に日本の人口も、40年もすれば1億人を割り込み、労働人口の大きな減少と高齢者は増加となります。以上の様な事から閉塞感を感じる様になっています。 しかし、見方によっては「ピンチは最大のチャンスです」。今迄の様な伝統的な方法の延長線上には明るい未来はありません。福音の真理は変わりませんが、その伝道方法を変える時です。視点を変えて見る時、そこには大きなチャンスが見えて来ます。「すべてのわざには時と方法がある」(伝道の書8:6)。それは私達が「内向き」から「外向き」に変わる事です。即ち、1%のクリスチャンから、99%の未信者向きに変わる事です。その時、伝道のチャンスが開け、福音が広まる時だと思います。
3つの視点(神、信徒、未信者)から、『外向き』へチェンジを次の3つの視点から見る時、新しい宣教の方向が見えて来ます。 (1) 神の視点…ミッション(使命)は何か? 神は私達クリスチャンに何を求めておられるのでしょうか。私達の使命は何でしょうか。ある人は小羊(信徒)を養う事(「わたしの小羊を養いなさい」(ヨハネ21:15))。又、ある人は大宣教命令(「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ」(マルコ16:15))と。 現在、多くの教会は信徒である小羊を養う事を優先されています。その為に『内向き』となって敷居が高くなり、未信者の人が教会に入りにくくなる傾向が出ています。 後者の大宣教命令は『外』の未信者が対象になります。教会員がミッションは大宣教命令という認識を共有します時、ビジョンが出来、目標が決まり、『外向き』の地域社会に向かっての宣教活動が強化されるでしょう。神はそれを優先して求めておられと思います。
(2)信徒の視点…新しい人を教会に誘うには? 信徒に質問してみました。(約400名の首都圏の人へのアンケート) その結果を集約し、多い順に次の3項目がありました。 1) 自分が変わる事…生活の場で自分が輝いている様に。先ず自分が聖霊に満たされ人を愛し仕える人に変わる。 2) 教会が変わる事…明るく楽しくオープンな教会に変わる。 3) 外に出て友達を作る・・・教会へ温かく迎え居場所を作る。 多くの信徒は自分が喜び輝く事が生活の場における伝道の鍵だと知っています。そこで最初に、伝道の鍵を握る信徒はQTやセル活動等で聖霊に満たされ、今迄以上に輝くクリスチャンに育って下さい。
(3)未信者の視点…相手の様になり、目線を合わせる パウロは、「できるだけ多くの人を得るために、自ら進んですべての奴隷となった。…弱い人には弱い者にななった」(Ⅰコリント 9:19~23)と言っています。サドルバック教会のリック・ウォーレン師、ウィロークリーク教会のビル・ハイベルス師は共に伝道を始める前に、先ず自分で地域の家庭を訪問し、人達の要望や不満を聞き、それに応える様にして開拓伝道を始めました。又、カナンの地を約束されていたモーセとヨシュアも、攻める前に斥侯を出して相手を調べています。私達も未信者と目線を合わせて要望や不満を聞く事が非常に重要です。そうすると彼等は心を開き福音が伝わり易くなります。
宣教150周年の今こそ、病める多くの日本人をキリストの愛で包み、仕える最良のチャンスを迎えています。 先ず私達クリスチャンが、祈りと御言葉により、聖霊に満たされ、キリストの愛で人々に仕える様に変わる事です。そして姿勢を『内向き』(1%)から『外向き』(99%)に変える時です。そして私達は地の塩、世の光となって、この世の生活の中で輝きましょう。その時、今迄以上に未信者の人々を教会に誘い救い導く事が始まるでしょう。そこには、いつまでも残る、信仰と希望と愛があります。 (聖書個所は口語訳から引用)
三谷康人(みたに・やすと) 1929年広島県生まれ。慶応義塾大学卒業後、カネボウ(株)に入社。繊維、化粧品、薬品を歴任。カネボウ薬品(株)社長、会長とカネボウ(株)専務取締役をへて、1997年退職。その後、夫婦で各地を訪問し証し伝道。その間、インターナショナルVIPクラブ顧問、エリヤ会会員、その他にキリスト教関係の諸団体の役員。著書には『逆転人生』『ビジネスと人生と聖書』共著では『エリヤのように』等がある。
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